渚図鑑

世界中の海域に生息し、日本では全土の沿岸でみられる。内湾の比較的塩分の低い海域に多い。日本周辺では20数種類が確認されており、生息水深は、10m以浅に多い。

フナクイムシ

フナクイムシ科

発見場所:干潟の柵
大きさ:殻長、殻高、殻幅ともに7.5cmぐらい。軟体は30cm以上に成長

木材などに穿孔(せんこう)し、石灰分で作った孔道で一生を過ごす、穿孔貝とよばれる二枚貝のグループの代表が学名Teredo(テレド)のフナクイムシ(船食虫)。
和名は宿った船(舟)の木材を、シロアリのように喰いつくすことに由来。
卵生で、孵化したベリジャー幼生(300μ程度)は浮遊生活をし、木材や流木などに出会うと木質から出る物質に引かれて木の表面に着床する。定着後、貝殻を足で支えながら回転させ、殻の前部にあるやすり状の部分で木材を削って穿孔し、食い進んだ穴の壁に石灰分を分泌して塗り付け石灰質の管を形成する。穿孔口から海水中に1対の水管を出しているが、孔道を離れることはできず、木材内部へと穿孔し、孔道を伸ばす。
このフナクイムシ類の穿孔方法にヒントを得て、アクアラインなどのトンネル工事に欠かせないシールド工法が考案された。

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