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F.E.R.C Research Report - File No.053

幻のオアシス伝説を調査せよ!
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2000/06/04  報告 報告者:桐島 夏子、桜田 直美、小杉 良子、 香取 恵、飯島 真智子


1994年、モロッコのサハラ砂漠で約200kmを6日間かけて走るマラソンが行われた。出場したマウロ・プロスペリ選手は5日目、激しい砂嵐で自分の位置を見失ってしまった。翌日チェックポイントを目指して歩き始めたが、気温は50℃まで上昇し、持っていた食料と水は底をついて、意識を失い倒れてしまった。数時間後意識を取り戻すと、目前に巨大なオアシスが現れ水を補給して疲れた体を癒すことができたという。数年後、再びオアシスを見ようとサハラを訪れたが、確かにあったはずの場所からオアシスは跡形もなく消えていた。

1982年、イギリス人のトムソン氏は商談のためジープで油田へ向かっていた。途中でエンストを起こし、仕方なく砂漠の中を歩きはじめた。数時間後、以前は一面砂漠だったはずの場所にオアシズが広がっているのを発見した。そして湧き上がる水に両手を浸して水を飲み干し、油田に無事到着することができたという。数ヶ月後再び油田に向かったが、オアシスを見つけることはできなかった。

これらの事例は、実際に水を補給していることから、幻や蜃気楼とは考えにくい。海からは数百km離れている地点であるため、海で発生した霧が移動して水溜りになることはない。
サハラ砂漠ではひんぱんに石油の発掘が行われているが、発掘場所から大量の水が湧き出すことがあるという。実際、石油センターには48もの井戸があり、余り有るほど豊富な水をたたえている。立正大学地球環境科学部の高村弘毅博士によると、サハラ砂漠の地下にはアマゾン川流域の水資源に相当する地下水が含まれているという。水源は地下300〜1200mにあり、フランスの国土と同じ面積があるというのだ。

この巨大水源は「アルピエンヌ海」と名付けられた。しかし、サハラ砂漠一帯の平均降雨量は日本の8分の1の年間約200mmで、雨水が地下に浸透したとしてもこれほど大量に貯まるとは考えられない。そして微量元素量の測定では、なんと1万年前に降った雨による地下水であることが判明したのだ。5000年から1万年前までは緑豊かな大地だった砂漠に、長い年月の間に雨水が染み込んで地層の中に閉じ込められていたのだ。このような水を「化石水」といい、他の砂漠にも存在している。

通常、水は高い場所から低い場所へと移動するため、オアシスよりも高い場所に水の供給源がある。サハラのオアシスはアトラス山脈やアハガル高原沿いで降った雨が、帯水層を通って運ばれ湧き出たものとされる。さらに、砂漠の強い風の影響で凹地ができ、帯水層が地表に近い所にオアシスが出現しやすいのである。しかし、砂漠の砂は細かく軽いので風で飛ばされやすく、砂嵐などで大量に飛ばされると巨大オアシスでも砂で埋まってしまう場合があるという。また、砂漠での年間降雨量は1950年以降減少していることからも、オアシスが消えてしまうことがあるという。

現在、砂漠化を防ぐため帯水層の水を利用した緑化計画が進められている。そのひとつである「地下ダム」は帯水層の水を塞き止めて、上流側の地盤内の隙間に水を貯える構造になっている。その水は農地などに活用でき、蒸発することがない。日本は地下ダム建設に多くの実績があり、世界各国の地下ダム建設に大きく貢献している。





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