村山アナ:
視聴者の皆様と日本テレビを結ぶ『あなたと日テレ』。この番組は、日本テレビの番組に対して、皆様から寄せられたご意見やご批判に耳を傾け、今後の番組作りに役立てて行こうというものです。


村山アナ: 今朝は、第363回日本テレビ放送番組審議会のご報告をさせて頂きます。

山王丸アナ: 今回のテーマは“実録ドラマ”について。
9月23日放送の『実録ドラマスペシャル よど号ハイジャック事件 122時間の真実』そして、10月28日放送の『実録ドラマ 遺言〜桶川ストーカー殺人事件の深層』の2本についての発表でした。


村山アナ: 審議の模様をご覧頂く前に、この2本の実録ドラマを簡単にご紹介します。
『実録ドラマスペシャル よど号ハイジャック事件 122時間の真実』
羽田空港を午前7時31分に離陸したよど号からハイジャックされたと一報が入った。機内では赤軍の名乗る9人の若者が日本刀を振りかざし、手製の爆弾と拳銃で乗客132人を脅していた。犯人達の要求は北朝鮮への亡命。その要求を何とか阻止し、乗客を守ろうとする機長。その後よど号は福岡空港、韓国・金浦空港で緊迫した事態をむかえるが、山村次官を身代わり人質として平壌へ飛んで行く。


山王丸: 『実録ドラマ 遺言〜桶川ストーカー殺人事件の深層』
1999年10月26日、JR桶川駅前で女子大生、猪野詩織さんが殺害されるという事件が発生した。事件を取材する写真週刊誌の記者とカメラマンが聞き込み取材を続けるうちにある情報が飛び込んでくる。詩織さんはマコトという男性と警察に殺されたというのである。しかも詩織さんと彼女の家族は想像を絶するストーカー行為と懸命に戦っていたという。記者はストーカーの足跡を追い、詩織さん殺害の裏にあった恐ろしい真相を浮き彫りにする。


村山アナ: それでは第363回日本テレビ放送番組審議会の模様をご覧頂きます。


第363回日本テレビ放送番組審議会
A: 私は“遺言”の方に軍配を上げたいと思います。主人公の立場とか、主張が非常にはっきりしていて事件そのものも冒頭のところであらすじは終っていまうという勢いで大変濃かったです。
それと比べてしまって“よど号”の方は機内パニック物で終ってしまった感じがしました。政治ドラマではなく若者の爆発ということらしいのですが、細部の書き込みとかバックはさらっておかないと、爆発もなんだか足元がゆるいのではないかと思いました。
両方を見終わって、いつの時代でも絶対に作り物よりも現実の方がすさまじいという事は分かっていて、作る方は後から追いかけていくしかないんですけれども、それなりの見識というか考えを持って拾うことはできるんですから丁寧に作って欲しいと思いました。


B: ふたつの番組を拝見しまして、同じドラマ仕立てという作り方をされていたと思いますけれども、全く感想が違いました。よど号のハイジャック事件に関しては、この種の事件というのはドラマにするときに作る側の思想というものがかなり入るなと。作る人の思想によって作るものがかなり変わってしまうので、その辺が皆さん感想が違のではないかというふうに感じました。
桶川のストーカー事件の方は、新しいニュースの伝え方というのはこういう風なものなのかと、もしかしたらニュースの中にこういうコーナーを設けるようにいずれなるのかなという感想でした。


C: ひとつ言えるのは、よど号事件の方は視点がはっきりしないということですね。誰の視点でものを見てるのかっていうのが分からないです。おそらくこれはドラマを作っている人の視点が出てきて、作る人たちの意図が再現をするときに色々な制約があるので、ちょっとぼやけてしまったのではないかと思います。
桶川の方は視点がはっきりしてるんですね。だから、ドラマとして非常に緊張感があってまとまりがあったけれど、残念ながら被害者と警察の問題、マスコミとマスコミの報道の姿勢の問題というのは、私の目から見るとちょっとぼけてしまったと思うんですね。


D: ドラマの部分と実際のニュース映像の組み合わせなんかも大変うまくて、違和感がないような繋がり方をしてましたんでそこも感心しました。ただ逆にこのうまいっていうことで、これが事実だと思わせる部分があるかもしれないという、逆の事も気になりました。
よど号の方も、私達はよく知っていたつもりなんですけれども、中で実際何が起きていたというのはほとんど知らなかったわけですから、そういう意味ではおもしろいと思えば思うほど、よど号はかなり政治の部分を含むわけですから、その事を終始気になりながら見ました。
桶川の方はマスコミの問題。マスコミの中でマスコミ自身を反省しているわけですけれども、本当の反省というのはこれからの問題にかかってくると思うんですね。これをテレビがどういうふうに受け止めていくんだろうかという事がとっても気になりました。


E: 桶川の事件は単純なストーリー性もあり、主人公が記者クラブにも所属しない自ら三流記者と言ってましたけれども、静かな正義感を持ってそういう目で事件を追いかけることによって、警察の無責任だとか、他のメディアの無責任さという事を厳しく糾弾しているという感じを受けました。
よど号ハイジャック事件の方は、この122時間の中にもまさにドラマティックなことがたくさんあるわけで、いまだに終了していない大きな事件を、淡々と122時間について追いかけてみたという観点から作られたのかなというふうに思いました。


F: 桶川の方で、フォーカスの記者がずっと追いかけていて自称三流記者が存在しなければ、闇から闇へ葬られていただろうという気がするんですね。ですからマスコミ陣は事実を追いかけて、真剣にそれを取り上げればみんなに支持されるけれども、事実を捻じ曲げてみたり自分の都合のいいように作り上げたりという事になると行き詰まるものだという事だと感じました。
警察を厳しく糾弾しているんですが、もうちょっとそこのところを深く、なぜそうなったのか、警察の体質というものはどんなものなのかという事をもうちょっと踏み込めれば、もうちょっと分かりやすかったと思うんですね。


G: よど号のハイジャック事件に関しての方で、現在私達が高い関心を持っている拉致事件を始めとする北朝鮮の問題とリンクはしているものの、その事件が起こってから時間が経っているので、私は生々しさを感じる事無く視聴しましたし、当時知りえないような情報が織り交ぜられているように感じました。
桶川ストーカー事件の方で、この作品は十分な配慮を持って制作されていたと思うんですけれども、今後もこういうドラマの際はきちっとして頂きたいです。いずれにしても実際に体験した方がいらっしゃるわけで、十二分に配慮して頂きたいなと思いました。


H: ふたつに共通していえることかと思うんですが、事実の再現ドラマということで注意しなければいけないのは、事件に携わった本人というものは時間の経過と共に、人に話しているうちに誇張してくるんですね。必ずしも彼らの今になって言っている事が真実なのか、正しかったとは必ずしも言えない、そういう点をちょっと注意しなくてはいけないという気がしました。

村山アナ: 委員の皆様からは、実録という重さについてご意見が多く出されました。
2つの事件をドラマにする事で、真実が変更させられる事もあるのではないかというご指摘もありました。


山王丸アナ: また、人権擁護法案やストーカー規正法についても厳しい意見が交わされました。

村山アナ: 委員の方々からのご意見に対して、番組担当者は次のように答えました。

山王丸アナ: はい。
実録物で必ず最初に出てくるのは被害者のプライバシー。しかし今は加害者のプライバシーも考慮に入れなければならないと考えています。
我々はよど号と、桶川の脚本と作る段階から、法律家と10回ではきかない打ち合わせをやってきました。放送が終って実は何もトラブルは起こっていませんが、今後はさらに慎重に慎重に作業をして参りたいと思っております。



村山アナ: 今朝は第363回日本テレビ放送番組審議会のご報告をさせていただきました。
それでは最後にお知らせです。





お知らせ:

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     BRO「放送と人権等権利に関する委員会機構」
          TEL 03-5212-7333



山王丸アナ:

番組では、皆様からのご意見、ご感想をお待ちしております。
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