その作り方は、普通の豆腐よりも多めのにがりがポイントとなり、水から上げた時点ですでに少し固めの豆腐ができている。 六条豆腐は、さらにここから10日間の乾燥期間を経て、ようやく完成となる。だが、その乾燥方法は門外不出の秘伝とのことでうかがい知ることはできなかった。


六条豆腐がここ六浄本舗で作られ始めたのは約150年のこと。 当時から霊山として知られる月山に、京都から1人の修験者がやってきた。そのときその修験者に飯を出し厚くもてなしたのが、現在まで六浄本舗を守る片倉家だったのだという。そして、その礼にと伝えられたのがこの六条豆腐。 150年たった今でも月山を目指す修験者の保存食として重宝されるこの食材は、もともとの起源である京都六条ではもう作られておらず、ここ六浄本舗のみの生産となってしまった。