7月20日 他局の先輩から

今年も、新人アナウンサーがデビューする時期を迎えた。
2020年入社の日本テレビアナウンサーは、4人。
飛沫を避けてのアナウンス研修は、至難の業。リモートを主に、
時々、広い会議室や稽古場で、四隅に新人、中に講師、という、
野球の練習も出来そうな配置で、対面研修を行い、
何とか、例年通りの時期に、画面に送り出すまでに至った。


その新人研修を、先日、日曜朝(5:40~)の「日テレアップDate!」が撮影した。
ディレクターをはじめ、撮影スタッフもフェイスシールド、マスク。
音声マンは手袋をはめた手で、マイクを渡してくれる。
離れて座る新人たちを、顔が分かるように、一画面に収めるカメラマンも大変。
例年とは違う撮影風景の中、私の研修テーマはいつもと同じ、ナレーション。
「弾む感じが足りないなァ。そうだ、指を鳴らしながら読んでみて」
このアドバイスも私の定番。こうすると、読み方がぐっとリズミカルになるのだ。


実はこれ、TBSの大先輩、山本文郎アナウンサーから"教わった"こと。
朝のワイドショーで、新劇のベテラン女優の訃報を伝えながら、山本さんが、
「この方は、僕らが新人の頃、研修に来てくださいました。僕らの読み方に、
『何だかリズムが感じられないわねェ。そうだ、こうしてみたら』
と、指をパッチン、パッチンと鳴らして...そうしたら、うまく読めたんですよ」
感謝を込めたエピソードで、故人を惜しむ。その温かさに感銘を受けるとともに、
女優さんから若き日の山本文郎さんへのアドバイスも、ありがたく頂戴した。


先輩の技を"盗め"。
こうして、他局の先輩にも育てられながら、アナウンサーは成長していく。
新型ウィルスのせいで、何かと不自由な研修だったね、
と、今年の新人たちと笑顔で会食できる日が、一日も早く来ますように。