流れ板 松岡 VS エプロン城島 定番メニューは作れるか?!

日本全国には郷土の味が広がっている。
風土・気候の差から地域ごとに特定の食材が豊富に取れ、それはその土地の“特産物”となり、特産物を使ったその土地でしか味わえないような料理が、幾年も愛され続けてきた。
日本全国にある飲食店の総数は約80万軒といわれる。その中には、その土地の味を多くの人に楽しんでもらうため、地元の食材を使った定番メニューを出している店も多い。
そんな定番メニューを新たに作ることは出来ないか?

挑戦するのは・・・
陽炎の先に揺れるデコトラ。大地を揺るがすこの車体に刻まれた文字は「流れ板」。
食材求めて西へ東へ、包丁片手に降り立った。今日も食材に味と魂を吹き込む、流れ板松岡颯爽と登場。
対するは、潮風に揺れる純白の割烹着。首にがま口、手に計算機。どこからとも無く北へ南へ。
エプロン城島、倹約術には自信あり。
二人が向かったのは、千葉県九十九里。
太平洋に面したこの土地は魚介類に恵まれ、かつ農業も盛ん。色とりどりの野菜が手に入り、食材には事欠かない。
その九十九里にある、磯の香り漂う場所にある犬若食堂。女将の飯笹晴美さんが定番メニューの依頼主である。

犬若食堂は9年前に晴美さんが開き、主に地元のお客さんに親しまれてきた。そしてお店に並ぶメニューは全部で41種類。
が、犬若食堂でしか食べられない特殊なメニューがあるわけではない。
出来れば観光客にも寄っていただくため犬若食堂ならではのメニューをつくりたい。そんなこともあっての依頼だった。

はるみさんからの定番メニューをつくるにあたっての条件は、
・ 一年中手に入る材料であること
・ 定価は680円。すなわち原価は340円以内
・ 10分以内で出来るもの
・ 丼もの
この条件内で2人の定番メニューづくりが始まる。

エプロン城島、食材探しの移動中に丼メニューを集めた本を片手に「おいしそーやねー、うに丼!でも買われへんなぁ・・・。
親子丼ならいけるかなぁ。でも海産物でかき揚げ丼かなぁ。」と、早くも創作意欲がわいてきている。
まずは城島、かき揚げの具にするのか、野菜の直売所でネギ、玉ねぎ、にんじんなどをゲット。

その頃松岡はねじり鉢巻のおじさんとなにやら相談をしていた。目の前には丸々と太ったイワシ。
新鮮かつ安いこの食材を松岡が放っておく訳がない。
「やっぱりイワシは頭にあったんだよね」松岡もひとまずイワシをゲット。

同じく魚介類を求める城島に黄色い声援が。
「イワシ!イワシ!お兄さん人気モンだから負けてあげるよ!」威勢のいいおばさんが銚子名産のイワシを勧めてくれる。
いかにも商売上手なおばさんの口調に城島も心が揺らぐ。
が、いろんな食材を見たい城島、ここはとりあえず保留することに。
かき揚げが強く考えにあるのか城島、かき揚げは決まっているようだが肝心の材料が決まらない。
と、目にとまったのはサルエビ。「これ、かき揚げにいけそやなぁ」店の人とも相談、城島サルエビをゲット。

食材を一通り買い揃えた城島、料理開始。しかしなにやら独り言をつぶやいている。
「12,5円、6円・・・」野菜に包丁を入れるたびに値段を計算。
城島が気になるのは料理の味より倹約術が先らしい。全ての食材を揃え計算機がはじき出した値段は333円。
しかし肝心のかき揚げの方は?丁寧に形を整えつつ、うまく揚がった。
しょうゆ味のたれに漬け込み“サルエビのかき揚げ丼”ひとまず完成!
サルエビを購入したお店のご主人に試食をしてもらう。味のほうも上々の出来らしい。
しかし、ご主人との談笑のなかに気になる一言が。
「サルエビはねぇ、年中捕れるわけじゃないんですよ」肝心なことに気づかなかった城島。
はるみさんが出した定番メニューの条件、一年中手に入る食材という条件に当てはまらない。
「そうかぁ、振り出しに戻ってしまったなぁ」

 

これも銚子名産のキャベツ、しょうがなどを購入した松岡は、暗礁に乗り上げた城島と変わって、着々と料理を開始していた。
開いたイワシに小麦粉をまぶし、表面にカリッと焦げ目をつけるまで焼く。しょうゆ、酒、砂糖を合わせたたれをかけ、イワシを蒲焼にする。
流れ板松岡、“イワシ丼”完成!と思っていたら浮かない表情の松岡。この料理法では完成までに15分かかってしまう。さらに「オリジナリティーが無いよね。犬若食堂じゃなくても食べられるもんなぁ・・・。味は完璧なんだけどね」
やはり松岡も味以外のところで苦悩していた。

 

城島が次に目をつけた食材はスルメイカ。これなら年間通してお店に並び定番メニューとして使えそう。しかし、この食材がこの後大惨事をもたらすとは・・・。
再度かき揚げに挑戦する城島、今回はどうやら秘策があるらしい。銚子特産ののげのり、ゲソ、野菜が入ったかき揚げの種を、なんとスルメイカの中に詰めている。丸ごと一ぱい揚げる気か?「かき揚げから逸脱しているんじゃぁ・・・」とはスタッフの声。しかし「やっぱり一工夫ほしいやん」と城島も譲らない。
周囲の心配をよそに、とうとうスルメイカが丸ごと油の中に放り込まれた。はじける油と格闘すること数分、“スルメイカのかき揚げ丼”が完成した。良く表現するなら豪快な男の料理、ボリューム感だけは負けないこの丼を城島本人が食す。
「あー!中の衣も、これべっちゃりしてて・・・、30分かかったという以前にマズイ!!」エプロン城島、渾身のかき揚げ丼も失敗に終わり、ただただ遠くの海を見つめるしかなかった・・・。

 

公園でギャラリーに囲まれる中、松岡はイワシを細かくたたいていた。さらにネギ、しょうが、みそ、しょうゆを加えさらにたたく。リズミカルな包丁捌きが冴え渡る。そのままご飯の上の乗せてみて“イワシのたたき丼”が完成した。周囲の人の味見でも美味しいとお墨付きをいただく。しかし、「いまいちインパクトにかけるんだよなぁ」今日の流れ板、いつになくこだわりが強いらしい。
  

 

「なんかないかなー」と、いまだメインの食材が決まらない城島。海岸線を走っていると「なんやあれ?人たくさんおるなぁ」どうも潮干狩りをしているらしい。ここ九十九里はアサリもとれる。「かき揚げにアサリ。これでいけるんちゃうかなぁ」偶然車内から見た光景が城島に光明をもたらした。やや日も傾く頃、最後の巻き返しをはかる。

むき身のアサリの水分を十分に取り、小麦粉をまぶす。前回同様、かき揚げのタネにし、丁寧に揚げる。今回は生煮えの心配もなさそう。さらに付け合せとなるほうれん草のおひたしをつくり、殻つきアサリのお吸い物までつくった。

 

松岡は再度イワシをぶつ切りにし、茹でたキャベツ、しょうが、小麦粉を混ぜさらにたたいていた。そしてタレづくり。しょうゆ、酒、砂糖になんとマーマレード。流れ板松岡の隠し味らしい。
しかし、一体どんな料理が出来上がるのか?長ネギをゴマ油としょうゆで味付けした和え物、えのきだけの味噌汁を添え完成。周囲の人たちに再度味見をお願いしてみると「美味しい美味しい!」今日一番の手ごたえに流れ板も納得の表情。この丼で勝負に出るが、まだその正体は分からない。

犬若食堂に集結した二人。いよいよ晴美さんにメニューを発表する時がやってきた。
晴美さんの前に並べられた丼のふたを取る。「せーの!」

流れ板松岡作・イワシハンバーグ丼目玉焼き添え。銚子名産の脂の乗ったイワシ、春が旬のキャベツ、大葉などを細かくたたきフライパンで焼く。マーマレードが隠し味の特性のタレで味付けされた濃い目の味付けが特徴。乗せられた半熟の目玉焼きがさらに食欲をそそる逸品に仕上がった。付け合せのネギもゴマ油としょうゆというシンプルな味付けながら侮れない味。えのきだけの味噌汁も濃厚な丼の味と良くマッチする。   

   

晴美さん、試食をしてみて「美味しいです。これならいけます」と絶賛。流れ板松岡も安堵の表情を浮かべる。

対するエプロン城島作・アサリのかき揚げ丼。磯の香りがギュッと詰まったアサリをメインににんじん、たまねぎ、三つ葉と具だくさん。ほうれん草のゴマ和え、殻つきアサリのお吸い物と、流れ板の作品とは対照的にあっさりとした味にまとまっている。

と、城島まだ何かあるらしい。「このままだと普通のかき揚げじゃないですか。このアサリのお吸い物を・・・」なんと、かき揚げ丼の上にアサリのお吸い物をかけてしまった!
これには流れ板、晴美さんも驚きの表情。城島の最後のアイデアは見事味に繁栄されているのか?
とりあえず、晴美さん一口食べてみる。「・・・美味しいです、大丈夫です」少し間があったものの、こちらも合格。

   

定番メニューとして犬若食堂で売り出すため、それぞれお品書きを書く。
松岡はなんと魚へんに強いと書いて『イワシ丼』。イワシは弱くない、むしろ強いんだ、という流れ板の心意気が現れたネーミング。字も太く力がみなぎっている。
対する城島は『すまし天丼』。これまた丼の味をうまく表現したあっさり感が出ている。もちろん字も細い。

※注意!松岡が書いた文字はもちろん当て字です。正しくは鰯。よい子のみんなはテストで書いちゃダメだよ!ちなみに魚へんに『弱』と書くのはイワシの身が非常に傷みやすいという説からだそうです。

しかし、この対決どう決着をつけるのか?
実は犬若食堂で、実際にこのメニューを販売した。その結果一週間でどれだけ売れたかで決着をつける。

一日目。なかなかお客さん、新メニューに気づいてくれない。イワシフライやラーメンが売れる中、ただ一人「イワシ丼ちょうだい」とおじさん。この日はこの一品だけだった。すまし天丼0−1イワシ丼

二日目。仕事のお昼休みか、3人の男性「イワシ丼3つ!」さらに、常連風のおじさんが「読めねーじゃねーかよ!」といいつつもイワシ丼を注文。イワシ丼がリードする中、この日初めてすまし天丼も注文された。すまし天丼1−5イワシ丼

三日目。徐々に新メニューも浸透してきた。お客さんは皆新メニューの話題で持ちきり!この間にすまし天丼も売れ行きを伸ばす。すまし天丼7−8イワシ丼

四日目。白熱してきたシーソーゲーム。だが、この日はやや注文が延びなかった。と思っていたら立て続けに「すまし天丼」の声。すまし天丼が逆転してしまった。すまし天丼9−8イワシ丼

五日目。中央には常連のおじさん。注文したのはイワシ丼だったが、運ばれてくるなり、奥にいたおばあちゃんの団体の目が集まる。どうも興味津々らしい。席を立って丼の中を覗き込む人がいるほどの人気!一気にイワシ丼注文か?と思われたが・・・。「ラーメン8つね。」おばあちゃんには味が濃すぎるらしい。すまし天丼14−11イワシ丼

六日目。「イワシ丼ちょうだい!」威勢良く注文してくれたのは見たことのある顔。2日目に「読めねーじゃねーか」と言いつつ注文してくれたあのおじさん。心強いリピーターも付いてイワシ丼もう一歩で追いつくところに。すまし天丼14−13イワシ丼

七日目。最終日はグループ客が目立つ。一気に逆転も考えられるが、二つとも注文するお客さんが多い。そんな中、今日も登場!常連のおじさん、仲間を引き連れやってきた。「イワシ丼4つ!」果たして決着は・・・?

結果:すまし天丼17−21イワシ丼
二品とも人気を博し、僅差で流れ板松岡作・イワシ丼に軍配が上がった!

ここ犬若食堂のお客さんは港が近いため、地元の漁師さんが特に多い。よく汗をかく仕事ゆえに、この地域の人たちは濃い味を好むのだとか。そんなところにも勝負の分かれ目があったのかもしれない。
それにしてもお店の人もお客さんもみんな明るい人たちばかりだった。そして新し物好き。良く皆さん新メニューを注文してくれました。もし犬若食堂を見つけたらよってみてはいかがですか?
それと、2人がつくったメニュー。もっと知りたい!という人の為にレシピコーナーを開設!そちらの方もよって見てくださいね!

村づくり実験 DASH米はつくれるか!?  〜溜め池づくり〜

雪もようやく消え、待ちに待った春が訪れたDASH村。
梅、そして桜の花が村に色どりを加えている。
暖かくなり、今年どうしても作ってみたい作物がある。それは『米』。
日本の主食として食文化を支えてきたこの米をDASH村に作る事はできるのか?。

一筋縄ではいかない『DASH米づくり』。予想もつかない問題を克服し
見事、秋には大収穫となるのか!?果して?

DASH米を作るにはまず「水田」が必要。城島、達也、清は明雄さんと共に
民家の前の荒れ地を耕し、DASH米を作ろうとしたが、いきなり問題が発生!

水田づくりには欠かせない水なのだが、アヒル村長がいる涌き水場と横を流れる小川では水量が足りないのである。
そこで巨大な池を作り、水をためる事に。

池は水田よりも上部に作り、湧き水と小川の水を引いてきて水を池に貯める事に。
巨大な貯め池を作る為に、何やら秘策ありの城島。

 

向かった先は油圧ショベルの教習所。
講義と技能講習を終え、試験もパスした城島。早速DASH村へもどると
誰かが油圧ショベルで作業をしている。明雄さんではないようだが…。
「あっ、お疲れ様です。私も貯め池の作業を早める為に免許を取りまして…。」

  

実は清、城島よりも先に免許を取っていたのである。
まだ多少、運転に疑問の残る清と共に、まず土地を整地。
そして、土手の補強の為、回りに3mの松の杭を打ち、囲む。松にはヤニが
多く含まれており、水の中でも腐らないという。
等間隔に松の杭を打ち、いよいよ油圧ショベルで堀削作業へ取りかかる。
教習所で特訓をしたものの、実際の作業となると、桁違いの難しさ。
おぼつかない操作の城島だが、なんとか半分掘り進む事ができた。

ちょうど一日目の作業を終えた頃…。
「めぇー。」八木橋が鳴いた。という事は…。
そう、その晩は雨になってしまったのである。

暗闇の中、心配した清が様子を見に行くと、なんと貯め池に水が貯まってしまった。
まだ半分しか掘り終っていない内に、貯まった水ではただの水溜まりにしかならない作業の遅れを心配して、清がと降りしきる雨の中バケツでかき出そうと努力する。

翌日、その努力のかいもあり水たまりは作業が出来る位に留まっていた。
だが城島が油圧ショベルで掘り始めようとした、その時!
「早く!上がっで!上がっで!」

傾く油圧ショベル。何と、油圧ジョベルがぬかるみにはまってしまったのだ!
一度、ぬかるみにはまってしまうと、なかなか抜け出すのは難しい。
しかし、あせれば、あせるほどキャタピラは空回りしてしまう。
と、明雄さんも困惑の表情を浮かべる。果して、抜け出せるのか?

ぬかるみと格闘する事、30分ようやく抜け出す事ができた。
「こりゃ、油圧ショベルだと無理かも知んねぇなぁ。」
と、明雄さんの長年の経験により、油圧ジョベルでのくみ上げを止め、
バケツでの人海戦術に切り替える事に。

城島、達也、清、明雄さん、全員で水をくみ上げる。
1時間後、ようやく水をくみ終え、残りの半分を油圧ショベルで掘り進む。

ぬかるみの中、出てくる岩に苦戦しながら、さらに掘り進む。
「もしかして、水が出てこないかも…。」と心配する城島。本当に水は湧いてこないのだろうか?

しかし、諦めずに掘り進んでいると、明らかに今までとは違う地層が出てきた!
「こりゃ、赤土だから水が出るかも知んねぇぞ!」
と明雄さんの声も弾む。赤土は透水性があり地下水が涌き出る可能性が
高いというが、果して、水は出てくるのか?

リーダーが油圧ジョベルで赤土をしばらく掘っていると…。
「やったー!水が出た!!」
今までの苦労を思い出し、思わず顔がほころぶ城島。
しかし、しっかりとした溜め池を作って、始めてDASH米作りの第1歩を踏み出せる。
まだまだたくさんの障害が待ち受けている『DASH米づくり』
果して大丈夫か!?

 


リーダーが挑戦した油圧ショベルの試験。忙しいスケジュールの合間をぬって参加した為か講義中、ついウトウトしてしまった。

筆記試験は70点満点中6割が合格ライン。居眠りが響いてしまうのか?と
心配されていたが、なんと筆記試験は満点!

「もしかしたら…。」と心配していたスタッフだったが、その後の実技もクリアし
見事、油圧ショベルの免許取得となった!

この清も取得した油圧ショベルの免許だが、実はその面白さに惹かれて
スタッフも免許を取ってしまった。それには城島もびっくり!

負けてはいられん!と挑んだ今回のロケだった。