工房日誌

♯1 実物大の動物が飛び出す絵本は作れるか?2010/11/28

冬の到来を前に、動物達の生き生きとした姿を記録に収めたい! と、達也が思いついた“実物大の動物が飛び出すポップアップ絵本"作り。
躍動感あふれる動物達を表現するために達也と松岡は、まずその構造を調べる事から始める。
見つけたのは「ななめ折り」。それは、幾度に折り重ねられたパーツが、本の見開きの中心線に対して斜めに折られ、本を開くことによって、左右に引っ張られて起き上がる基本的な技術。
さらに詳しい構造を知るべく、二人が訪れたのは、田紙器製作所。
ペーパークラフトや店頭ポップなどを手掛ける紙のプロにご協力頂く。
社長の田さんから教えて頂いたポイントは、3つ。
動物の大きさや動きを調査し、仕掛けにあった強度の紙を探して、仕掛け作りに入る。
まず、松岡が向かった先は、日本で最多のゾウの飼育数を誇る市原ぞうの国。
松岡が目指すのは陸上で最も背の高い動物、キリン。
そのスラッっとした姿、是非とも絵本に閉じ込めたい!
警戒心の強いキリンとスキンシップを図り、打ち解けた所で、メジャーで計測。胴体と首を合わせた体高は、5m45cm。
キリンの5mをこえる身長、長い首。
これを絵本にするための設計に取り掛かる。
その高さを表現するため、達也が注目したのは、本の開閉に合わせて斜め折りが起き上がり、立体感を生む仕掛け。
幾重にも重ねられた平行四辺形が、折り畳めるように構成する。
これをキリンの基本設計として、次に耐久性のある素材選び。
それには一般のものと比べ3倍の強度を持つ、強化段ボール使用する。 だが、キリンの長い首に用いられる平行四辺形の構造は、少しでも形が崩れると、上手く折り畳めない。
慎重に張り合わせ、台紙に挟み込む。
いよいよ台紙を開き、飛び出すキリン… と思いきや、失敗。
大きな体を支えるには、脚の強度が足りず、自立できない。
そこで、さらに強い紙、バルカナイズドファイバーを使用。
化学パルプなどのから作られた原紙を、塩化亜鉛溶液に浸し、乾燥したシ-ト素材。強度は、強化段ボールの約60倍。
さらに、前へ倒れ込まないよう頭からお尻の方へゴムで引っ張る構造に。すると、絵本の展開力とゴムの強い力で背が伸び、自立に成功。
そうして、実物には届かないがほぼ等身大の4.5mのキリンが完成!
続いて、達也が訪れたのは、イルカなど多くの海獣を飼育する千葉県鴨川シーワールド。
フレンドリーなシロイルカと声真似のコミュニケーションで交流し、さっそく体の計測。体長は4m70cm。
続けて、「泳ぎの達人」と称されるバンドウイルカの、躍動的な動きを観察。それらの動きを再現する為に、多面体からなる箱をつくり、 中のゴムで引っ張ることで飛び上がる仕掛け「パカポン」を製作する。
一方、松岡は市原ぞうの国で、アジアゾウとスキンシップ。
その巨体に松岡が求める動きは、立ち上がるゾウ。
立ち上がった2m50cmのゾウを写真に収め、それを基に絵本を制作。
松岡製作の飛び出す絵本、“立ち上がるアジアゾウ"は、体高2.5mのアジアゾウが立ち上がった瞬間を、しっかり飛び出させた。さらに細かい工夫も施し、鼻からはアジアゾウの噴水を再現した紙吹雪を見事に噴射。
一方の全長4.7mのシロイルカは?
その重さで、勢いよく飛び出す、とまでは至らず…。
バンドウイルカの方は、ちょっとだけ飛び上がった。
“実物大の動物が飛び出す絵本"作りは、まだまだ続く!?

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