村山アナ:
おはようございます。視聴者の皆様と日本テレビを結ぶ『あなたと日テレ』。この番組は、日本テレビの番組に対して、皆様から寄せられましたご意見やご批判に耳を傾け、今後の番組作りに役立てて行こうというものです。



古市アナ: 今朝は「第394回 日本テレビ放送番組審議会」の模様をお送りいたします。今回のメインテーマは11月1日に放送されました、DRAMA COMPLEX終戦60年 スペシャルドラマ『火垂るの墓』の合評でした。

村山アナ: 野坂昭如さんの原作でアニメ化されまして、ご覧になられた方も多かったかと思いますが、今回は少し視点を変えてドラマ化して放送されました。では、どんなドラマか簡単にご紹介します。

古市アナ:
昭和20年初夏、神戸を襲った空襲で、母親と家を失った兄とその妹がいました。途方に暮れた2人を、母親のいとこの久子が面倒を見ることになりました。しかし、久子には 4人の子供と足の不自由な義理の弟がいて、生活は苦しさを増すばかり。次第に、心を鬼にせざるを得ず、幼い兄妹を放り出してしまいます。そして、生きて行くすべのない兄妹は…。このドラマは戦争という極限の中で、必死に生き抜こうとした人々の真実の人間ドラマ。戦争が奪うものは、命だけではなく人間として大切なものも、奪い去って行くことを切々と訴えています。

村山アナ: それでは、「第394回 日本テレビ放送番組審議会」の模様をご覧いただきます。


第394回 日本テレビ放送番組審議会

A委員: このドラマは、もちろん今の時代に制作される価値の十分あるドラマだと思いましたし、本当は見なければいけない、子供達にぜひ見せたいドラマだな、というのは確信しました。ただ、実際の放送時間帯というのがとても遅く、12時に終わるんですね。放送時間帯から考えると、小学生なんかの視聴者層は想定していないのかしら、という思いがありまして、そのあたりがちょっと疑問が残りました。脚本なんかも、今までの戦争ドラマってどちらかというと、言いたいことをすべて胸に秘めて、表情で伝えるみたいなものが多かったんですけど、今回はストレートにそれを全部セリフとして、はっきりメッセージとして伝えてくださってた。それは、戦争を知っている世代の方よりも、むしろ知らない世代に対して、伝える力のあるドラマだったと思いますので、そういう面では放送時間帯を考慮していただけたら、もっとよかったかなと思いました。

B委員: 時代の考証的にいえば、若干もうちょっと戦争の状況は悲惨なんじゃないか、というふうに思いました。それから、スタートが2つの家族が出て来るところが、我々、アニメ見てる人はすごい分かるんでしょうけど、はじめちょっと分からなくて中途から、やっとよく分かった、というのは気になりましたけど、全体としては主役の松嶋さん、それから2人のお子さん、本当に心の打つ演技をして、非常にいいドラマになったと思っております。ただ1つ、もうちょっと戦争の中でいろんな行為を、我々、その時代見てますので、若干その点は、もう少しどぎついところがあるんじゃないかと思いました。3時間は本当いうと、若干長いかなと思って見始めたんですが、テーマからすれば非常に程よい時間帯で、うまく収まったんじゃないかと思っております。

C委員: 全体についての印象なのですけれども、配役は海軍大佐の父親との約束によって、妹をけなげに守ろうとするお兄さん。それから、かわいい妹、素晴らしい演技だったと思う。それから、松嶋さんもよかったと思いますけれども、印象は彼女が若くてきれいな…もともとそうなんですけども、作品の中でもう少し最後の方は、汚れた格好になってもよかったのかな。あまりに若くて、きれい過ぎるのがちょっと違和感がある。もう少し、メークを汚くしてもよかったのかなと。そのほうが、迫真感があったのかと思ったりしたんですけども。その点は別にして、3人とも非常に熱演というか、素晴らしい演技をしておられたと思います。

D委員: これだけ泣かせてくれたドラマは、久しぶりですね。本当に。いろんな内外を通じて久しぶりです。それは、何故それだけ泣けたかというと、やっぱりあの小さな2人、お兄ちゃんと妹が天与の配役っていうんですかね。あれだけの配役ができて、あんな女の子があんな小っちゃくて、あれだけの演技のできる子がいるなんて、私は脅威でした。でも、例えば、蛍の使い方とかB29の空襲とか、ああいう映像はいくら技術が進んだといえども、やっぱりまだ不自然なところがあって、今、これがアニメではなくて実写でする意味があるのかな…っていった時に、私はその2人の子供達の目、実際に登場した、いたいけな少女の死とか、お兄ちゃんのお芝居なんかも見て、これは実写にした意味はあった、というふうに思いました。

E委員: やっぱり実写版にしたということで、これは童話ではないということなら、リアリズムに徹してほしかった。そこが少し中途半端に…。原作のファンタジー性をどうしても引きずったまま取りかかってしまったことで、少々中途半端になった気はします。しかし、実写化するとしたら、やはりあれ以外にはなかったということで、それはとてもよかったと思います。これは基本的に戦争童話なので、意外と反戦的なメッセージはあの作品にはないんですね。もっと重要なのは、飢えることであったり、もっと現象的な感覚に基づいた作品ですので、そこも僕は反映されているというふうに思いました。こういう作品がコンスタントにできるようであったら、テレビドラマも捨てたものではないなと思いますので、今後もこういう作品を期待してます。

F委員: やはり2人のお子さんの役者さんと、それから食べ物。それが現代と60年前をつなぐ懸け橋になってくれました。私の場合は。女の子の真っ黒い瞳に引っ張られ、入って行ったところ、本筋が全くブレがなくて、もう早々で安心して委ねて見ることができました。CG画面になるとちょっと緊張しましたが、でもそれはそれ。昔のテレビのCGに比べたら、こんなになだらかにセットとロケとCGが、何とかなって来たんだと思って、すごいなと思いました。脚本の方が女性だと思うんですが、少なめのセリフで要所をピシっと過不足なく押さえているのが、素晴らしかったです。

委員長: お米、食べ物がないということで、だんだんああいうふうな仲立ちに松嶋菜々子さんが変わって行く…というのは、よく分かるわけで。特に、一家の大黒柱を戦争に取られて、しかも戦死してしまう。残った家族を養って行かなければならない、ということになると、やっぱりああいうような状態になるのは、当然だろうと思う。娘がお母さんを「鬼よ」っていってましたけども、鬼ではない、当然だろうと。ああいうふうに他人の面倒なんか見てられない、当たり前のこと。ああいうふうにならざるを得なかった。したがって私は、決して「鬼よ」っていった、確かあの時の母親の目つきっていうのは、冷たい目つきをしておりましたけれども、当然だったろうという感じがして、全然違和感なく、あのシーンを見ることができたわけです。いずれに致しましても、このドラマは貴重なコンテンツになって行くという気がしますね。劇場映画をはるかに抜く素晴らしいもんであったと思います。どうかこれを大事にして行っていただきたいなと思いました。

村山アナ: 視聴者の皆様は、このドラマどうご覧になられたのでしょうか。また、当日都合で欠席されたG委員のリポートを、委員長が代読しました。

古市アナ:
戦争の悲惨さ、無情さを、戦争を知らない世代に伝えた役割は大きい。幼い兄、妹が次第にやつれて行く様子がうまく表現され、物語に真実味を加えていた。ただ、登場人物が多く、特に序盤に分かりにくいと感じました。

村山アナ: 各委員の方々の発言を受けて、番組担当者は次のように発言しました。
『きれい過ぎる』『ファンタジーっぽくてリアルに欠ける』。そういったご指摘がありましたが、私達もその通りだったと、反省しています。しかし、あまりに辛いドラマなので、よりリアルに作ってしまうと、視聴者も辛くて見ていられないのではないか、という判断があったのです。また、戦争のためとはいえ、兄、妹を追い込んでしまう主人公の気持ちが分からない、演じられない、との出演者の意見もあって、今回のようなドラマになりました。CGについてのご批判は、皆様がご発言の通り、私達も深く反省しています。次の機会には、納得行くものをと思っています
その後 審議会の終わりに委員長から、ドラマ『火垂るの墓』を日本テレビ放送番組審議会の推薦による、特別報奨番組にしてはどうかとの提案があり、全会一致で決定されました。今朝は「第394回 日本テレビ放送番組審議会」の模様を、ご報告させていただきました。それでは、最後にお知らせです。

お知らせ: 放送番組で傷つき、悲しみ、涙がポロリ。放送であなたの人権が侵害されてしまったら、放送と人権委員会にご相談ください。BPO放送倫理番組向上機構。

     電話番号:03-5212-7333
     FAX 番号:03-5212-7330
     HPアドレス:http://www.bpo.gr.jp
     受付時間:平日午前10時〜午後5時まで。


古市アナ: さて、番組では皆様からのご意見をお待ちしています。
お手紙、おハガキのあて先は、

郵便番号105-8714 日本テレビ「あなたと日テレ」の係まで。

     電話番号:03-6215-4444
     FAX 番号:03-6215-0444
     どんどんお寄せください

※頂いた情報は番組制作への参考とさせて頂く
  以外の目的には使用致しません。

村山アナ: それでは、また来週お目にかかりましょう。




|あなたと日テレ|HOME|