3月10日 後藤 晴菜

入社2年目の夏、「2か月後の全日本大学女子駅伝で中継所実況を担当してください」と告げられました。それが私の実況デビューです。
「インタビュアーでもなく、リポーターでもなく、MCでもなく、...実況!?」
その言葉を飲み込むことができず、つっかえそうになるほどでした。
あれからおよそ2年半。先日の東京マラソンで門前仲町の定点実況を担当。これが4度目のスポーツ実況となりました。
今回からコースが変わり、"高速レース"になるのではと注目されたレース。
心配症の私はスポーツ中継当日が近づくとひたすらシミュレーションを頭で繰り返します。いろんなレースプランを考え、ケースに応じて何を伝えられるのか延々と考えるのですが、不思議なことに何度シミュレーションしても本番は"予想外"の展開になるのです。ぶつぶつと実況練習をする私を見て、先輩方にはよく「手元の資料はお守りでしかないよ。その場で起きていることに集中してごらん。」と言われます。経験の浅い私には何が起こるかわからないことがとにかく怖いのです。時間のある限り、リサーチと練習を重ねて本番を迎えました。
当日、私が実況し続けていた時間はわずか2分。伝えられたこと、伝えきれなかったこと、あとから振り返ると悔しい気持ちが溢れてきます。そもそも満足のできる実況というものは存在するのでしょうか...。ふと疑問に感じ、先輩に聞いてみると、「この悔しさがある限り成長できるんだよ。」と一言いただきました。
実況アナウンサーの役割は人によって感じ方はそれぞれかもしれません。
レースやプレーに彩りを添える実況。深みが増す実況。シーンとともに心に刺さる実況。
「私にしかできない実況」を時間をかけて見つけていきたいです。
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写真は2年半前、初実況のあと撮ってもらった写真。喋り切った後ですが、緊張が取れず顔がこわばったままですね...。