金子アナ:
視聴者の皆様と日本テレビを結ぶ『あなたと日テレ』。この番組は、日本テレビの番組に対して、視聴者の皆様から寄せられた御意見や御批判に耳を傾け、また、テレビ番組についての様々な疑問にお答えして、今後の番組作りに役立てていこうというものです。
山王丸アナ 金子アナ
山王丸アナ: 今朝は先週に引き続いてVチップに関する第317回放送番組審議会の報告をさせて頂きます。

金子アナ: それではその前にVチップについて説明させて頂きます。 ”Vチップ”とは、バイオレンス、暴力の頭文字で、暴力や性的シーンを自動的に映らないようにする半導体装置です。 年間2万件の殺人事件が起こるアメリカでは、テレビ番組の暴力シーンが子供たちの行動に悪影響を与えることを懸念して、1996年、電気通信法の制定で、Vチップの装備が義務づけられました。 西暦2000年までに13インチ以上の全てのテレビに内蔵される予定です。

山王丸アナ: Vチップはどのように機能するのか、アメリカの場合をご説明しましょう。 まず、テレビ局が自主的に暴力や性的シーンの多い番組を6つのランクに格付けします。

TV-Yですと、全ての子供向け番組、
TV-Y7★は、7歳以上の子供向け番組、
TV-Gは、一般視聴者向けの番組、
TV-PG★は、保護者が一緒に見るのが好ましい番組、
TV-14★は、保護者が注意を怠ってはならない番組、
TV-MA★は、成人視聴者限定番組。

このように6つに格付けされています。

さらに★印がついているものに関しては、5つに格付けがされているんです。

FVは、ファンタジーにまつわる暴力シーンを含む番組、
Vは、ひどくない程度の暴力を含む番組、
Sは、性的なシーンを含む番組、
Lは、荒っぽい言葉遣いを含む番組、
Dは、猥褻な会話を含む番組、

このように20通り以上の細かい格付けがされていて、番組と共にその情報を家庭に伝えられています。 例えば「TV-Y7-FV」、これはどういう番組になるか、今の説明で行きますと、「ファンタジーにまつわる暴力シーンを含む、7歳以上の子供向けの番組」。
このような情報が全ての番組に付けられると言うことなんです。

金子アナ: この20あまりのランク付けというのは、各テレビ局が自主的に行っているんですね。

山王丸アナ: とても特徴的ですよね。 そして、親がどの段階まで子供に見せるかを予め選択して、テレビにセットして置きます。この親の選択に基づいて、Vチップが自動的に暴力や性的シーンを画面に映し出さないように作動する訳です。

金子アナ: と言うことで、アメリカではこのシステムが1996年度から義務づけられて、すでに始まっているわけですが、先週お伝えした審議会ではこのVチップについて意見が交わされました。 山川委員は、民放テレビがもっと自主的に他の有効な方法を打ち出す必要があるのでなは…と述べました。

山王丸アナ: 島森委員は、番組が親の判断に委ねられることで別の問題が起きてくるのでは…と述べました。 坪内委員は、Vチップ導入の議論以前に、番組の質を考える時期に来ているのでは…と述べました。 視聴者代表の原口委員は、番組制作者が犯罪をなくす意志をもって番組を提供しい欲しい、と述べました。

金子アナ: それでは第317回番組放送審議会でのその他の委員の方々の御意見をお聞き下さい。


委員A: 確かに最近、青少年の凶悪な犯罪が激増しておりますけれども、これは一つの世界共通の社会現象になっているわけです。これをテレビだけを、それこそスケープゴートにして全部責め負わせるというのは、ちょっと筋違いではないかと思っております。こういうVチップも内蔵致しまして、親が操作すると致しましても、親の知らないところで子供は解読装置をちゃんと手に入れて、親の知らない内に見てしまうと言うことになるだけで、結局、何の効果にもならないのではないか、知らないのは親ばかりなり、という状況が続くのではないか、そういう気がしております。それよりもむしろ、親子の対話の道具に使うべきだ、教材にすべきだ。つまり、非常な暴力シーンなんか見ましたら、いかにああいう暴力沙汰に巻き込まれないようにするかとか、もし巻き込まれた場合にはどうやって対処するか、今まさに回りが全部そういう状況があるわけですから、子供もそれから何とか、自分を守るような方向に親子で話し合うということの方が、一番の近道ではないか、それ以外の対策というのは、今ちょっと思いつかないような気が致しております。

委員B: Vチップを導入するかどうかというのはその先の問題だと思うんですが、現実には私自身、この番組審議会の委員をさせていただいて、テレビをよく見るようになりましたけれども、やはり見ておりまして、あっVチップと、頭に浮かんでしまうようなシーンがありました。その辺のところを見せる見せないと言うのは、親のやはり躾とか考え方によると思うんですが、やはり子供が簡単に見られるものに関しては、やはり大人の常識、色々な幅がありますけれども、やはりそういうものをきちんと判断しながら出来たら将来を担う子供には、きちんとした物差しをもって、大人になって欲しいなというふうに、私は親の立場から思います。作り手側の姿勢としては、もしテレビというものが文化を生み出すと言うところにスタンスを置いているとすれば、どういう良い番組、楽しんでもらえる番組をいかに提供していくか、その時に暴力シーン、セックスシーン、本当に必要があるのかどうかと言うのを、もう1回考えて頂けたらいいというふうに思います。

委員C: 日本の場合もテレビ界では、Vチップというものを押しつけられているという被害者意識ではなく、こういう問題があるのだから、何かやらなければいけない、何かやろう、その為に具体的な何かを考え出すということです。日本とアメリカの国情は違う、ヨーロッパと違うとすれば、日本的な具体的な何かを、やっぱりこの際、今の社会の情勢全体の中で、Vチップ効果ないよと言って拒否しているだけだと、逃げの姿勢になってあまりよくないですね。何かやった方がいいと思うんです。それからもう一つ、悪い番組と言われるものを規制するのではなく、良い番組を作ればいいんです。こっちの方が面白いんだよ、と言うものを作ればいいんです。それからセックスとか暴力というものは飽きるんです、そのうちどんどんどんどん。ですから、そんなに具体的に暴力シーンを見たから自分もやろうというようなことではないんですよ。そういうものに影響される社会のある一部の層、その層はいつの時代もどこの国にも一定数います。ですからそういうイタチごっこではなしに、こっちの方が面白いんだよ、というもの、良いものを作るということが一番の具体策だろうと思います。

副委員長: まず、躾の問題なんですが、これは欧米の先進国と日本の家庭生活の躾の問題というは違うと思いますね、伝統的に。日本は特に最近乱れているのは、町へ行きますと、両親なり親かよく分かりませんが、小さな子供を連れて夜遅くまで遊ばせている、こういうシーンをよく見かけるんです。これがひいては暴力に、色々な事件に派生的に起こっているのではなかろうかと、マスメディアのメディアだけの責任では無いと思います。 ここに報告が記載されておりますように、子供は今や情報機器を操作することについては、大人より長けているわけですから、これは全く規制すればする程、おかしな現象が起こってくる。Vチップを採用するかどうかについて、しっかり政府筋で議論をやって頂くと言うことは大事かなと、こういうふうに思っています。

委員長: 委員の先生方のトーンというのは、Vチップに対して非常に消極的だというふうに理解出来るのではないか。確かに日本の場合にも規制しようと言っても、こんなVチップなんかで規制できる性質ではないし、せみめてやれれば時間規制をして、この時間帯はあまり凄いのを流すのは止めようと言う程度のことは可能かと思いますが、こうやってVチップで全部の機会にそれを義務づけて、そしてまた、それをレーティングする人がいてレーティングを全部発表しろなんていう議論を、そう簡単には受け入れられないし、また日本ではちょっとそういう議論には、なかなか到達できないだろうと思っております。そんなことで、この問題にはまた追々、もう少し色々な公的な場で進んでいく状況を見ながら、必要に応じて、この番組審議委員会でも取り上げていく必要があるのではないかというふうに考えます。


金子アナ: 委員の皆さまの意見を伺っていますと、やはりVチップが全てを解決すると言うトーンではない。ある意味深長な段階であるというお話ですね。

山王丸アナ: アメリカの制度をまるっきり同じにするのではなくて、日本にあったやり方はどういうものなのかという問題もあるようですね。 皆さんのもこのVチップ問題に関する問題を是非お寄せ下さい。

金子アナ: 今日は第317回番組審議会の模様をお送り致しました。 最後にお知らせです。

『放送番組の制作では、個人の名誉やプライバシーなど人権に対して細心の注意を必要があります。でも万一、貴方の人権を侵害してしまったら、BRO。
BROは放送による人権侵害を救済する機関です。貴方とテレビがもっと良い関係になる為に。』

     BRO「放送と人権等権利に関する委員会機構」
     03-5212-7333

山王丸アナ: 「あなたと日テレ」では、皆様からのご意見、ご感想をお待ちしております。
まずお手紙、おはがきの宛先です。

郵便番号102-8040、日本テレビ「あなたと日テレ」の係まで。

     電話番号は、03-5275-4390
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     皆様からの御意見をお待ちしております。

金子アナ: それではまた来週お目にかかります。




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