"カバン"が問題だ
2008ACTION「政治団体のマネー・ロンダリングを許すな」を担当した小西美穂です。
引き続きコラムで「政治とカネ」について発信させていただきましたが、みなさんからコメントをいただき、感謝しています。
いま、永田町で「世襲制限」が話題になっていますね。世襲と政治資金について考えてみたいと思います。
まず、選挙に勝つためにはジバン、カンバン、カバンと "3つのバン"が必要だと言われ、それぞれ①地盤(=選挙区の支持、後援会)、②看板(=知名度)、③鞄(=選挙資金)を指します。
世襲はこれら三つを先代から受け継ぐので、選挙に大変有利になり、世襲ではないけど優れた人材が永田町に集まる弊害になっているのではないかと言われています。
私はこれらの中で、"カバン"の受け継ぎに大いに問題があると考えています。
政治家の資金を語るうえで、彼らの「第一のお財布」は何か。
それはひとり一つだけ持つことが認められている「資金管理団体」です。→参照:総理大臣の政治団体に行ってみた!前編(第3回)。資金管理団体の代表は、政治家自らがつとめるので、一般市民が「この人の政治活動を応援したい」と思って個人献金するときなどは、渡す側も受け取る側も非常にわかりやすい団体となっています。
世襲議員が出馬するときに、全く税金がかからない「お財布の中身移し替え」が起きているのです。
親は自分が代表の資金管理団体が必要なくなりますので、団体を解散しようとします。「解散規定」はありますが「精算規定」はありません。じゃあ、資金はどうするか。資金管理団体は、親の政治資金を息子が選挙に出たときに「寄付」することで全額移し替えることができます。例えていいますと、小泉純一郎元首相の息子進二郎氏は選挙に出るときに新たにAという政治団体をつくれば、純一郎氏の政治資金管理団体からAという政治団体に資金を「全額寄付」すれば、無税で相続することが可能なのです(あくまでも例え話で実際にどうしていらっしゃるのかはわかりません)。政治団体間の寄付を認めている以上、「相続税を回避」することができるのです。仮に一般の人が親から子へ資産を口座で移し替えなんかしようものなら、完全に脱税行為ですね。なのに、政治の世界では、「寄付」という形で無税なのです。なにも、相続税逃れるために議員になる人はいませんが、不公平でおかしいと思います。
ただ、政治団体の寄付を完全になくしていいかというと、それだけでは政治家はやっていけませんし、政治活動の自由に抵触することもでてきます。
ただ、この問題は与野党問わず、多くの議員が「規制すべき」と認め、世襲制限の賛否を問わずよく出てくるようになった点です。世襲の問題をお金の話に矮小化してはいけませんが、この点についての発言にも注意しながらこの議論の行方を注目していかねばなりません。
2008ACTION「政治団体のマネー・ロンダリングを許すな」

小西美穂
1992年、読売テレビ入社。大阪社会部記者として阪神大震災など取材後、ロンドン特派員。イラク・サマワなど欧州・中東中心に海外現地リポート多数。
帰国後、日本テレビにて政治部、「ズームイン!!サタデー」ニュース解説。2006年4月より日本テレビへ移籍し「リアルタイム」サブキャスターに。他にタレント伊集院光との異色討論「ここがわからん!」(リアル目線)、生放送の政治討論番組「闘論」(日テレNEWS24)司会を担当。
「政治とカネ」~国民へのわかりやすさを最優先に
2008アクション「政治団体のマネー・ロンダリングを許すな」を担当した小西です。
取材がなかなか進展せず、中途半端に終わってしまい申し訳ありませんでした。
今年になって西松建設の違法献金事件が発覚し、「政治とカネ」に再び関心が集まっています。
そこで、このコーナーにて、みなさんに再び情報発信させていただこうと思いました。
まず、今回の逮捕容疑では
小沢代表の秘書の大久保容疑者は、実際には西松建設から陸山(りくざん)会に対する献金だと認識しながら、2003~2006年に受領した計2100万円について、同社OBが代表の「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」(ともに06年解散)から献金を受けたように報告書に記載したとされています。
●このやりとりは政治資金収支報告書に記載されているので、どんな風に載っているか、パソコンで見ることができます。
①総務省のホームページを開きます
②右側に「白書・報告書」をクリック
③「政治資金収支報告書」をクリック。「閲覧用ビューワをダウンロードする」と出てクリック。
つまり、通常のパソコンには入ってないソフトをダウンロードする(無料)必要あり
④「平成18年9月18日公表」をクリック。(容疑事実の2005年度分が翌年公表されています)
⑤「資金管理団体」項目でアイウエオ順に。「陸山会」の頭文字である「リ」を開く
⑥「陸山会」が登場。クリック。
⑦「政治資金収支報告書」画像が出て、25枚目に「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」があります。
●印刷したいな、と思っても、これは印刷できないのです。不便ですよね。
●西松建設のダミー団体とされている「新政治問題研究会」も同じ要領で見てみましょう。
①西松の「に」の字も書いていません(当たり前ですが)
②住所は千代田区平河町のマンション一室、自民党本部や国会の近くになっています
③会費を納入した人の数は「391人」
④献金先は実にさまざま。国会議員関係先もたくさん混在しています
⑤「その14」と書いてあるページに「陸山会へ500万円寄付」と記載(H17.12.19付)
⑥その下の欄には「民主党岩手県第4総支部へ300万円寄付」と記載(H17.12.20付)
これは小沢氏が代表をつとめる民主党の政党支部のことです。
確かに、政治資金の収支はこのように公開されています。
でも、国民がこれを見ただけでは、どこが怪しいか怪しくないか、判断できるでしょうか。
それなりに知識がないとわからないし、知識があっても複雑で極めてわかりにくいしくみです。
国会議員でさえ「わからない」と言うのですから。
政治資金規正法は問題が発覚するたびに改正に改正を重ねてきた結果、複雑になってしまっています。
今こそ国民へのわかりやすさを最優先にした見直しを。
政治本位でなく、国民本位の真の「公開」が進むことを求めます。

小西美穂
1992年、読売テレビ入社。大阪社会部記者として阪神大震災など取材後、ロンドン特派員。イラク・サマワなど欧州・中東中心に海外現地リポート多数。
帰国後、日本テレビにて政治部、「ズームイン!!サタデー」ニュース解説。2006年4月より日本テレビへ移籍し「リアルタイム」サブキャスターに。他にタレント伊集院光との異色討論「ここがわからん!」(リアル目線)、生放送の政治討論番組「闘論」(日テレNEWS24)司会を担当。
