10月13日 河出 奈都美

今年、人生で初めての「ひとり旅」をした。

 

振り返れば、新型コロナウイルスが流行するまで、

ひとりで何かするということをほとんどしたことがなかった。

ひとりで海外旅行をした友人の話を聞きながら、

「すごいね!私には無理だな~」と言っていた。

 

そんな心境がだんだんと変わっていったのは、

コロナ禍を理由に、一歩を踏み出そうとしていなかった自分を変えたい、

そういう気持ちがあったからかもしれない。

 

だから、思い切って旅行スタイルも今までと変えた。

細かいスケジュールもない、その日の夕食の場所も決めない、

行き当たりばったりの旅。

さらに、SNSに触れない「デジタルデトックス」にも挑戦してみた。

 

ひとり座禅体験、ひとり博物館、ひとりバー。

 

一見余裕そうな表情でグラスを傾けるも、内心ドキドキが止まらない。

でも、この非日常感がたまらない…!

 

「座禅とは、心を観察すること」というお話があった。

何かに取り組んでいる自分を観察してみると

「なぜ私はこれに興味を持っているんだろう?」

「なぜこのことで悩んでいるんだろう?」

こんなふうに突き詰めていくと、腑に落ちる瞬間があるもんだなあ。

 

そう思いながら無意識にスマートフォンに伸びかけた手。

グッとこらえて、ペンを掴み、そして書いた。

 

「ひとり旅 やりたいことリスト」

すっかり、ひとり旅の虜です。