一見すると、光沢のある緑の葉から観葉植物のようだが、実は葉の裏は赤紫色をしている不思議な作物。 サツマイモのことを金時と呼ぶように、赤紫のことは金時色と呼ばれ、金時草もその特徴的な葉の裏の色からそう呼ばれるようになった。 その表面はツヤがあり、茹でるとワカメのようなぬめりがでるので、普通の菜っ葉とは違った口当たりが楽しめる。
金時草は亜熱帯の植物だと言われている。そのためその栽培の北限が金沢であるが、冬には冷たい日本海の風が吹きさらすこの土地にどのようにして根付いたのだろうか? それは、江戸の時代に盛んに就航していた北前舟であったと言われている。当時、船上でのビタミン不足から倒れる者が続出したため、金時草を携帯して船に乗っていた。 そして北前舟が加賀を訪れた際にこの地に入ってきたという。 当時、北前船の航路にあった熊本県には今も「水前寺菜」という名でまったく同じ品種が栽培されている。