11月5日 雨の降り方が

「雨の降り方が、これまでと違ってきた気がするのよね。温帯というより亜熱帯みたい」
と、大先輩の女性アナウンサーが言っていたのは、1980年頃。
私はまだ新人アナウンサーで、折に触れ、天気予報の研修を受けていた。


「月形半平太の『春雨じゃ、濡れていこう』というセリフは、
これからの時代にはもう言えない。霧に包まれるような優しい雨は降らなくなった」という
学者の話を聞いたのも、その頃のことであったと思う。


それから約40年。日本に降る雨も風も年を経るごとに強まり、
すさまじい被害が出るようになってしまった。
地球温暖化は、自然の大きなうねりもあるだろうが、
人間の所業が状況をより悪化させていることは否めない。
価格の安い外国木材に頼っているうちに、山の保水力も低下した。
目先の利益や便利さと引き換えに、未来の世代の、
そして現在を生きる自分たちの命をも脅かしているとしたら、人類の進歩とは一体何なのだろうか。


うかうかしているうちに年を取ってしまったけれど、
持続可能な、真に心地よい暮らしのために、今からでもできることを探さなくては、と思う。
近未来に警鐘を鳴らすような発言にも、もっと敏感でありたい。