村山アナ:
視聴者の皆様と日本テレビを結ぶ『あなたと日テレ』。この番組は、日本テレビの番組に対する皆様のご意見・ご批評に耳を傾け、今後の番組作りに役立てて行こうというものです。
 今朝は第三五三回放送番組審議会の模様を御報告させて戴きます。


山王丸アナ・村山アナ

山王丸アナ: 今回の審議の対象となった番組は、十一月三日・文化の日に放送されました『ルネサンス時空の旅人・聖なる都アッシジ物語』です。

村山アナ: 冒頭、日本テレビ側から、このシリーズが1984年、システィーナ修復特別番組から始まり、今回で3期目に入った事。

山王丸アナ: 2期目からは『ルネサンスシリーズ』としてイタリア・ルネサンスをテーマに、芸術家とその作品に焦点を当て、「人間とは何か?」「美とは何か?」を問うてきた事などシリーズの趣旨説明がなされました。

村山アナ: それでは、1995年から年一回放送してまいりました、2期シリーズ「ルネサンス未来への扉」に続く新シリーズ「ルネサンス時空の旅人」、その二作目「聖なる都アッシジ物語」を御紹介させて戴きます。

ナレーション: ダビンチやミケランジェロを輩出したルネサンス。
人類最大のその美術革命の扉は、一体いつ、どのようにして開かれたのか、その謎を解く旅の中に一人の天才画家の存在が浮かび上がってきます。その画家の名はジョット。
番組はジョットの謎に包まれた人生を聖なる都アッシジを舞台に追及していきます。
そこではどんな奇跡の物語があったのでしょうか
これは、文化の日にふさわしい美術ドキュメンタリーです。

村山アナ: それでは、第三五三回放送番組審議会の模様を御覧下さい。


第三五三回放送番組審議会
A: すみません、私はこのシリーズを、今度初めて観まして日テレらしからぬという印象を持ったんですけど、大変誤解だった事を今伺ってまして、申し訳ありません。
最初はよくあるスタイルかなと、ちょっとたかをくくって拝見していたのですけれども、観ているうちに割合面白くなりました。ジョットという人は名前は割合知っている人もいると思うのですけれども、日本人には特に知られてないと思いますので、ジョットに関してのこういう番組を作られたという事も意味があるというふうに思いました。
新教養主義とでも言うのでしょうか、何かこういう事をもう一度きちっと基本的なところから伝え直すと言ったらいいのでしょうか。かなりしっかりしたコンセプトでおやりになっていらっしゃるなという事を感じました。ただ、やはり拝見していて、こういうやり方しかないのかも知れないのですけれども、誰かが旅をして、それを体験していくというようなやり方以外のやり方はないのかなと、思いながらも観ておりました。

B: 何か観ていると、一人の画家が全部自分で描いているように思われてしまうと思うんですよね。しかしあの時代はジョット工房で大勢の人達が、ジョットの指令に従って作り上げていったものですから、ジョットの不在のときに描かれたものというのもたくさんあるし、美術批評家の間でいろいろな説があるわけですね。本当にジョットのものであると言われているものはどれどれの作品か、なんていうことは、まだ議論になっているところなので、そういう点も観ている人達に、そういう事は全然分からないで、ただジョットという人が1人で全部あの作品を仕上げたような印象を与えるというのは、ちょっと問題ではないかというような気がするんですね。

C: 私は、この番組審議会にかかる番組を出来る限り高校生の子供と観て、彼女の意見も聞くようにしているのですが、今回、すぐ寝てしまったんです。本人は別にちゃんといつも意見を私が聞くので、しっかり観ようという意識はあったと思うのですが、本当にこれはもう拷問のようだったと後で言ってたのですが、音楽とこの非常に穏やかな語り口・・・多分、今の若い人にとっては本当に子守唄のようになってしまったようで、せっかくいい番組ですので、日本テレビさんがわりと得意とされている若い方たちが、途中で退屈したり眠気を催さなくても、もうちょっとふっと引き付けられるようなポイントがあっても良かったかなと、実際に寝てしまった娘の姿を観ながら思いました。

D: この番組、とても私は興味深く観ました。最初の入り方がちょっとテンポが緩かったかなというふうに思いましたが、観終った時には、非常に深い満足と理解がルネッサンスの時期についてできたように思います。実は偶然ではあるわけですけれども、この時期のイスラムとキリスト教世界とルネッサンスの関連性について考えるきっかけになったんですね。アッシジの場合、地理的に南地中海全般的にビザンツの影響を受けているわけですから、そういう視点を入れると、また更なる深い理解が進むのではないかなと思いました。

E: 全体的には非常に素晴らしい番組だと思いますが、ジョットが、影響を及ぼしたというミケランジェロ、ダヴィンチ、ラファエロという代表作との比較がちょっとあっても良かったのかなと、かなり専門的な方が作られているのでしょうから、それは当たり前の事として作られているのですけれども、一般の方たちは代表作との比較というので非常によく分かりやすいのではないかということを感じたので、それが1点ずつだけでも出てきたら、もうちょっとジョットがかなり影響を及ぼしたという事が分かるのではないかな、というような感じがしました。それから、番組の中で28枚の壁画があるという事を再三言っているのですが、何枚かはもちろん代表作として出てるのですが、現場に行かなければ見られないという作品の事を考えれば、28枚全部見たかったなという印象があります。

F: 全体をパーッと観た感じが、とにかく美しかったです。さっき光がきれいという話が出ましたけれども、礼拝堂の中だとかなり少ない光で変にライトをこのように当てないで撮っているふうな、暗い影の部分とかがとてもよく撮れていたので、奥行きがあったと思いました。全体には、凄く重厚な作りなんですが、この当時の絵はどうしてもこうなってしまうには訳があるという説明が少なめで語りが多過ぎ。絵について天使が悲しんでいますとかと言うのは、言葉では言わない方が絶対に見ている方は感じるもので、漫画なんかの場合は、僕は悲しいんだというネームは絶対に入れてはいけないというか、そうすると字にみんな気がいってしまって表情を見ないというのがあるので、そういうところは余り語り過ぎないで、パッとリリースというか、観る人に放り投げると言う描き方の方がいいのではないか、特にこういう見るものに関しては、と思いました。

G: アッシジの聖フランシスコとジョットという2人の人物が出てきて、聖誕祭によるキリスト教精神の開放と言うのでしょうか、キリスト教の中に起こった大きな変化が、新たな芸術の開花にどう繋がっていったかというようなところがテーマだったのだろうと思うのですけれども、そこら辺の解説ももうちょっと解説的に、どこかで入れていただくと、この番組はジョットの作品の理解、位置付けというのが視聴者によくできたのではないかと思います。その関係で、旅人の役割というのは、今ひとつはっきりしなかったなと・・・解説的な事をやられるには、どなたか別の人が良かったのかも知れないなと、ちょっと旅人の位置付けがはっきりしなかったなというふうに思いました。

H: 私は、1996年の8月18日から19日にかけて、アッシジに行っております。丘の上にある聖フランチェスコ大聖堂ですか、あの夕陽に映える美しさ、それから朝日に映える美しさ、それを思い出して画面を見ながら非常に懐かしく思い起こしたわけです。
空の撮り方、これは非常に素晴らしいですね。ちょうどあの大聖堂のあの絵にふさわしい、何か天国を連想するような下からの空を、雲を撮っている、あの映像が幾つも出てまいりましたけれども、素晴らしいショットだなというふうに思いました。
残念ながらジョットという人は、私はそれまで知りませんでして、ジョットという人がこれほど素晴らしい仕事をしたのかということを、今回の番組を見て初めて知った訳でして、そういった意味では、もう一度見てみたいなという感じを持ちました。
こういう番組というのは、私はこれからのコンテンツ・ビジネス時代には絶対に必であろろうと、いろいろな番組が沢山毎日流れておりますけれども、一回観れば飽きがきてしまうような番組というのは、これからのコンテンツ・ビジネスの時代に於いては、やっぱり生き残っていけない、こういう貴重な何回観てもいいというような番組、コンテンツというものは、これから非常に重要になってくるのではないか、そういった意味では非常に貴重な事を、また将来を見据えた事をやっているなという印象を持ちました。

村山アナ: 大変良い番組であったという高い評価を受けましたけれども、その一方で日本テレビらしからぬ番組、勿論これは良い意味での話ですが、そんな声も上がりました。

山王丸アナ: 同じ映像が何回も出て来て少ししつこすぎるという御意見もありました。格調が高いという評価も受けました。

村山アナ: 各委員の発言に対しまして、制作者側からは次のような回答がありました。

山王丸アナ: 作り方は色々と研究しなければならない事があります。
例えば、若い世代がひきつけられるような工夫が必要でしょうし、どこまでその時代背景に言及するかなど、情報の取捨選択も必要です。
こうした番組は、文化的な娯楽という観点からも今後も続けていきたい。授業で習う退屈な美術史とは違う世界がここにある事を視聴者に感じてもらいたいなどの発言がありました。

村山アナ: こうした番組は、とても貴重なものだと思います。
また来年、どんな美と人生を見せてくれるのか楽しみです。今朝は、第三五三回放送番組審議会の模様を御報告いたしました。
それでは最後にお知らせです。




お知らせ:

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     BRO「放送と人権等権利に関する委員会機構」
          TEL 03-5212-7333



山王丸アナ:

番組では、皆様からのご意見、ご感想をお待ちしております。
まずお手紙、おはがきの宛先です。

郵便番号102-8040、日本テレビ「あなたと日テレ」の係まで。

     電話番号は、0570-040-040
     ファックス番号は、03-5275-4505
     お電話、ファックス共に24時間受け付けております。
     皆様からの御意見をお待ちしております。


村山アナ: それではまた、来週お目にかかりましょう。




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