工房日誌

♯1 スーパーバットでホームランをかっ飛ばせるか?2010/08/08

松岡「プロ野球選手みたいにでっかいホームランが打ちてえ」
そんな松岡の夢から始まった、野球の素人でもホームランが簡単に打てるオリジナルの“スーパーバット"づくり。
ホームランの飛距離を出すためには、反発力を生むバットのしなりが重要。そこで、松岡は達也と共に“スーパーバット"づくりの指南を受けようとバット製造のメッカ、富山県旧福光町のバット工場・エスオースポーツ工業を訪れる。
ホームランが打てるバット作りのポイントは、重心を先端に置いたトップバランス。反発力があってしなる素材ならさらに飛距離も伸びる。
まずは、バット自体を長くし、より強力な遠心力を得て球を遠くへ放つバットの製作に取り掛かる。
野球規定でバットの太さは7センチ以下、長さは106,7センチと定められていることから、素材は軽くてしなりのあるホオノキを使用。
形は規定ギリギリ106,7センチで重心を先端に置いた。
約110センチのホウノキの角材をロクロにかけ、まずは丸バイトという刃物で荒削り。四角い角材を、円棒に加工していく。
丸バイトで削った表面は、波打ったようになっている為、先の本削りは平たいバイトで表面の薄皮を削ぎ落とし、バットの美しいフォルムに変えていく。
削り終わったバットは表面を磨いた後に、ウレタン樹脂を塗って湿気を防ぐ。通常のバットより1,5倍量のウレタン樹脂を塗り終えたら乾燥。
バット規格ギリギリ106,7センチでも、軽量素材で800グラム。
『素人でも簡単にホームランが打てるバット1号』が完成。
試してみると、バットがムチの様にボールを捉え、大飛球となったが、長いバットは芯を捉える確率が低くなるという課題を残した。
そこで達也は、球を捉えやすくするため、バットの芯部分を38度に削り出す。ホームランがでやすい、バットがボールを捉える角度が38度だからだ。
バットとボール、丸いもの同士がぶつかれば打球は安定しないため、あらかじめバットの芯部分に角度をつけ、ホームランの出やすいバットにするのが狙い。
こうして『素人でも簡単にホームランが打てるバット2号』が完成。
さらに、ボールは、平面よりも突起部に当たったときの方が跳ね返りが大きくなる。これをバットに応用。
ロクロとバイトを使って、バットの表面にリング状の凹凸を施す。
凸凹部分で、ボールをより弾き飛ばす『素人でも簡単にホームランが打てるバット3号』が完成。
松岡は、ゲートボールのスティックの製造なども手掛ける福光のスポーツ用品製造所・ロンウッドを訪ね、しなりを強化するべくゴルフクラブのシャフト構造にヒントを得たバットをつくる。
ゴルフクラブはヘッドに重心があり、振り下ろしの際シャフトに大きなしなりを生み、そのしなりが飛距離を生む。
細いノック用バットの芯から下の部分を裁断して、シャフトを入れる穴をくり抜き、カーボン素材のシャフトと接続。
カーボンシャフトで脅威のしなり『素人でも簡単にホームランが打てるバット4号』が完成。
富山県工業技術センター内にある、ゴルフクラブやバットの開発研究を行っているスポーツ科学試験室にバットを持ち込み、計測機械でその性能を調べる。
凸凹が飛距離を生む3号は、凸凹によって球の変形が少なくなり結果的に反発力が上がる可能性大。
ホームランは角度が命、2号は、平面で打つのでホームランの出やすい角度で打てる。
シャフトがしなって脅威の飛距離、ホームランバット4号は、ヘッドスピードが上がっているので球が延びる。
それぞれ科学的なお墨付きを頂いた。
いよいよ実戦。
舞台は両翼98メートル、センター122メートルのとなみチューリップスタジアム。相手は地元プロ野球チーム“富山サンダーバーズ"。
松岡の第一打席。カーボンシャフトの『素人でも簡単にホームランが打てるバット4号』は平凡なサードゴロ。
続く達也は、ホームランの角度を生み出す『素人でも簡単にホームランが打てるバット2号』でクリーンヒットを見せるも失速。
松岡の3打席目。凸凹の『素人が簡単にホームランが打てるバット3号』で捉えた打球は大きく弧を描き、フェンスの手前1メートル付近。
その後も2人にホームランは出ず、結果はゼロ本。
最後は代打のバット職人・山中さんが劇的ホームランを放った。
この姿を未来の自分と重ね合わせ、スーパーバットの改良はまだまだ続く!?

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