次回放送内容
movie
 
1月30日(火) 21:00〜22:54
松本清張スペシャル 地方紙を買う女
出演
潮田芳子 / 内田有紀
福田恵 / 国分佐智子
庄田昭夫 / 千原ジュニア
石崎俊介 / 井澤健
原木京子 / 白川ゆり
潮田美月 / 伊藤梨沙子
食堂店主 / 温水洋一
堤早苗 / あめくみちこ
工藤静子 / 左時枝
村木圭子 / 秋野暢子
杉本孝志 / 高嶋政伸
スタッフ
原作 / 松本清張
  文春文庫 宮部みゆき責任編集
  『松本清張傑作短篇コレクション(上)』所収
  新潮文庫『張込み』所収

脚本 / 橋本綾
演出 / 雨宮望
プロデューサー /
  小林紀子
  森雅弘
  前田伸一郎
企画協力 /
  ナック
  菊地実
協力 /
  北九州市立松本清張記念館
  エヌ・エス企画
  日本文学振興会松本清張賞事務局
  清張生誕百年実行委員会
技術協力 / 映広
美術協力 / 日本テレビアート
制作協力 / ジアイコン
製作著作 / 日本テレビ
 
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みどころ
photo  ひとりの女が、男女2人を心中に見せかけ、宮城の山中で毒殺。警察が女の思惑通り事件を心中と断定したため、完全犯罪は成功したかと思われる。だが、女が、事の成り行きを見届けるようと、宮城の地方紙を遠く東京で定期購読したことから、完全犯罪に綻びが生じる。その地方紙に小説を連載していた作家が、心中を偽装殺人だと見抜いたのだ。ところが、ベストセラー作家を夢見るこの男が事件にのめり込み、女に恋心を抱いたため、話は思わぬ方向に転がり始める。女の心理と作家の心理が複雑に絡み合った末に待っていたものとは――。松本清張ワールドを十分に堪能できる傑作ミステリードラマである。

 宮城県の山中で男女2人を心中に見せかけて殺害した潮田芳子(内田有紀)は、地元で発行されている地方紙を、東京で定期購読して事件のその後を“監視”。まもなく、死体を発見した警察が、事件性のない心中と断定したことから、ホッと胸をなで下ろす。ところが、芳子が新たに働き始めた銀座のクラブに、問題の地方紙に小説を連載している杉本孝志(高嶋政伸)という作家が姿を見せたことから、事件は思わぬ方向に転がり始めて――。



あらすじ
 ダニのように悪辣な2人を宮城県の山中で殺害して帰京した潮田芳子(内田有紀)は、事件がその後、どう扱われたのか気が気ではなかった。芳子が、心中に見せかけて毒殺した2人というのは、ダブル不倫カップルの庄田昭夫(千原ジュニア)と福田恵(国分佐智子)。芳子は、東京で情報を得ようとしたが上手くいかず、仕方なく仙山線の片田舎で見かけた地方紙・仙台新報を“その時”まで定期購読しようと営業部に電話を入れた。
  営業担当に定期購読の理由を聞かれた芳子は、思わず答えに詰まった。そんな芳子の脳裏に浮かんだのは、新聞に掲載されていた連載小説『野盗伝奇』。とっさにこの小説のファンだと言い逃れた芳子は、名前と住所を告げ、毎日送られてくる新聞のチェックを始めた。

 定期購読の話を聞いて喜んだのは、小説の作者・杉本孝志(高嶋政伸)だった。女性ファンの存在に気を良くした杉本は、さっそく愛読を感謝する旨の葉書を送る。だが、芳子は、1ヶ月程して、新聞の中に山中で男女の白骨化した死体が見つかったとの記事を確認。警察が薬物による心中と断定したと知った芳子は、すぐさま仙台新報に定期購読の解約を申し入れた。
  1ヵ月後、それまで昼は弁当屋の工場で、夜間は他の店で働いていた芳子は、銀座のクラブでホステスとして働き始めた。だが、その店に姿を見せた杉本孝志という男が小説家だと知った芳子は、思わず捨ててしまった愛読感謝の葉書のことを思い出した。杉本はいつしか芳子に高価な品をプレゼントしてくれるほどの上客になり、芳子はその身の上話まで聞くようになった。
  そんな折、杉本が仙台新報の例の心中事件の切り抜きを持っていると知った芳子は、不安にかられてその理由を質した。これに対し、杉本は、心中をテーマにした小説を書くために取材していると明かし、自分がこれまで調査した内容を話し始めた。杉本の分析によると、死亡した庄田と恵はまるで心中をするそぶりはなく、事件は心中に見せかけた殺人。だが、杉本は、真犯人も、その動機もまるで分からないと話した。

 数日後、宮城県の沿岸部にある女川にやって来た芳子は、付近の海岸でまるで待っていたかのように現われた杉本と出くわした。心中小説の執筆に意欲満々の杉本は、庄田と恵を殺した犯人が芳子だと宣告。言い逃れできない事件の状況証拠を付き付けられた芳子は、あっさりと犯行を認める。そんな芳子に、杉本は二つの要求をした。それを飲めば、どうやら杉本は警察には通報しないらしい。
  杉本の要求の一つは、犯行の動機を教えて欲しいということ。小説を完璧に仕上げるために、是非とも動機を知りたいというのだ。芳子は、スーパーでの万引きを偶然、庄田らに見つかり、懸命に貯めていた金や体まで奪われた、と殺害に繋がった動機を告白する。そして、杉本のもう一つの要求は、自分との結婚だった。芳子が誰にも告げていない“夢”を知っていると言う杉本は、一緒にいてくれるだけでもっと小説が書けると話す。そして、将来、作家・杉本孝志夫人と呼ばれ、金も名声も手に入れられることを考えれば、芳子にとっても決して悪い話ではないと告げた。
 芳子は、そんな杉本を心中事件の現場に一緒に行って欲しい、と誘って――。