1月11日 夢の中でも NO GOOD

寝過ごして、番組を"とばした"夢を見たことがある。
 
私は、東京・四谷の土手から生中継をすることになっているのだが、
起きて、時計を見ると、もう番組開始時刻!
大変だ、と駆け出していくと、いつものフロマネ(放送現場の進行係)の山ちゃんが、
困ったような笑顔で、向こうからやってきて、
「井田さん、どうしたんですか?もう中継、終わりましたよ」
...どうしよう!と、血の気が引いたところで、本当に目が覚める。
実際にはこんな経験はないのだが、妙に生々しく、寝覚めが悪い。

話す内容が全くわからないまま、ステージに出て行く、という夢もある。
私は試写会の司会役、という設定なのだが、
何の映画かも知らず、進行台本もない。手元のメモを見ても、真っ白。
それなのに、もう幕が上がり、舞台の袖でスタッフが、
「お願いします」と私の背中を押す。
出ていこうにも、足がもつれて...というあたりで、目が覚める。
 
生放送、人前に出る、というアナウンサーの仕事。
鈍感な私にも、ストレスはあるんだなァ、と思う。
現実の仕事で小さなNGはしょっちゅうだが、夢の中でもNO GOOD!
しかも、取りかえしのつかない大失敗ばかり...。
 
長年、人気番組を手がけているプロデューサーが、
「僕は、"入れ子状態"の夢を見る」と言っていた。
仕事の打ち合わせをしているのだけれど、「これは夢だ」とわかっている。
目覚めて、現実に打ち合わせを始めたら...実はまだ夢の中。
さらに目覚めると、これがまた...という具合で、
「どこで本当に起きたらいいのか、わからなくなるんだよ」
冗談めかして笑っていたが、こうなるとまるで、ホラー映画の世界...。
番組制作者のストレスは、出演者よりもさらに強く、複雑なのかも知れない。