富士吉田市は稲作に適さない環境にあったため、麦を使った粉食が中心でうどん文化の基盤となる文化が古くから根付いていた。
一般の家庭では、「ほうとう」が常食、「うどん」は貴重な食べ物として盆や正月、結婚式やお祝いといった晴れの日に食べられ、今日でも宴会の終わりにうどんが出て、その宴を閉じる風習がある。
吉田うどんの特徴は、とにかくコシが強く硬い。
コシが強いのは、かつて織物業がさかんだった富士吉田では女性が機を織り、男性がうどんを打つものと決まっていた風習があるためと言われている。
また、冷やしで食べるとコシがさらに増す。
吉田うどんのお店は富士吉田市内に約60店舗ほどあり、看板もない民家を改装した店が多く民家の座敷で食べるようなお店もある。
夫婦の2人で毎日仕込みをして手打ちのうどんを提供する店が多いために、大半の店が11:00の営業開始から14:00前後で営業が終了してしまう。
うどんの茹で時間は3〜4分ほどで、一般のうどんとほとんど変わりはない。




うどんを作る前に汲みに行った水について
富士吉田市向原地区の山すそから湧き出るミネラルウォーターは、水道水と比べて全く臭みがない。
地元では吉田うどんを打つ時にかかせない水で、地元の有志によって汲みやすいようにパルプを設置し、「しあわせの水」と命名して古くから愛されている。