村山アナ:
この番組は、日本テレビの番組に対して、視聴者の皆様から寄せられましたご意見やご批判に耳を傾け、今後の番組作りに役立てて行こうというものです。



古市アナ: 今朝は『第370回・日本テレビ放送番組審議会』のご報告をさせていただきます。
村山アナ: 今回は、7月2日水曜夜10時にスタートしましたドラマ『幸福の王子』の合評が行なわれました。審議委員の皆様がどんなご意見・ご感想を持たれたか、後ほどご報告させていただきますが、まず皆様にこのドラマ、簡単にご紹介させていただきます。

古市アナ: 冒頭、主人公の周平が銃弾に倒れる。そんな、ドラマの常識を覆すショッキングなシーンから始まる『幸福の王子』。しかも周平がただ一人愛した女性・海は既に他界してこの世にはいない。いったい何故このような悲しい結末を迎えてしまったのか。ドラマは14年前にさかのぼって、その謎を解き明かしていきます。世界で一番幸せな恋人同士だった二人。その運命を悲劇に追いやった14年間とは。『幸福の王子』は、人間の強さと弱さ、純粋に生きることの難しさ、それでも勇気と希望をもって生きていくことの素晴らしさを描く、サスペンスタッチの人間賛歌です。

村山アナ: たいへんユニークなドラマと、話題となっていますが、審議委員の皆様はどんなご意見を持たれていたんでしょうか。それでは、『第370回・日本テレビ放送番組審議会』の模様をご覧いただきましょう。


『第370回・日本テレビ放送番組審議会』

A委員: 一回目の再放送から観ました。本木さん・菅野さん主演のドラマと聞き、期待して観始めたのですが、話の設定が荒唐無稽過ぎて感情移入ができませんでした。その分ドラマの進行についていけなかったような気がします。例えば山田太一さんや向田邦子さんの脚本のように、ドラマ好きな私としては、どんなに現実離れな話でもいい、矛盾したありえない話でもいいんですけれど、騙されたいんですね。そのぐらい夢中になれるドラマを観たいと思いました。

B委員: 結末から見せて謎解きをしていくという中で、見せるために衝撃的なシーンは確かに多かったんですけども、やっぱり次も観たいなっていうような所に好奇心がいくところは面白かったと思います。ただ、その衝撃的なという中では撃たれるシーンであったり、赤い傘で何度も何度も事故に遭って、それは話をわかってもらおうとする丁寧さだとは思うんですけども、衝撃的なシーンから入ってしまうっていう所があまり多くなると、ちょっと抵抗も感じましたけれども、どこから観てもストーリーがわかるという点では、わかりやすく作られて、すごく工夫しているなっていうふうに感じました。

C委員: 今の世の中で皆が心配して、何となく潜在的に気になっているようなものが、話題の最後でいいから背景としてこういうドラマの中に入ってこないのかなという感じがあります。その点がちょっと今回、筋は童話なのでそれなりの筋で構わないが、そういう意味でちょっと物足りないという感じがあります。何でこれをテレビ会社がやらなきゃいけないの、こういうの。という感じです。そこがいまいちひっかかるという感じです。

D委員: 私はVTRを2本まとめて観ました。観ましたけれどもかなり苦痛な所がありました。大変厳しい言い方をしますけれども、大人に観せるのにはちょっと失礼ではないかなと。そのように感じたことをまず申し上げたいと思います。その理由というのは、このドラマの中では人間が全く描ききれていないと思いました。愛のドラマ・恋のドラマだと思うんですけれど、その心の動きというのが本当にリアリティを伴っていない。人の心の中に入りきれていない。どっちかというと劇画のような感じがしたんですね。

E委員: 物語の進行の細かな所について、やっぱりもうちょっと丹念にきちんとやっていただいた方がいいのではないか。そうしないと途中でしらけてしまって、意欲のみが空回りしていると。ドラマ性が、ドラマとしての完成度が非常に低くなってしまうのではないかという事を思います。最近あんまりこういうドラマを観ないのですけれども、皆俳優達が、セリフが下手ですね、本当に。これもやっぱりストーリーテリングという観点から言うと、もうちょっと稽古して、ちゃんと上手に心のこもったセリフを言ってもらわないといけないのではないのかなというふうに思いました。

F委員: 1回目に結論があるっていう作り方というのは、テレビドラマの作り方としては非常に難しいんじゃないかなと思いました。1回目から観ている人ならまだ入っていけるかもしれないんですけど、例えばこれをたまたま3度目から観ようと思った人はなかなか入りにくいし、前後がわからないと思いますね。その辺りも、最初に結論をもってきて実は、というやり方というのは、観る側からしてもひとつ魅力がないんじゃないかなっていう感じを持ちました。ただ、全体にやはりテーマがテーマだからだと思うんですけど、ユーモアとか遊びみたいなものが全体にないので、テレビのドラマとしてはちょっと辛いかな。意図は大変いいんですが、なんか描き方が違うんじゃないか、違うやり方があるんじゃないかなというふうな印象を持ちました。

G委員: 『幸福の王子』というものは、現代ではちょっと理解されないというか、現実離れしているというふうにとらえている人の方が多いから、だからこそこういうドラマが必要だと思うんですけれど、そういう点で、やや支持する人が少ないんだろうという気はします。やはり最後までストーリーを変えないでこのまま貫き通していってもらいたいと思いますね。これはもう視聴率がどうだとか、周りからどうなったとかそんな事は関係なく、作った以上は最後まで貫き通すものは貫いて、直すべき所は直すということであって、これはしっかりと11話全部まとめていってもらいたいですね。

H委員: テレビで普通に居間でこのドラマが始まっちゃうと、どうしよう、みたいな感じで、ひとつハードルがあるという感じです。全体の印象としては、脚本先行というよりは、役者さんのスケジュールが先行しているっていう事なのかな、みたいな感じで、低体温というか熱くないというか、次どうしようという感じの観心地でした。全体に人間、ていう話が出ていますけれども、弱さとか悲しさとか明るさとか愚かさ、そういう大切な要素を描く時に、人間に対する尊敬の気持ちとか、生きることは悲しいことであるっていう前提とか、そういう気持ちがやや薄いのではないかというのが感想です。

I委員: わざと大げさに、パロディでやってるんじゃなくて真面目にやっているドラマなのに、ふと気が付いて、つっこみを入れたくなってしまうようなシーンがでてきちゃうんですよね。つまり、ドラマとしてはすごく頑張って作ろうという意図はわかるんですけれども、現代にはありえない純愛なので、ファンタジーであるっていうのもいいんですけど、その為には、私達を酔わせて時間を忘れさせてくれるような周到な準備をしていただきたいんですが、せっかくその気になってるのに5分おきに目覚し時計が鳴っているような。このドラマの中は二重構造になっていて、酔えないようにわざと作っているのではないかなというぐらいな感じを持ちました。

J委員: 私は『幸福の王子』って大好きな童話だし、それをベースにしたメルヘンだと思うんですけども、やっぱりドラマとしてメルヘン作る時には、ちゃんとリアリティを下敷きにしてなくてはいけなくて、一応平成という時にこだわって巻き戻しみたいにしていく以上は、やはりそういうディテールにこだわった方がよくはなかったかと思うんですが。その辺がちょっと。もしメルヘンであるにしてもやはり大事な所はきちんとしておかなくてはいけないのではないかなと思いました。

K委員: 現代は視聴者も忙しい時代であります。それで第1回から毎回確実に見通せるという人は、そんなに多くはないんじゃないかというふうに思う訳ですね。で、単純なストーリーであるならば1回2回とばして観ても、容易に筋を追うことができると思いますけど、本編のように複雑な内容をもってしかも頻繁に時間がフィールバックする、こういうドラマでは、1回見過ごした視聴者はもうストーリーについていくことができない。後は観なくなるんじゃないかなというふうに思う訳です。非常にサスペンスにあふれた力作だと思うだけに、ちょっと勿体無い構成だなという感じが致しました。



村山アナ: これを受けまして、番組担当者から次のような発言がありました。

古市アナ:
最近のドラマは1話完結型が多い。本来の連続ドラマは連続小説と同じで、1話から最後まで観続けてこそ面白い。その原点に戻ろうというチャレンジ精神でこのドラマを作りました。その意味で意欲的との評価を受け、ありがたく思っています。

村山アナ:
荒唐無稽、メルヘンチック、現実感覚に欠けるとのご批判がありましたが、これは真摯に受けとめ、今後のドラマの展開、人物描写に生かしていきたいと思います。今後も、皆様が惹きこまれるようなドラマを提供できるよう、頑張りたいと思います。

と答えました。今朝は『第370回日本テレビ放送番組審議会』のご報告をさせていただきました。それでは、最後にお知らせです。

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古市アナ: 番組では、皆様からのご意見、ご感想をお待ちしております。
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     皆様からの御意見をお待ちしております。

村山アナ: それではまた来週お目にかかりましょう。




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