食の安心・安全・・・小さな街の取り組み!(第6回)
食品産業から排出される食品廃棄物の行方を取材した前回に引き続き、今回私たちは家庭から出される食品廃棄物に焦点を当てて取材をしました。
日本では年間1100万tもの食品廃棄物が家庭から排出されます。
それを少しでも有効活用しようと試みる小さな街がありました。
山形県長井市。この街では生ゴミと燃えるゴミを分別して収集していました。
集められた生ゴミは工場で堆肥へと生まれ変わり、その堆肥を使って市内の農家の方々が野菜を生産。その野菜を長井市に暮らす人々が消費する、というリサイクルループが出来ていました。
長井市で暮らす人々は、「生ゴミを出す側として、堆肥で育った野菜をいつかまた自身が口にすることを考え、より安全な食品を選ぶようになった」そして「愛情をもって野菜を育てる農家の方々の顔が見えることで、彼らが育てた野菜をより大事に消費するようになった」と話してくれました。
また一方で農家の方も、いつか堆肥として戻ってくる野菜の安全を考えて、農薬をなるべく使わずに野菜を育てていました。通常より手間もコストもかけて野菜を栽培するのですが、消費する長井市の人々の「おいしい」という言葉を励みに、販売価格をなるべく抑えて、安全な野菜を提供していたのです。
このように、食品廃棄物を減らす取り組みである“リサイクルループ”は、長井市に暮らす消費者と生産者の“心と心”をも結んでいました。そして、それは“食の安心・安全”にも繋がっていたのです。
しかし市の担当者は、このリサイクルループの普及にはまだまだ困難な点があると語りました。それは“燃えるゴミと生ゴミを分けて出す”というわずらわしさです。
市民一人一人がゴミを減らそうという心がけがなければ、このリサイクルループは成立しないのです。
長井市独自の試みは身近なものに感じられないかもしれません。
しかし、捨てられる食品を少しでも減らすためにも、
一人一人が「もったいない」を生み出す生活習慣を見直し、
小さなことから心がけていく必要があるのではないでしょうか。

