工房日誌

♯1 無人走行自転車で買い物できるか!? 2011/6/26

仮面ライダーの愛機に搭載される、無人走行機能に憧れ、ラジコン操作が出来る『無人走行自転車』作りに挑む太一と長瀬。
“無人走行自転車で買い物できるか!?”
無人の自転車を走らせるテストでは、5m走らせるのがやっと。
必要なのは、自転車をゆっくり走らせる動力とハンドル操作か?
しかし、不安定な2輪は、真っ直ぐに走らせるだけでも至難の業。
そこで、二人は、様々な産業用機械を手掛ける方の力を借りることに。
高橋さんは、全長11m、推定17トン、自立歩行も出来る、カブトムシ型の巨大ラジコンを手作りしてしまう、機械のプロ。

高橋さんによれば、2輪ラジコンで行きたい方向へ曲がる場合、ハンドル操作ではなく、「体重移動」によって行う仕組みが良いとのこと。
そして、もう一つ必要なのは「ジャイロ効果」の力を応用した倒れないための装置。
その不思議な力を学ぶべく二人がやってきたのは、東京工業大学。
ジャイロ効果に詳しい岡田先生のもとへ。
岡田先生によると、高速で回転運動する物体には、その姿勢を維持し続けようとする力が働く。
それが「ジャイロ効果」。
そして自転車は、傾いた方向にハンドルを切ることで元の姿勢へと戻る。
つまり、転倒防止装置にも、このジャイロ効果を応用すれば自転車は倒れないはず!

ジャイロ効果をより発揮するため、厚さ6mmの鉄板を使い、直径50cmの重くて大きな円盤2枚を加工、前輪に挟むように設置する。
この状態で、円盤を回転させて走らせてみると、その効果は絶大だった。
無人の自転車は、何もないときと比べ、断然、安定した直進走行を見せた。
これで、ジャイロ効果を使った転倒防止装置が完成、残るは「動力」。
それには、自転車の前輪に付いている、ダイナモ式ライトに着目。
回転するものを自転車の車輪に押し付けることで車輪を回転させる駆動機構を作ることに。
そのために2人が選んだのは、プロ仕様の電動ドライバー。
スピードコントロールも可能で、小さいが自転車を動かすパワーもある。

電動ドライバーの先端を、空回りしないよう車輪にしっかり押し付けて装着。
そして、後ろの荷台には人間の体重移動を再現した、高橋さん力作の装置。
箱型の重りを、左へ倒れそうなときは右へ、逆は左へ操作すれば、体重移動と同じ原理で、自転車の方向やバランスを制御出来る。
あとは、遠隔操作するために送信機であるプロポと接続。
プロポの縦レバーを上にきればドライバーが回ってアクセル、下にきれば、ドライバーがロックすることでブレーキとなる。
左右のコントロールは、レバーを左右に動かすことで重りが動く仕組み。
そして、買い物に便利なベルも取り付けて、無人走行自転車が完成!
長瀬が「チャーリー」と命名し、事前の性能テスト。

コースは操縦する長瀬の側から50m離れた
太一のところまで行き、折り返して帰ってくる道のり。
だが初めは、路面の凸凹に影響され、舵が利かずに転倒してしまった。
スピードに乗れば、車体も安定し、バランスも取りやすいはず。
気を取り直し、再度挑戦すると、何とか太一のいる場所まで走行に成功。
帰りの操作は、左右逆の方向となるが、これもクリアし無事完走した。
減速もスムーズ、ブレーキの利きも良く、チャーリーの性能に問題なし。
だが、実際の買い物ではチャーリーを止めてくれる人が必要…。

少々の不安は残るが、いよいよチャーリーの初めてのお使い!

場所は、飲食店、食品など71店舗が並ぶ大田区の商店街、下丸子商栄会。
買い物の時間は、円盤が回っていられる、およそ5分が限界。
入り口から40mのお店で天ぷら、その40m先でコロッケも購入したい!
そして、長瀬が操縦するチャーリーは、初めのお店まで順調に走行!
お店の方とは、太一がトランシーバーでやり取りし、無事に天ぷらを購入。
続いての精肉店まで、この調子で走行…と、思いきや人通りを避けるあまり、方向が定まらず、店脇に置かれていたポリバケツに激突!
結局、太一が自分でコロッケを注文して、チャーリーの買い物は終了。
チャーリーを止めてくれた皆さんの協力もあり、80mの無人走行を達成。
新たにガレージに加わったチャーリー、2回目のお使いはあるのか?

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