金子アナ:
視聴者の皆様と日本テレビを結ぶ『あなたと日テレ』。 この番組は、日本テレビの番組に対して、視聴者の皆様から寄せられましたご意見やご批判に耳を傾け、今後の番組作りに役立てて行こうというものです。
山王丸アナ  金子アナ
山王丸アナ: 今朝は、第326回日本テレビ番組審議会の報告をさせて頂きます。
今回の議題は2月、法律に基いて初めて実施された脳死臓器移植をめぐる報道についてです。
こちらのフリップをまずご覧下さい。
これは日本テレビ系列が報道した日時と内容です。

金子アナ: 第一報は2月25日、7時39分、「法律に基く判定脳死判定へ」という内容の速報でした。
次いで臓器提供者の容体と病院の様子を伝え、夜のニュース枠を拡大して詳しくお伝えしました。
その後、家族からの要望があり、翌日の報道からは、患者を「40歳代の女性」という表現に替えました。
その後、脳死判定のやり直しから臓器の移植までを日を追って報道致しました。

山王丸アナ: 今回の報道をめぐっては、様々な議論が出されました。 それでは、番組審議会の委員のご意見をお聞き下さい。


委員A: 今度の事件の騒ぎ方は異常ですね。 初め新聞で第一報を見た時、一面トップの見出しの大きさですね。 革命でも起こったのかと思いました。
特にこの問題は人間の死、しかも刻々と死んでいく、あるいは死んでいるかどうかという境目の問題であって、とても微妙な問題です。 それに対する恐れのようなものが、全報道に無かったと思います。 殺人事件でも交通事故でもまつわってますが、特にこの問題については非常に恐れる気持ちというのが全体になければいけないのに、それがほとんど感じられなかった。大変不愉快でした。

委員B: テレビ全体の報道の印象は、かなり冷静さを欠いていたのではないかという感じを持っております。 それは、脳死という問題は、それ自体、一応法的には準備が整ったわけですが、まだ死の問題も含めて、日本人の感覚として、まだ揺れ動いている部分の問題がかなりあると思います。
ですから、脳死そのものに関して、もちろん報道はあったと思いますが、その向う側にある死の問題、文化的な死の問題というものを、もう少し冷静に考えていく、一つの機会でもあったと思いますが、そういう角度からの報道はあまり無かったような気がします。
むしろこれが大変大きな問題であるとしたら、そういうところまで踏み込んで考えていくことをメディアもなさってもいいのではないかと、ひとつ感じました。

委員C: 日本は初めて法制化された中での、初めてのケースですから、いろいろなことで報道合戦にならざるを得なかったのか。
報道合戦になった原因というのは、一つはやはり対応の仕方が、ここまで報道合戦になるとは、当事者も分かってなかったのではないか、読めてなかったのではないかということも、一方ではあったと思います。
いずれにしても、ニュースだけでもないのですが、一般的に言えば脳死になることを期待する雰囲気がなきにしもあらずかな、こういう感じが致しました。

委員D: 私は日本で、今度の脳死の法律が出来た時に、法律が出来てもなかなか行われない理由。
そして、なにしろ外国に心臓を買い取りに行ったり、腎臓を買い取りに行ったりするような状況が、法律が出来ても続くのは何が原因なのか、法律のどこに問題があるのかということを、もう少しそれを上げなければならないですよね。 そうしないと法改正なり、何なりというふうには動かないからです。
そういう点は、全然抜きにしてただ事件として捉えているだけでは、どうも報道のあり方として不十分ではないかという気がします。 センセーショナルに騒ぐよりは、そういう問題をもう少し正確に捉えるような努力が欲しいように思います。
まだ脳死とも何とも決まっていない状態で、既にその家に人が駆けつけるような、そういう状態は避けた方がいい。 速報性ということも報道の使命であるかもしれないけれど、一体何のための報道かということを考えて欲しいという気持ちがしました。

委員E: 脳死判定以前にあまりの過熱報道に、本当にはしゃぎすぎ、やりすぎではないかと私は思いました。
もちろん、事実の報道はされるべきですし、特にこういうことはあまり密室で行われてはならないことなので、情報開示は本当に必要だと思います。 でも個人のプライバシーは守られるべきですし、興味本位の過熱報道はすべきでない、何かその辺の兼ね合いが難しいなと思いました。 初めてだから本当に仕方がないかも知れませんが、もっと静かに冷静にきちんとした報道がされるようになって欲しいと思いました。
でも、今回のことで息子とドナーカードを持つかどうかという話し合う時間が持てたんですね。それは意義があったと思います。

委員F: プライバシーを抑えても報道を優先させようという時に、何らかの大義名分を持ってきて、これは国民が是非とも知らなければならないこどであると、自分に言い聞かせて、そして過剰な取材報道になってしまうのではないかと思うわけです。
その場合には、どうも私は被害者の立場に、その立場に自らの身を置いてみて、自分が被害者だったら、一体そういう取材をされたらどう考えるだろうか。そういう立場でもって取り上げて、取材、あるいは報道をしていただきたいなと思ったわけです。

委員G: 実際には、いつ頃、表にマスコミに、あるいは情報を公開したらいいだろうかということなんですが、例えば、私がもし脳死した場合、あるいは家族が脳死状態になった場合に、発表してもいいと思う時期は、全て終わった後、実はこういうことがありましたということだけでよろしいのではないか。 別に美談にするとか、そういう必要もないと思いますし、そういうことをするのはちょっと報道の自由と全く別問題のことではないかと思います。
ですから、今回の脳死移植の問題だけでなくて、病院での取材とか医療についての取材について、何か一つのルールというのをきっちり作っておく必要があるのではないかと思いました。

委員H: 私は第1号なるが故に、大きな注目を浴びざるを得ない面があったと思うと同時に、ではマスメディアがああいうふうにフォローすると、それによって臓器移植の適正、とりわけ脳死の判定が適正に行われているか、あるいは救急救命医療がぎりぎりのところでベストを尽くして行われているかとか、そういうものを担保するにはマスメディアの報道だけは不十分だと思います。
将来的な問題としては、別個のもう少し制度的な、もう少し専門的な人が関与した、そういう仕組みというのをつくる必要があるのではないかと思いました。
ですが、全体としては、客観的にかなり抑えられてやっておられたと思いましたが、 にもかかわらず過剰報道の気味がなかっただろうか、ニュース価値判断はあれで良かったのだろうか、という思いも頭の中から去れません。

委員I: 私は局側に望みたいのは、ここで第1号が終わると急に報道というのは、そっぽを向いていってしまうんですが、いざこういう第2号の事件が起きた時に、一体どういう姿勢でどんな取材をするのか、どこを切り捨ててどういう態度でどんな絵を撮るのか、そういうことを十分に中で議論されたり、そしてそういうマニュアル的なものをきちっとつくり、それよりも何よりも人間として、一人の方の死というものがそこにあるわけですから、何かそこに対する日頃のトレーニング、教育、あるいは議論、そういうものを深めていっていただきたいと、ぜひ希望したいと思います。


金子アナ: 各委員の皆さんからのご意見を受けて、日本テレビ側からはこの問題を重く受け止める旨の答弁がありました。

山王丸アナ: この中で日本テレビ報道局としては、31年ぶりの脳死臓器移植が行われた事や、情報を正しく迅速に伝えることに報道が集中した。 しかし、その中で取材の仕方や患者家族に対する配慮を、もっともっとすべきだったのではと考えていると発言しました。
更に今回の報道を検証し、問題を風化させる事なく視聴者と同じ視点に立って冷静に取材し、報道していく事を確認しました。

金子アナ: 日本テレビでも、この4月から社員にはドナーカードが配られています。
審議会ではこのあと、日本テレビから、4月期の番組編成について報告がありました。

山王丸アナ: まず日本テレビが昨年5年連続で視聴率4冠を達成した事、更に今年も視聴率が引き続き好調な事が報告されました。

金子アナ: 4月期の主な改正点としては、新しいドラマが3本始まります。
月曜10時からは、つかこうへい原作、宮沢りえ主演の『ロマンス』。
水曜10時からは、渡部篤郎、桜井幸子らが出演する『ラビリンス』。

山王丸アナ: 土曜9時からは、香取慎吾主演の『蘇える金狼』をお送りします。
一方、大変長らく日曜のお昼に親しまれてきました『スーパーJOKEY』が、先月をもって終了し、新しく『とりあえずイイ感じ』という情報バラエティが登場します。

金子アナ: どうぞこのドラマ3本もご覧頂きたいと思います。
今日は、第326回日本テレビ番組審議会の報告をさせて頂きました。
それでは、最後にお知らせです。

『放送番組の制作では、個人の名誉やプライバシーなど人権に対して細心の注意を必要があります。でも万一、貴方の人権を侵害してしまったら、BRO。
BROは放送による人権侵害を救済する機関です。貴方とテレビがもっと良い関係になる為に。』

     BRO「放送と人権等権利に関する委員会機構」
     03-5212-7333

山王丸アナ: 番組では、皆様からのご意見、ご感想をお待ちしております。
まずお手紙、おはがきの宛先です。

郵便番号102-8040、日本テレビ「あなたと日テレ」の係まで。

     電話番号は、03-5275-4390
     ファックス番号は、03-5275-4505
     お電話、ファックスは24時間受け付けております。
     皆様からの御意見をお待ちしております。

金子アナ: それではまた来週お目にかかります。




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