福田総理の政治資金収支報告書を見ようとして,,,ハテナ?(第5回)
私の取材ブログにコメントを書いてくださった方々ありがとうございます!
みなさんの声を参考にさせていただき取材を進めていきます。
“有権者”さん、ご指摘ありがとうございます!そうなのです。総務省にも届け分があります。第三回のブログのリストを使ってもう一度紹介させていただきますね。
総理の政治団体は以下の4つ。どこに保管(届け出)されているかは最後の→に書きました。
① 千代田経済懇話会(東京都)→ 資金管理団体 →総務省
② 自民党群馬県第4選挙区支部(群馬県)→ 政党の選挙区支部 →群馬県
③ 福田経済研究会(東京都)→ その他の政治団体 →総務省
④ 福田経済研究会(群馬県)→ その他の政治団体 →群馬県
①の所在地は東京都千代田区、③は東京都港区ですが、活動が複数の都道府県にまたがっているので法律上、総務省に届け出られています。
総務省の分は誰でもインターネットで見ることができます。でも、総務省のホームページに入ってみたら、ハテナ?が意外と多かったのです。
ハテナ① サイトに入るには特別なソフトをダウンロード(無料)しなければならない。
ハテナ② 「国会議員名」で検索できない。「政治団体名」を入力しないと調べられないので、「○○議員の政治資金報告書が見たい」と思っても、目当ての政治家が例えば「21世紀の△×会」など政治家の氏名と関係ない名称をつけていたなら、調べようがありません。
ハテナ③ 画面を印刷できません。印刷マークがでてこない特別なソフトです。現行法では「閲覧」しか認められていないから特別なソフトを使用しているのです。
いろいろ不便ですよね。ハテナ①と③は、今回の改正法でコピーが認められるようになるので解消される運びです。でも②が解消されないと、国会議員のことを知りたい有権者が気軽にアクセスできませんよね。確かに「公表」はされているんですが、「公表すればいい」という感覚のようにうつります。“ユーザーフレンドリー”でないしくみ、なんとか改善していただきたいです。
でも一度、総理の政治団体名で検索して、政治資金収支報告書がどんなものか、一度調べてみてはいかがでしょう。話題になった領収書は添付してありませんが(閲覧対象外なので)、政治家のお小遣い帳にはどんなものが記載されているか、わかると思います。
福田総理の政治団体に行ってみた!後編 (第4回)
群馬県庁に保管されている福田総理の政治資金収支報告書。実際に見に行ってきました。誰でも見ることができるのですが、公開のあり方にはいろんな疑問がわいてきました。
収支報告書は「閲覧」のみ。「コピー」不可
領収書は「閲覧」「コピー」両方不可
「情報公開請求」という別の手段をとれば、コピーの入手は可能になる
保管は3年間のみ。参議院議員の任期は6年なのに、任期を通した報告のチェックは不可能
手順はこんな感じです。
1)政治資金の窓口で、用紙に住所氏名等を記入、閲覧申請をする。
2)担当者が奥の部屋から報告書を持ってくる。閲覧用の机でペラペラめくってみると、収支の記載のみで領収書が添付されていない。「領収書はどこですか?」「閲覧不可です」※1
3)福田総理の関係団体は3つでページ数が多かったので「コピーとらせてください」というと、「不可です。閲覧のみです」※2
4)※1※2は、正確に言うと、政治資金規正法では許されていなくて、群馬県の情報公開条例に則して請求するとコピー入手可能と判明。別の用紙にコピー入手希望を記入し、別のフロアにある専用の窓口「情報公開請求コーナー」へ移動。数分まてば、コピーがもらえた。コピー代は1枚10円。手数料無料です。
5)領収書は個人情報を保護するために黒塗りする時間が必要だそうで、当日の閲覧もコピーも不可。返信用の切手代を支払い、後日コピーを郵送してもらうことになりました。所用約2週間。
多いものでは数百ページ、100以上の政治団体をもっている議員もいるのに、収支報告書のコピーがどうしてできないのでしょう。政治資金規正法には「閲覧」としか書いていなくて、「写し(コピー)の交付」は権利として認められていないそうです。今の時代、「見てもいいけど、コピーはだめ」って、かなり遅れていると思いませんか。コピーして、じっくり分析されたら困るってこと?と疑念を感じてしまいますよね。情報公開条例ではなくて、政治資金規正法の範囲内できちんとコピーまで認めるべき!という批判が長い間続いていたのですが、今回の改正法ではようやく認められる運びです。
でも、群馬県庁の担当者に「一般の方には相当ややこしいし、不便なしくみですね」と言うと、「見に来るのは、ほとんどがマスコミの人達ですから」との返事。閲覧やコピー申請者の8割が報道関係者だそうです。でも、本来は有権者・納税者がアクセスしやすいように制度を整えるべき。インターネットで全国どこからでもチェックできるようなしくみにする方がいいのではないでしょうか。
総理大臣の政治団体に行ってみた!前編(第3回)
2月5日、福田総理の地元、群馬県に取材に行ってきました。群馬県庁に保管されている総理の「政治資金収支報告書」を閲覧するためです。取材結果は後述することにして、まずは総理の政治団体を例に「政治資金のしくみ」について説明しますね。
福田康夫議員事務所によりますと、総理の政治団体は以下の4つです。
①千代田経済懇話会(東京都)→ 資金管理団体
②自民党群馬県第4選挙区支部(群馬県)→ 政党の選挙区支部
③福田経済研究会(東京都)→ その他の政治団体
③福田経済研究会(群馬県)→ その他の政治団体
政治家のお財布は大きく3つに分かれます。
・“第一の財布”=資金管理団体
政治家1人につき1つだけ認められるもの。持つか持たないかは政治家の自由なので、持っていない政治家もいます。代表は政治家自らがつとめなければなりませんが、団体名称はバラバラです。福田総理の場合、①の「千代田経済研究会」、民主党の小沢代表だと「陸山会」、公明党太田代表は「ビジョン21」、社民党福島みずほ代表は「瑞穂と一緒に国会へ行こう会」。「福田康夫資金管理団体」とか議員の名前がついていればわかりやすいと思うのですが、どうでしょう?一般国民にとっては名称だけでは誰の団体なのかわかりにくいですね。たとえば、名称の頭に「21世紀」がつく政治団体は、総務省届け出分だけでも40もあるんですよ(「政治団体名簿」平成18年版より)。
・“第二の財布”=政党の選挙区支部
政党や政党支部からの資金、企業・団体献金の受け皿です。法改正で、企業・団体献金は政党支部にしか献金できなくなりました。福田総理は②の群馬県第4選挙区支部ですが、今の選挙制度では第4支部に属するのは福田氏のみです。福田さんを応援する会社は、この政党支部に寄付することになります。
・“第三の財布”=その他の政治団体(後援会など)
政治家は複数つくることができます。代表者は後援会の会長や、秘書、親族、さまざま。福田総理の場合は2つの「福田経済研究会」。「福田」という名前がついているので、総理の関連団体だと想像がつきやすいですが、これも一般に団体名称はさまざまです。「鳩友会」(鳩山法務大臣)、「21世紀を真剣に考える会」(石破防衛大臣)、「通商産業政策研究会」(甘利経産大臣)…など。
私、この取材を始めるまでは、「資金管理団体」っていうのは「政治家一人の資金全部を管理している団体」だと思っていたのです!でも全然違うんですね。お財布のひとつにしかすぎません。法改正で資金管理団体の透明性が高くなって以降、この団体にほとんどお金の出入りをしなくなった議員もいるそうです。団体の名前だけをとってみても国民にすごくわかりにくいですよね。
後編では実際に総理の政治団体の政治資金をどうやって閲覧したのかお伝えします。
政治団体って何?(第2回)
あなたは「政治団体」ときいて、どんな団体を思い浮べますか?
街宣車でシュプレヒコールをあげている人々、ヘルメットにマスク姿で抗議活動をしている人々、多くの方がそんなイメージを持っているのではないでしょうか。
政治団体とは、「政治結社=政治権力の獲得・維持または拡大を目的として結成される集団」(広辞苑より)をいいます。「政党」はその典型で、このほか特定の政治家を資金提供などにより応援する「後援会」、自民党の「派閥」(例:町村派→清和政策研究会、津島派→平成研究会)、それに加えて政治家の“お財布”である「資金管理団体」や「政党支部」など広く含まれます。
また各政党も“お財布”である「政治資金団体」をもっていて(例:自民党→国民政治協会、民主党→国民改革協議会、公明党→公明文化協会)、こういった団体も政治団体です。現職の政治家だけでなくて、落選したり、これから議員になろうとする候補者の関係する団体も含まれます。活動内容もさまざま。永田町のことだけではなくて、平和運動、原発、環境保護、労働問題などを訴える団体もあります。これらも「政治的な目的のため」につくられるという意味で同じです。本当に大小さまざまなんですよ。
こうなるとすごい数の政治団体がありそうだと想像できますよね。
日本全国で7万件以上あるといわれています。でも全容を把握するのは極めて困難な作業です。
なぜなら政治団体は、活動地域によって総務省(中央)か全国の各都道府県の選挙管理委員会(地方)に届け出るしくみになっていて、一箇所にまとまって管理されていないからです。分散していると、こんな困ったことが発生します。たとえばあなたが、「地元の○○議員がどんな政治資金の使い方をしているのか知りたい!」と思っても、議員の政治団体が複数の地域にまたがっているため、全体のカネの出入りを知ることはそう簡単ではないのです。この問題についてはきちんと現場を取材して後日放送するつもりです。
さて、私たちのチームでは、総務省と全国の選管にアクセスして、全国に散らばった膨大な政治団体リストすべてをデータベース化、分析作業の真っただ中です。7万件の政治団体の中身を独自に分析することで何がみえてくるのでしょうか。
・政治団体を多く持っている議員のランキング
・資金集めの王者ランキング
・事務所費など支出が多い議員のランキング
こうした取材結果を後日発表できる予定ですので、注目してください。
政治とカネのブラックボックス、開けます
国民はもうウンザリしています。1億円の献金、巨額の事務所費、ナントカ還元水…。いったい何に使われたのかはいつもウヤムヤのまま。参院選での自民党大敗を受け、去年、政治資金規正法は年に2度も改正するという異例の扱いとなりました。原則1円以上の領収書の公開など制度改正で確かに大幅に前進です。しかし今回の法律に抜け道はないのでしょうか。答えはNOです。
改正法で「全領収書公開」の網がかかるようになったのは、国会議員と候補者がかかわる政治団体と選挙区支部に限定されています。ここが問題です。国会議員は一人でいくつもの政治団体を使い分けていて(全国に140以上持っている議員もいる)、実態はわかりにくくなっています。政治家と関わりと深い、例えば親族や秘書が代表を務めるような政治団体はたくさん存在しますが、これらは除外されました。さらに団体の代表者名を議員本人にしなかったり、団体名を議員と関係ない名称にすれば公開対象から漏れ、知られたくない献金を隠すことが可能なのです。
そこで、ACTIONです。
日本国内の政治団体は7万以上。そのすべての収支報告書データを全国から寄せ集めて入力し、政治家と関わりのある政治団体を探しだす作業に乗り出しました。政治家、会計責任者、寄付者の名前などで名寄せができ、カネの流れを浮かび上がらせることが可能です。政治家とカネのパンドラの箱を開く。この膨大な作業は、情報公開クリアリングハウスと日本インターネット新聞社の協力を得た初めての試みです。
最後に…。
永田町関係者は口をそろえて「政治にはお金がかかる」といいます。選挙区に事務所を構え、秘書を雇う。現場視察に行く、政策勉強会を開く…。国民の声を拾い上げ国政に生かすにはさまざまなお金がかかるでしょう。でも、ちょっとここで考えたいのです。「お金がかかる」というからには、「どこでどんな風にお金が使われているのか」教えてもらわないと私達は判断できませんよね。政治資金が政治活動にきちんと使われているのか、まず国民が知ることが大切です。国会議員の関係する政治団体の収支報告書をめくっていると、演歌歌手のコンサート券代に国会ツアーの主催費用。「これって政治活動なの?」と目を疑うような項目は少なくありません。使途が政治活動として適切かどうか、中身をガラス張りにしたうえで、あとは有権者が判断すべきことだと思うのです。政治の劣化が叫ばれる今、政治の根本の問題である政治資金のブラックボックスとは何なのか、ねばり強く取材していきます。

