はじめに

東日本大震災から4年を迎えるにあたり、番組では、2013年、2014年に引き続き、被災3県で1000人を超える方々にアンケートを行いました。
2月12日~22日の期間、アンケート用紙への記入形式で実施し、
岩手423人 宮城414人 福島513人合計1350人から回答をいただきました。

※実施場所の詳細は末尾に記載

あなたの周辺で復興は進んでいますか

「はい・進んでいる」と答えた方が52%と、去年より割合が増加しました。仮設住宅から災害復興公営住宅への移転の道筋が見えたことや、かさ上げ工事が進んでいることなどの声が理由として聞かれました。
一方で、以前の町の姿には程遠い現状や、家族が離ればなれの避難生活が続くなど、復興が進んでいないと感じる方も、全体で4割を超えました。

さらに…

年代別でみてみると、高齢になるほど、「はい・進んでいる」と答える方の割合が減っていく傾向があることもわかりました。

3/8(日)の放送でお伝えする宮城県女川町では、女川駅の再建なども要因となり、全体の割合を大きく上回る75%の方が「はい・進んでいる」と答えています。

アンケート用紙から

「はい・進んでいる」

  • 復興アパートも完成し国道のかさあげも進んで来ているので、やっと進み出したという感じである。(岩手・釜石市/66才女性)
  • 陸前高田市は壊滅というところから始まった。津波復興拠点整備事業地においては、土砂運搬、ベルトコンベア導入で計画が1年早くなったことにより商工業にとっては光が見えてきたように感じます。(岩手・陸前高田市/53才男性)
  • 一部の災害公営住宅の入居が始まると同時に各地域での宅地盛り土、公営住宅建設開始が目につくようになった。水産加工地帯もだいぶ整地され、そろそろ建設(工場等)ができる状態が近づいてきたように感じられる。(宮城・気仙沼市/53才女性)
  • 女川駅が再建されたり、水産加工団地ができていたり、最近、景色が変わってきていることをよく感じるようになった。
    ここまで4年かかっているが、やっとここまできたという感じ。(宮城・女川町/34才女性)
  • 魚は原発の影響で本操業できないが確実に放射性物質の数値は下がっていて、いつかは操業できるのでないかと思う。
    (福島・南相馬市/39才男性)
  • 復興住宅とか建っているし、津波で流された瓦礫も減ってきたと思うから。(福島・飯舘村から福島市へ避難/14才女性)

「いいえ・進んでいない」

  • まだ仮設商店街での営業が続いています。大船渡市の中心商店街がいつできあがるのか未定です。元気のないお客様が多いです。(岩手・大船渡市/66才女性)
  • 一日も早い復興を待っている者にとっては、まさか4年も仮設住宅での生活をするとは考えてもいませんでした。住宅を再建したくてもかさ上げ地域では第一線堤147mが完成しないうちは、住宅復興は出来ないと思う。(岩手・宮古市74才男性)
  • みんなが戻りたくないだけなのかもしれないけど、沿岸部の方は未だにやっぱり当時のままのところもある。ゴミが流れ込んだままの家だってあるし、そもそも人が住んでいる家なんてほとんどない。(宮城・石巻市/17才男性)
  • 復旧は進んでいるが、復興には至っていないと思われます。南三陸はガレキが片付いて造成は進んでいるけれど、昔の賑わいはほど遠い。(宮城・大崎市/40才男性)
  • 除染は進んでいるけれど、自分の住むところが決まらないので、前に進めません。家族がバラバラなので、もとのように生活できることが私の中で復興と言えると思います。(福島・南相馬市/55才女性)
  • 家の前に除染した黒い袋が山積みになっている。みんながそこを通るのもいやだと言っている。(福島・川俣町/77才女性)

Q2.自分の生活は再建しましたか?

「再建した・ほぼ再建した」と答えた方が半数以上となり、Q1と同様に、仮設住宅を出た後の住まいのメドが立ったから、との声が多く聞かれました。
反対に「あまり再建していない・全く再建していない」と答えた方は、資金繰りが厳しいことなどから仮設住宅から抜け出せないままであること、仮設店舗の終了後に再建の見通しが立たない、などの意見がみられました。

また、Q1と同様に、年代が高くなるほど、「再建・ほぼ再建」の割合が減る傾向もみられました。

アンケート用紙から

「再建した・ほぼ再建した」

  • 津波の入った部分のリフォームも昨年末やっと終了しました。それだけでも津波から解放された思いでほっとしています。(宮城・東松島市/55才女性)
  • 年度末に希望の土地の手続きが終わり、4月には新居建築に入る予定になっており、再建に向けて大きな一歩を踏み出そうとしております。(宮城・仙台市/73才男性)
  • 震災当時、富岡町にいて、避難になり落ち込んでいたが、家を買い新しく家族ができて明るくなってきた。(福島・富岡町から郡山市へ避難/26才女性)

「あまり再建していない・全く再建していない」

  • 自営業のため家族で店を経営。現在は仮設店舗での営業で色々な面で大変である。店の再建は見通しがつかないでいる。4年の時間の中でたくさんの人がこの地を去った。客数、売り上げ減少。(岩手・宮古市/35才女性)
  • 住宅ローンの問題で次に進めない。仮設から出られない。(岩手・釜石市/52才女性)
  • 住宅の再建が進んでいない。復興住宅がなかなかあたらない。(岩手・釜石市/70代女性)
  • 今も仮設生活をしているので、前向きな考えは遠い。一日も早く、区画整理を終えて自分の土地をもって、家を建てて落ち着きたいです。(宮城・気仙沼市/75才男性)
  • 20キロ圏内小高区で衣料商店を経営していたが、まだ居住もできず家の修理もできていない。そのうえ帰る人も少ないので商いもまた新たにやるのは難しい。今まできづいてきたものが全てなくなった。(福島・南相馬市/57才女性)

Q3.今、直面している課題は?

最も多かったのは、去年と同じく「住まいのこと」
また、新たな選択項目「人口の流出」「震災の風化」が上位に入りました。被災地では、街をどう再生させるかが大きな課題であると同時に、年月を重ねることによる風化も懸念されていることがわかりました。

アンケート用紙から

  • ◆震災直後からどんどん人口が流出しており、田老に残されているのは高齢の方が多い。限界集落となり、近くに働く場もなく、どうやって生きていこうか。(岩手・宮古市/57才女性)
  • ◆復興に必要不可欠な若い世代の人口流出に危機感を覚えます。行政、企業、各支援団体が手を取り合って、一緒に町のことを考え、行動していかなければ、正直、未来は明るくならないと思う。(宮城・石巻市/29才男性)
  • ◆4年がたった今、震災の風化が目立ち始めました。いつまでも暗い気持ちでいられませんが、震災がきっかけで得たモノは失ったものと同じくらいあると思います。だからこそ、忘れてはならないのではないでしょうか。(宮城・大崎市/19才女性)

また、福島県に限った場合では、「放射能の影響」が最多(239人・47%)となりました。

  • ◆あと何年たてば戻れるか?あてのない生活で目標がない。(福島・飯舘村から郡山市へ避難/85才男性)
  • ◆自分が以前住んでいた浪江町に立ち入りできない。帰れるのか帰れないのか、はっきり答えを出せない。(福島・二本松市/16才女性)
  • ◆どこに行っても放射能がある。いっそ遠くへ引っ越した方がいいのか悩んでいる。(福島・南相馬市/36才女性)
  • ◆1歳半の娘を子育て中です。放射能の影響を気にしすぎるあまり、子ども時代に十分に外遊びできないと身体的にも情緒面でも不安。(福島・郡山市/30才女性)

Q4.震災から5年後(来年)、10年後(2021年)、あなたはどこで何をしていると思いますか?

アンケート用紙から

  • 来年  いよいよ、住宅の建設が行われます。
    2021年 住宅の窓から、田老の港や旧市街地を眺めながら子供達の成長を楽しんでいると思います。
    (岩手・宮古市/76才男性)
  • 来年  陸前高田で仮設住宅と仮設店舗での生活だが、換地場所が決まり、前進の年。現実的に光が見えてくる年。
    2021年 陸前高田で元気に働いている。長男夫婦と同居し、賑やかに穏やかに暮らしている。
    (岩手・陸前高田市/52才女性)
  • 来年  陸前高田の復興に尽力、大工として。
    2021年 大工として復興に貢献。
    (岩手・陸前高田市/18才男性)
  • 来年  まだまだ頑張る。亡くなった友達の分も。
    2021年 お魚の町気仙沼が盛んになって、市民も活気づくのかなあ。
    (宮城・気仙沼市/40才女性)
  • 来年  災害公営住宅には入っていると思う。新しい生活を精一杯している。
    2021年 生活には慣れてきて、体力作りや近所づきあいなどに楽しみをみつけている。しかし、生活力はどうなっているのかな?楽しみを見つけて元気でいられるのが希望です。
    (宮城・気仙沼市/61才女性)
  • 来年  県内で自分のやりたい職につき、少しでも復興に協力していると思う。
    2021年 5年前以上に復興に協力していると思う。
    (宮城・石巻市/17才男性)
  • 来年  大学で勉強。
    2021年 地元に帰ってきて、子供達の命を守れる教師になっている!
    (宮城・大崎市19才女性)
  • 来年  福島県内で家を建てて子育て続けたい。
    2021年 何の不安も感じないで普通の生活を送りたい。
    (福島・いわき市/35才女性)
  • 来年  まだまだ帰ることはできない。
    2021年 元気でいれば富岡に戻りたい思いあり。でも無理でしょう。
    (福島・富岡市から避難/70才女性)
  • 来年  郡山で会社の事業を通じて地域の復興の一助となっていたい。
    2021年 30年後として「フクシマ」が原発事故の地ではなく、自然と共生の先進地として全世界に「東京」「ヒロシマ」と並ぶ日本を代表する都市となっていて、そこに生活する一人として存在したい。
    (福島・郡山市/45才男性)

Q5.【福島県の方のみ】あなたは年間の被ばく線量をどこまで許容しますか?

国が、避難指示解除などの基準としている年間の積算線量は、「20ミリシーベルト」以下ですが、「許容する」と答えた方は1割程度にとどまりました。
震災前と同じ数値でないと安心できない、事故後に基準を変えるのはおかしい、などの声が聞かれました。

アンケート用紙から

「1ミリシーベルト」

  • ◆安全性に基づくデータが十分に確立されていない以上、一番低い基準が望ましい。(福島・いわき市/33才女性)
  • ◆震災前と同じ基準にまで下げてもらえるように除染等をしてもらわないと、安心して生活できない(特に子供の将来が心配なので)。(福島・いわき市33才女性)
  • ◆原発事故が起きてから基準を変えるのはおかしいです。福島の人たちはモルモットではないんです。避難すべき人々をきちんと避難させるべきです。(福島市/29才女性)

「5ミリシーベルト」

  • ◆原発が存在し、同じ県の中にいる以上、震災前と同じというわけにはいかないと思う。未だ完全に事故が終わったわけではない。(福島・二本松市/19才男性)

「20ミリシーベルト」

  • ◆震災直後は線量がかなり高かったが、今、何事もなく暮らせているから。20ミリシーベルトと国が示す基準に達していれば許容できる。(福島市/20才男性)

「無回答」

  • ◆今後の福島県民の生活調査を通じて低量放射線量の影響を明らかにしてほしい。科学的安全=市民の安心とはかぎらない。福島県民を安心させ世界を安心させられる基準と現実を示してほしい。(福島・郡山市/45才男性)

Q6.【宮城県女川町の方のみ】女川町に住み続けたいと思いますか?

住民の7割以上が「復興が進んでいる」と感じる宮城県女川町。復興計画のスピード感に注目が集まる一方で、人口減少という深刻な問題を抱えています。震災による死亡者・行方不明者が人口の1割におよんだうえ、住宅の7割が全壊したことなどから転出も相次ぎ、現在の人口はおよそ7000人。昨年6月の総務省統計では人口減少率で全国1位になってしまいました。
町民の方々からは、女川に住み続けたいという思いとともに、魅力ある街づくりや地域活性化について高い関心が寄せられました。

アンケート用紙から

「はい・住み続けたい」

  • 宅地が増えてきているので、それにより人口流出が防げられれば良いと思う。新しく開設される女川駅近辺に、女川町を発信できる魅力的なスポットなどができれば、県内外の方々も多く訪れ、活性化につながるのではないかと思う。(20才女性)
  • 若い人が仕事につける街になってほしい。そのためには産業が必要。が、女川には水産業しか基幹産業がない。観光産業にも限界がある。(77才女性)
  • 女川町の特産品をアピールできる街作りを望みます。観光地としてのかつての女川町の復活を望みます。現時点では観光客のための交通手段が少なすぎます。(72才女性)
  • 小さい子どもがいて、女性が働ける環境が欲しいです。(34才女性)
  • 女川町は海と山に囲まれておいしい食べ物も多いのでそこが魅力だと思っています。しかしながら、高齢者の割合が多く若い世代が少ないと思うので、若い人が流入してきたらもっと活性化していくのではと思います。(25才女性)
  • 生まれ育った町が姿を変えてもやっぱりこの町が好きなので、子供達とこの町の新しい姿を見守っていきたいと思っています。(37才女性)

「いいえ・住み続けたくない」

  • 駅が一新されたからと言って住み続けたいとは思わない。人が7000人しかいない寂しい町になってしまった。(72才女性)
  • 震災を思い出すので居続けたいとは思わない。(40才女性)

【アンケートを行った場所】

岩手県

市町村 詳細
野田村 生涯学習センター
村立図書館
野田村役場周辺の商店
普代村 太田名部地区仮設店舗
岩泉町 みらいにむけて商店街
宮古市 宮古市役所
愛宕公園仮設住宅
マリンコープDORA
田老仮設商店街たろちゃんハウス
山田町 山田町中央公民館
町立図書館
大槌町 大槌町役場
福幸きらり商店街
シーサイドタウンマスト
釜石市 シープラザ釜石
サン・フィッシュ釜石
イオンタウン釜石
平田第6仮設団地
甲子町第6仮設団地
タウンポート大町
大船渡市 大船渡市役所
おおふなと夢商店街
宮田仮設団地
陸前高田市 陸前高田市役所
陸前高田未来商店街
高田大隅つどいの丘商店街
陸前高田ドライビングスクール

宮城県

市町村 詳細
多賀城市 多賀城駅前
気仙沼市 気仙沼復興商店街
気仙沼海の市
気仙沼中学校住宅
気仙沼公園住宅
女川町 きぼうのかね商店街
女川町観光協会
女川コンテナ村商店街
女川向学館
女川町子育て支援センター
蒲鉾本舗高政
東松島市 東松島駅前
矢本運動公園仮設住宅
石巻市 石巻駅前
石巻立町復興ふれあい商店街
蛇田中央地区仮設住宅
石巻市内の高校
南三陸町 南三陸さんさん商店街
平成の森仮設住宅
仙台市 仙台駅前
あすと長町38街区応急仮設住宅
東通仮設住宅
塩釜市 しおがま・みなと復興市場
本塩釜駅前
七ヶ浜町 七ヶ浜町きずな工房
七の市商店街
七ヶ浜町生涯学習センター周辺
松島市 松島海岸駅周辺

福島県

市町村 詳細
いわき市 災害公営住宅豊間団地
浜風商店街
海竜の里センター
カンガルーひろば
いわき駅周辺商店街
郡山市 郡山駅周辺商店街
ニコニコこども館
おだがいさまセンター
ペップキッズこおりやま
郡山観光交通株式会社
田村市 船引運動場応急仮設住宅
南相馬市 ゆめはっと
鹿島西町第一応急仮設住宅
鹿島寺内塚愛第二応急仮設住宅
原町区 市街地
かしま福幸商店街
三里仮設店舗 希望
仮設店舗 かしまの翼
相馬市 大野台第六応急仮設住宅
大野台第八応急仮設住宅
刈敷田第一応急仮設住宅
伊達市 伊達東グランド応急仮設住宅
伊達市保原市民センター
川俣町 農村広場応急仮設住宅
二本松市 安達運動場応急仮設住宅
杉内グランド応急仮設住宅
福島市 福島看護専門学校
飯舘中学校
本宮市 浪江高等学校

アンケートにご協力いただきました被災地の皆様、誠にありがとうございました。