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F.E.R.C Research Report - File No.0807

500kg男の謎を追え!
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2000/02/06 報告 報告者:伊達 徹、吉川 美佐、和田 栄一、マイケル 高田


1999年5月、ニューヨークの消防署に救助を要請する電話があり、レスキュー隊が出動した。依頼者のマイケル・ヘブランコ(46)があまりにも太り過ぎて自力で動けなくなり、家の壁を壊して救助されたのだ。

身長182cm体重500kg、ウエストは2m75cmもあり、6.5人分の肉を身につけていることになる。体は水分・脂肪・蛋白質・ミネラル等の成分で成り立っているが、体重の増減は主に脂肪を蓄える脂肪細胞の数の変化によるもので、ヘブランコの検査では通常の2倍の数の脂肪細胞が見られた。彼は体重3825gで生まれて16歳の時は157kg、34歳で405kgあった。その後1年半で315kgのダイエットをして、90kgに減少するが43歳では450kgとなり、食事療法で270kgまで減少。しかし、ついに500kgとなってしまった。

四国学院大学の漆原光徳教授によると、へブランコは、リバウンドを繰り返したことで、異常な肥満になったという。リバウンドとは、ダイエット後に体重が増えて以前より体重が増加する現象。アンケートでは60%以上がリバウンドを経験したことがあるという結果が出た。これは人間が持つホメオスタシスという機能と関係がある。体は環境が変っても、体温維持や血糖値・血液の浸透圧の調整など生きていく上で重要な機能を正常に保つ働きをするのがホメオスタシスであり、またホメオスタシスには、食物から得られるエネルギーの吸収率を上昇させたり、体が消費するエネルギーを減少させる働きもある。ダイエットを行った人は栄養不足の状態になっているが、1ケ月以内に体重の5%以上減少すると、ホメオスタシスが最大限に働くのである。

例えば、普段の食事量を100として、ダイエットにより90に減らしたとする。食事量が10少ないことでホメオスタシスが働き、栄養を無駄に排出しないようになりエネルギー消費も節約する。そのため90の食事量でも100を摂っていることと同じ状態になる。体重100kgを5%の95kg に減少した時点でホメオスタシスによる停滞期に入り、これに痺れを切らして食事量を戻すとリバウンドの恐れがある。ダイエットを断念した時点でもホメオスタシスは働いているため、食事量を100に戻してもそれ以上の食事を摂っていることになるのだ。
更に満腹感が変ってしまうこともリバウンドの原因になる。つまり、食物摂取により胃が膨らむ、血糖値の上昇、脂肪細胞から分泌される満腹物質のレプチンは、満腹中枢を刺激し、結果、満腹感を変えることにつながるというのだ。中でもセットポイントといって、満腹感を感じさせるレプチンの分泌量と、脂肪吸収量が、ホメオスタシスによってずれるとリバウンドが起こる。先程と同じように、減らした食事量を90とすると、脂肪細胞も90 の脂肪しか吸収出来ないが、限界量は100のまま。この時レプチンは、吸収される脂肪量に対応しているので90へ減少し、レプチンが10足りない分、空腹を感じる。そして食事量が減り、ホメオスタシスが働いた体は、排出していた余分な栄養を吸収する一方、エネルギー量を減らすようになる。つまり、リバウンドを繰り返す度にレプチンのセットポイントと脂肪吸収量のずれは大きくなり、なんと、脂肪細胞は元の100倍にも膨らむようになるというのだ。また、その後の脂肪細胞は簡単に膨らむようになり、太りやすい体質になってしまうのである。

リバウンドが起こらないようにダイエットするには、目標を1ケ月で体重の5%以内に留めること。5%以内で減らした体重を1ケ月維持できれば、レプチンのセットポイントが減らした体重に合うようになり、以前より少ない食事量でも満腹になるという。

ダイエットとは、単に体重を減らすことではなく、減らした体重を維持すること。本当にダイエットしたければ、一発で決めることが大切なのだ。


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