厄介者

アフリカツメガエル ~アフリカを生き抜く大食漢~

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レストラン

『日本料理・乃木坂しん』

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放送内容

2017年10月29日『アフリカツメガエル ~アフリカを生き抜く大食漢~』

今回、達也がやってきたのは、和歌山県。
そして、助っ人には、
二宮「(肌の焼け具合が)全然違いますね」
国民的アイドル、嵐・二宮和也。
TOKIOと同じくジャニーズ事務所所属。
ゴリゴリの肉体派・達也とは対照的に、イーストウッド監督をも唸らせる演技派俳優でもある。
プライベートでは、2人だけで食事に行くほどの仲。
まずは、和歌山の生き物を確認するため、左会津川へ。
加藤さん「和歌山県は自然保護の発祥の地と言っていい」
和歌山は、雨が多く、森林が豊か。
日本書紀の頃から林業が盛んで「木の国」と呼ばれ、地元出身・南方熊楠が、日本初の森林保護運動を行なった。
貴重な自然が世界遺産や天然記念物に指定され、変わらぬ姿で残っている。
と、タモ網で川面をすくってみると、
加藤さん「オイカワの赤ちゃん」
かつてはどの川でも見かけるほど多かったため、学名には「雑魚」が。
一時、絶滅しかけたが、多摩川などでも増えつつある、清流の象徴。
オスは繁殖期になると、婚姻色でメスを惹きつける。
さらに、ジャニーズの肉体派は、川の茂みに網を突っ込み、
達也「すぐ(網に)入るよね、こういうの」
二宮「エビじゃん!すごい」
これも、在来種のヌマエビ。
すると、今度はプロの網に、
加藤さん「ウナギ!小さいけど天然の」
それは、ニホンウナギ。もちろん在来種。
加藤さん「アユもいましたよ!」
次々と生き物が網にかかる中、正統派アイドルの網には、
二宮「何にもかかんない」
達也「今日(二宮)戦力外だよ」
そして、この生き物たちを食べてしまう外来種が、
加藤さん「5万匹いるといわれている」
二宮「ひとり2万匹くらい捕らないと…3人じゃ無理でしょ」
そこで、この男が合流。
城島「おーい」
問題の現場へ…
加藤さん「アフリカ産の外来種、カエルがいるんです」
南アフリカ原産“アフリカツメガエル"。
解剖の教材用に持ち込まれたものが野生化。
後脚の鋭い爪で獲物を切り裂くだけでなく、生きた物はもちろん、死骸でも手当たりしだい口に入れる大食漢。
昆虫や小型生物など、水中の在来種を食べ尽くす恐れが。
加藤さん「今はまだ、この半島の中にだけ生息してる」
自転車で30分もあれば回れる、この小さな半島の中に、およそ5万匹が。
さっそく、ヤツの住処となっている場所へ。
周りの田畑に使うための雨水を溜める池。
半島には大小合わせて41か所あるが、10年前、2か所だけで確認されたのが、現在は、29か所にまで広がっている。
しかし、半島の中は軽自動車もギリギリの細い道。
車両や機材が入れられず、大規模な駆除はできない。と、
達也「たまに息継ぎに(水面)出てきてるよ」
一般的なカエルが、地上で生活するのに対し、アフリカツメガエルは水中生活。
肺呼吸中心のため、空気を吸いに上がってくる。
加藤さん「ここだけでも2000匹以上はいると思います」
まずは、ゴムボートでカエルのいる溜め池の中央まで。
波紋が見えたら、すかさずタモをその下に潜り込ませて、捕獲する作戦。
と、1mほど先の水面で何かが飛び出した!が、
城島「届かへんかった…」
タモの最長は180cmだが、チャンスは顔を出す前後、わずか1秒足らず。
タモを突っ込む猶予はない。
さらに、捕獲が困難な原因が、
二宮「網が小さいのかな?」
加藤さん「投網(大きい網)でやりましょう」
獲物に気付かれず、一気にかぶせる投げる網。
うまく広がれば、タモ12本分で一網打尽。
踏ん張りの利かないボートから投げるのは少々難しいが、
達也「二宮くんの投網、貴重だね」
二宮「(投げて)重てえ!」
初めてにしては、なかなかの広がり。
引き揚げてみると、オタマジャクシらしき生き物が。
二宮「あれ?オタマジャクシってヒゲありましたっけ?」
日本在来のカエルにはない特徴。
振動で敵も感知、アフリカを生き抜くために進化した。
生き残れば、足が生え、ヒゲと尻尾がなくなり、2か月程で大人に。
と、同じ網に、
加藤さん「これです!(大人の)アフリカツメガエル」
二宮「体が平べったい感じ」
加藤さん「水の抵抗をできるだけ無くすためですね」
発達した強靭な後ろ足は、水を勢いよく蹴り、素早く進む。
すべては、アフリカを生き抜くための進化。その結果、
加藤さん「北島康介選手よりも泳ぎは速いと言われている」
そして、最も憂慮されるのが、
加藤さん「手のひらサイズの大きいものは、来年には卵を産む」
その数、1度に数百、数千とも。
つまり、急がれるのは大物。
早く捕らなければ、産卵期を迎え、どんどん増えてしまう。
しかし、投網にかかるのは子供か、小さいものばかり。
加藤さん「オタマジャクシは池の中層、大人は低層にいる」
つまり、この池は水深3m。
若く警戒心が薄いものほど、水面近くにいるが、大物は、底の泥に潜っている。
表面をさらうだけの投網では、そうそう入らない。
では、もっと捕りやすい池へ。
その水深は、推定1mほど。
この深さなら、入って底をさらえる。
加藤さん「まずは、(池底の)落ち葉の下です」
息が続く大物は、人影を見ると泥に潜ってやり過ごす。
そこを、泥ごと掘り返す。
達也は、池の真ん中を捜索。
そして、城島は、淵に生える草の根元を。と、
城島「いたいた!手のひらサイズまではいかんけど」
見つけたのは推定1年モノ、寿命は10年以上、まだまだデカくなる。
では、城島がさらっていた草の根周りに範囲を絞って、
加藤さん「タモを並べて追い込む」
池底を掘り起こしながら歩いて、アフリカツメガエルを追い立て、泥から出たところをタモで受け止める作戦。
泥から出た大物が、再び潜る隙を与えず、タモへ向かって逃げるように追い込む…と、
二宮「(タモに)入ってる!」
捕れたのは、推定2年モノ。
しかし、この池でも大物は見当たらず。
そこで、再度、溜池を変えて挑む。
城島「泡がブクブクなってる」
加藤さん「ここは満遍なくいる感じですね」
用意したのは、底に重りの付いた追い込みネット。
加藤さん「ネットを(池の)端から端まで広げて一気に引っ張り上げる」
池の底から水面まで届くネットを幅いっぱいに拡げ、両端を引いて、底を擦りながら進めば、アフリカツメガエルを根こそぎ捕れるはず。
しかし、ネットの両端を引くだけでなく、
加藤さん「誰かが足で(池底の)泥と落ち葉をかき混ぜないといけない」
池に入り、たるまないよう真ん中を持ち上げながら、足でアフリカツメガエルを追い出す必要がある。
その重要な役目、二宮隊長が指名。
二宮「じゃあ…加藤さん」
では、長さ20mのネットを拡げ、網の端を3人で引っ張り、加藤さんは池に入って、
加藤さん「(網の)真ん中を押さえてます」
両端は、なんとか歩ける深さ。
しかし、引くほどにネットには水の抵抗が。
とはいえ、スピードを緩めればネットがたるみ、上から逃げられてしまう。
10mほど進んだところで、池の真ん中は、加藤さんの頭がすっぽり沈んでしまうほどの深さ。と、
スタッフ「跳ねた!跳ねた!」
底を足でかき混ぜることで、追い込まれているのか。
ネットが進む先に、息継ぎの波紋が。
しかし、ネットを引き揚げてみると、
達也「何もいないよ…」
ネットの中には、ミズカマキリが一匹。
加藤さん「(カエルが)ネットの中で泳いでいるのは見えた」
城島「この網目なら、すり抜けるはずない」
網目の大きさは2cm四方。
アフリカツメガエルの大きさから考えれば、引っ掛かるはず。
達也「なんで掛からないのか全然わからない」
その間にも、ネットを抜けるはずない大物が飛び跳ねている。
考えていてもしょうがない、とにかく
二宮「もう1トライ!」
加藤さん「網の上に乗ってますので強く引っ張って」
今度は、体重をかけて池底を深くえぐる。
ネットが前回より明らかに重い。
真ん中で、底を深くえぐっている証、ネットも沈んでいない。
達也「ちょっと待って…これヤバい」
ネットに体ごと引っ張られ、足を取られる。
だが、そこは二宮隊長の迅速なフォローで。
二宮「網の中で何か跳ねてる」
確かに、カエルらしき影がネットの中に。
そして、今度こそ、引き揚げてみると、
加藤さん「(カエル)いた!」
と、喜んだのも束の間、スルリと網目から抜け、逃げられた!
二宮「え!?うそでしょ」
諦めきれない専門家、後を追って潜るが、
加藤さん「速い!追いつけない」
しかし、いたのは間違いなく、大人のアフリカツメガエル。
達也「手の平くらいありましたよね」
加藤さん「3~4年もの」
それがまさか、網目を楽々と抜けていった。
二宮「頭が入れば(網目)抜けられちゃうってこと?」
加藤さん「私たちのようにがっしりした肋骨がない」
ネットも、有効な手だてとはなり得ず。
だがまだ、ひとつだけ手が。
加藤さん「罠です。追って無理なら待つ」
罠の網目は1cm四方、これならすり抜けられないはず。
通常は、アナゴなどを狙う罠。
鶏レバーの匂いでおびき寄せ、入れば出られない造りだが、アフリカツメガエルに通用するか。
これをいくつかの池に仕掛け、回収は後日、加藤さんとスタッフが。
罠は効果抜群だった。
AD盛「うわあ!こんなにいる!?」
罠の中に、アフリカツメガエルが約50匹!
加藤さん「メスには産卵管があって、そこから卵が出てくる」
このカエルが大量の卵を産む前に、捕獲成功。
そして、別の池の罠にも。
AD盛「ここにもたくさんいます!」
加藤さん「このメスもたくさん卵を産むので今捕れてよかった」
では、これを美味しくいただけるか?
訪れたのは、東京・乃木坂にある日本料理店「乃木坂しん」。
銀座の名店・小十(こじゅう)で腕を磨いた店主・石田伸二さんが、2016年に開店。わずか半年でミシュラン1つ星を獲得した名店。
和の伝統的な技法で、素材の旨みを引き出し、盛り付けも、四季折々で艶やかに。
日本人だけでなく、世界中から多くの人が訪れる。
そんな和の職人、第一印象は、
石田さん「脚に身がある気がしますが、あとは中を見てみないと…」
では、さっそく厨房で、捌いてみると、
石田さん「淡白な鶏肉っぽい感じですね」
加藤さん「陸生のカエルってもっと締まってる」
陸生のカエルは、跳ぶのに自分の体重を蹴り上げる筋力が必要。
一方、アフリカツメガエルは水中生活。
浮力で負荷は減るが、泳ぎ続けるために、
城島「イチロー選手の筋肉のようにしなやかで瞬発力のある筋肉」
石田さん「ふくらはぎは、ももに比べると若干強い。
部位によって火入れを分けた方がいい」
石田さん「匂いは川魚っぽい」
試しに茹でて食べてみると、肉質は柔らかくなるものの、
石田さん「アンモニアのような匂いが口の中に残る」
世界には、アンモニア臭さを克服した料理がいくつもあるが、和食は、素材本来の味や香りを楽しむ料理。
フレンチなどのように、ソースや香辛料で味をつけ、クセをかき消すことはなく、雑味やエグミを削ぎ落とすことで、香りや味を引き立てる、引き算の料理。
つまり、強い匂いは大敵だが、
石田さん「素材の旨味を引き出す日本料理にどう落とし込むか」
和食にも、川魚の臭みを抜く調理法が古くからある。
ならば、アフリカからやって来た厄介者も。
まずは、やわらかいモモ肉を、ショウガで臭みを消しつつ、醤油の香り付け。
片栗粉をまぶして定着させたら、揚げていく。
石田さん「揚げることで中の水分と一緒に臭みが抜ける」
そして、これを野菜と一緒に和食の命・出汁で煮る。
野菜の旨味を染み込ませるだけでなく、火を二度入れることで、肉の臭みがさらに飛ぶ。
1品目は、“アフリカツメガエルのみぞれ煮"。
二宮「美味い!白身の魚だ、完全に」
城島「噛んだ瞬間のはんなりした感じが和食にぴったり」
石田さん「ホロッとした感じの身がタラとかに近い」
加藤さん「みぞれの大根が合いますね」
大根おろしの辛みが、わずかに残った肉の臭みを抜くだけでなく、野菜の旨味を含んだ出汁を吸い、大根自体の甘さも上乗せする。
料理人は、一皿で肉の扱いを掴んだ。
石田さん「味噌と割り下でつけ汁を作ります」
柚子の香りと酸味で、味に奥行きを出したらやわらかいモモ肉を漬ける。
味噌の酵素の力で、肉の旨味と食感を引き出し、
石田さん「炭火で焼くと輻射熱で内側にじっくり火が入る」
モモ肉の弾力はそのままに、表面は香ばしく焼き上がる。
焦げた味噌の香りも、食欲をそそる。
2品目は、“アフリカツメガエルの味噌焼き"。
二宮「美味い!これは鶏だ、ササミっぽい」
石田さん「炭火で焼くとキュっと締まる」
城島「魚からお肉に変わりましたね」
そして、〆の料理、肉は弾力のあるふくらはぎ。
鶏肉大に開いたら、藁の煙で燻す。
臭みのあるカツオなどに用いる技法。
移した香りが、旨味も引き立てる。
さらに、歯ごたえのネギで臭みも抑え、和食の命・出汁が、食材の味を繋ぎ合わせる。
石田さん「鶏肉のイメージなので卵で合わせれば間違いない」
これで、肉に味が絡むだけでなく、汁が溜まらず、土鍋で炊いた米の歯触りも損なわない。
〆料理は、“アフリカツメガエルの卵とじ丼"。
二宮「カエルとは思わない。燻した感じが残ってる」
石田さん「燻した香りが旨味を引っぱり出す」
加藤さん「これは、ひっくりカエル(返る)」
城島「こんな美味しくなって、わあーショック(和食)でした」
加藤さん「さあ、カエル(帰る)か」

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