村山アナ:
おはようございます。視聴者の皆様と日本テレビを結ぶ『あなたと日テレ』。この番組は、日本テレビの番組に対して、皆様から寄せられましたご意見やご批判に耳を傾け、今後の番組作りに役立てて行こうというものです。




古市アナ: 今朝は第384回日本テレビ放送番組審議会の模様をご報告させて頂きます。今回のメインテーマは10月26日放送のドラマ『たったひとつのたからもの』の合評でした。

村山アナ: ではまず、このドラマの内容を簡単にご紹介しましょう。

古市アナ: 松田聖子、船越 英一郎が演じる夫婦に待望の赤ちゃんが誕生します。しかし、医師からダウン症と告げられ、余命一年と告知されたのです。奇跡を信じ、生まれた子供に秋雪と命名。家族一丸となって、悪戦苦闘の毎日。秋雪は無事一歳の誕生日を迎えました。秋雪はこのまま生き続けてくれるのかもしれない。両親の愛情に包まれ、一生懸命生きる秋雪でしたが、クリスマスの朝、静かに息を引き取ったのです。

村山アナ: 人の幸せは命の長さではない事を教えてくれた感動的なドラマでした。それでは、第384回日本テレビ放送番組審議会の模様をご覧頂きます。

 
第384回 日本テレビ放送番組審議会

A委員: うちも、子供を膝の上に乗せて二人で見たんですけど、見ている間に子供がぺったり私に寄って来て最後の方はずっとほっぺくっつけたままだったんですね。ですから、あちらの親の愛情をいっぱい受けている秋雪君という姿を見て、自分も同じように甘えたくなったんじゃないかな。だから小さな子にもストレートに命の大切さとか、一生懸命生きている秋雪君の生命力の姿とか、そういうのが全部伝わったドラマだと思いました。ただ、途中お母さんが海で自殺をするような行為が、そう向かわせたという場面があったんですけれども、あまりにも可愛くて、暖かくて、幸せそうに実は見えていたので、突然あそこで苦しみが出ても、「あれ?」っていう部分があったんですね。あまりにも暖かくそこまで来ていたので、何でここで死ななきゃいけないの?という気持ちになってしまったんです。ですから、綺麗にドラマは出来ているんですが、彼女達が本当の社会で苦しんだ事、どんな事が本当に辛かったのか、そういう現実ももう何点か入れていただけると、あの場面がそこまで切羽詰まってたんだねっていうのが伝わると思うんですね。

B委員: ドラマの核心部分が、なかなか力強かったのでいいと思うんですが。逆に、こういうお話を作る時の薄さみたいなのが、あれだけ存在が大いにある登場人物がいる事によって出てきちゃうかなという気がしました。例えば、小田和正さんの主題歌が流れますよね。その、無くったっていいですよね、という。つまり、ああいう事実に基づいたドラマというわけで、凄く壮絶なお話なわけですよね。そうですと、あそこまで甘くコーティングするというのがいいのかな?という。そんな事しなくても彼らの演技見てるだけでも、圧倒されるという気がするんで、そういう意味ではそこまで逆に作ってる方が信用していないと言うか、自分の作ってるものをね。その様な気が逆にしちゃうんですよね。だから、あまりにも凄い手ごまを持っちゃったんで、逆に使いこなしてないのかな?という気さえしました。

C委員: 松田聖子さんも本当に母親の顔をしていて、非常に心をうつ演技というのは多分、彼女とダウン小児との間に本当にかかわりがあったからあれだけのことが出来たんだと思います。ただそれだけに、その二人のドキュメンタリーとして見ると他の役者さんたちが全部ちょっと浮いていたと言うか、また違う世界のものになってしまったというのがちょっと残念というか、全部その同じトーンで、ドラマとしてだったら、出来ていたらもっと素晴らしかったのになと思います。そういうものをじっくり捉えた上で、ドラマにしていくという事が、これからまた二番煎じになっていくのはいやですけど、何かまた新しい物を見たときじっくりと捉えると、どんなに人をうつものが出来るかということのいい例かと私は思いました。

D委員: 命の貴重さといいますか、尊さというものを真正面から家族愛の中に描いているわけで、非常に重いテーマなのですけど、これを明るく前向きに、日々の、必ずしも一つ一つの出来事はものすごくドラマチックじゃないのですけれども、でもあの子供の生き生きとした姿を中心にして、日々の生活の中で描いていったというので、非常によい出来上がりだったと思います。見終わってみて、やや物足りないなと思うとすれば、この家族達が直面した、暗い部分。大変な部分。色々受けたであろう差別だとか、苦しみの部分がほとんど無い。これが、適度に盛り込まれていれば、尚ドラマとしての厚みが増したのではないかな、という風に思いました。

E委員: あの家庭と言うのは社会的にエリートのおうちですよね。ですから色々な面でお母さんに余裕があると思うんです。やはり、もっと切ないところですとか、苦しい所ですとか、自殺まで考えようと思った所っていうのはあったかと思うんですけども、でも、平均的にあのようなお子様をお持ちになってる方々って、あの子だけを見つめていられないぐらい余裕が無いという事も確かだと思うんですね。ですから、本当にハートフルないいドラマだなと思いつつも、なんかそこの部分が温度差があるといいますか、そういうものを感じた所も正直な所です。今、親御さんが子供を殺したり、子供が親御さんを殺したり、また自分の命を絶ったりという、命が何なのかという尊さが見えてこない中で、本当に命を大事にして、一つ一つ作り上げてらっしゃるという所は本当に素晴らしい作品だったと思います。

F委員: これは、健常者が障害をもってる人の子供でも親でも親しみを持つというか、感心を抱くと言うか、偏見を持たないようになったという事が、凄く大きな事であって、また逆にそういう家庭の方が勇気付けられた、元気付けられると言う意味で、この30.1%を取ったという事が大変画期的な事だろうと私は思ったんですね。例えばこの、松田聖子という明るさと、母性愛が出たものでそれが30%の視聴率に繋がったものだと思って、これは、なんらかの賞を取るべきというか、番組審議委員としては何かを推奨するとか、どこかで何かを取れるとかそういう番組だったろうと私は思います。

G委員: わざとさがなくて、作る側の方の腹の座り具合っていうのが分かったので、全体に全然何の心配も無く始まりの最初の塊の時からがっちり捕まれて、がっちり見たので、それは単に秋雪君をやった子達の存在感の圧倒的なパワーだと思います。それと、お父さん役・お母さん役の二人も過不足無く多分演じているんだろうなと思いましたが、なんか意味が、秋雪君が出てくると他の意味があんまり無くなっちゃうというか、どうでもいいやみたいな感じで、見ちゃうというのが凄かったなと思いました。最初は少し怖気づきながらも目が離せないでずっと見ているんですが、そのうち自然になって来ると言うか目が慣れるというか、じっくり撮ってらっしゃるので、馴染んでいく。そのうち一緒に笑い、泣くみたいな事が出来て非常に素晴らしい体験をしたような感じ。錯覚ですけども、うけました。

委員長: 特に私、いい効果を与えていたなと思うのがナレーションだと思うんですね。これは言わばセリフのト書きに当たる部分をナレーションでやってるという事で、普通ならば全然出てこないものを敢えて出してる。これは極めて斬新に私は映りました。それからあの良かったなと思いましたのは、やっぱり音楽ですね。今度のこのドラマを見て、これが小田和正だと分かりました。なるほど、このような歌、「あなたに会えて本当に良かった。嬉しくて嬉しくて言葉にならない」という本当に感情のこもった歌い方で、なるほどこれならば今の若い人にも受けるんだろうなという気がいたしました。まさにこの歌がこのドラマにぴったりであったと。それも私、ドラマの効果を高めるのに大きな役割を果したんじゃないかなという気がいたしました。本当に素晴らしいドラマだったと、私は誉めてあげたいと思いました。

古市アナ: 引き続き今回欠席されたH委員のリポートが紹介されました。
ダウン症の子供を持った両親の苦悩の果ての喜びを描いた感動的なドラマである。ただ、あまり善人ばかりが揃いすぎて現実の厳しい点が描かれていなかった。
というご意見でした。

村山アナ: 各委員の発言を受けまして、番組担当者は次のように答えました。

古市アナ:
実話に基づいたドラマが視聴者にどのように受け取られるか、非常に興味深かったが、やはりドラマというフィクションでなければ伝わらなかった部分もあったと思う。また、今回の制作にあたり、出演者とスタッフが一丸となってあるものに向かって作ると言う大切さを学ばせていただいた。
と、答えました。

村山アナ: そして、最後に委員長より、
この『たったひとつのたからもの』は、今年一年間のドラマ部門で全局を通じて現在2位の高視聴率をあげており、内容的にも非常に健闘している。そこで番組審議会の推薦番組として表彰したい
との発言があり、各委員の賛成を得ました。

古市アナ: 今朝は、第384回日本テレビ放送番組審議会の報告をさせていただきました。

村山アナ: それでは最後にお知らせです。

お知らせ: 小さな耳と目は放送と一緒に育ちます。青少年委員会はよりよい放送のあり方について考えています。子供と放送に関するあなたのご意見お寄せください。

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古市アナ: 番組では、皆様からのご意見をお待ちしております。
お手紙、おはがきの宛先です。

郵便番号105-8714 日本テレビ「あなたと日テレ」の係まで。

     電話番号:03-6215-4444
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     どんどんお寄せください

村山アナ: それではまた来週、お目にかかりましょう。




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