〜 DASH村だより 〜

蜜の匂いにつられて蜂達が菜の花に群がり、八木橋も北登も自分なりにDASH村に訪れた春を感じ取っています。
と、男たちも自分なりに春を感じ取っている様子。「うぉー、ワラビ!」「ワラビったらワラビ〜♪」今日は山菜をたくさん取るらしい。
さらに男たちの大はしゃぎは続く。タラノメも両手に抱えきれないほど採れた。

もちろんこの山菜は料理をして食べるのが目的。ワラビはおひたしに、タラノメは天ぷらにして春の味に舌鼓をうった。

1日でどのくらい飛んでいられるか!?

大空に翼を広げ、自由に飛びまわる鳥。
『空を飛ぶ』という行動は羽を持たない人類にとって大きな憧れだった。
「自由に空を飛べたら…」昔から変わらない人類の壮大な夢は、やがて知恵を結晶させ、数々の空を飛ぶ方法を実現してきた。

そして現在、私達の身の回りには洗練されたアイデアあふれるものから、昔から変わらないアナログなものまで、空を飛べる手段が多種多様である。ならば、様々な空を飛ぶ方法を駆使し、一体どのくらい飛んでいる事が出来るのだろうか?

そこで!『1日でどのくらい飛んでいられるか?』
東京をスタートするのは達也と太一。そして大阪は城島とDASH村から参加した清。
体が中に浮いた時点でカウント。下降している時はカウントされない。
タイムリミットは日没。
果してどちらのチームが長く飛んでいられたのか?

空を飛ぶといったらやはりハンググライダー、パラグライダーなどのスカイスポーツ。
早速、スクールに電話してみる城島。すると…。
「今日は風が強くて飛べないんですよ。」
「えっ、本当ですか…?どないしよ…」
スタートからいきなりつまづいた城島、清チーム大丈夫か?

「ここだったら、飛べるでしょ!」
「まず、手始めにあれ行っとく?」
達也、太一が向かったのは「よみうりランド」。遊園地のアトラクションで空を飛ぶ作戦。
手始めに乗ったのはジェットコースターの「バンデット」。
小雨がぱらつく中、ゆっくりと坂を登る。果して飛ぶ事ができるのか?
「グウォーーーー!」うなりを上げて駆け抜けるコースター。
そして、最大落差78mに差し掛かった。と、その時!
「ウォー!今!浮いた!浮いた!」

果して、本当に浮いていたのか?ビデオで早速、判定してみる。すると…。
「あっ、飛んでる!でも…。」
飛行時間を計測してみると「0.76秒」
「本当にコンマ何秒だね。」「これじゃ、足しにもならないね」
遊園地作戦は失敗か?

その頃、城島、清チームも遊園地にいた。大阪府枚方市にある「ひらかたパーク」。
乗り込んだのは「ジャイアントドロップメテオ」地上50mからのフリーフォールに挑む。
「さぁー、飛ぶよー!」と意気込む城島。一方、顔が引きつっている清。すると…。
「来たーーー!おっ、浮いてる!浮いてる!」早速、ビデオで確認してみると、飛行時間は「2.56秒」
「何千回乗らなあかんねん。」
こちらも、遊園地作戦は失敗に終わった…。しかし、城島には考えがあった。
「50mより高い所から落下すれば、もっと長い時間飛べるはず…。」、
と向かったのは「梅田スカイビル」。140mを一気に降りる天空エレベーターに乗り、飛行に挑む。
「飛行スタート!」清の掛け声と共に下降するエレベーター。しかし、全く浮かない…。
「飛ばなあかんのに…」
「この作戦は失敗ですね…」
またしても失敗に終わった城島、清チーム。大丈夫か?

「うぁーすげぇー」「高い!これならいけるよ!」
達也、太一チームが向かったのは日本体育大学の体育館。
大学のトランポリン部の練習にお邪魔していた。ちょうど休憩時間らしく、
5分間だけならトランポリンを貸してくれるという。
急いで準備に入る達也と太一。交代でトランポリンで跳ね続け、合計「11.33秒」飛ぶ事が出来た!

続いて向かったのは…?
「あっ、やってる、やってる!」
何故か達也、太一チームが向かったのは結婚式場。果して、ここで飛ぶ事などできるのか?
「おめでとうございます。あの〜、胴上げとかやらないんですか?」
「やりますよ、祝って頂けますか?」
そして…
「おめでとうございます!ワッショイ!ワッショイ!」宙に舞う新郎。
すると、太一が輪の中心に…。まさか…?
「ワッショイ!ワッショイ!もっと高く!もっと高く!」
なんと太一、胴上げで空を飛ぶという作戦だった!
「ワッショイ!ワッショイ!」胴上げされる事、10回。合計で「6.83秒」飛ぶ事ができた!
見事、トランポリン、胴上げと、見事、空を飛ぶ時間をのばす事が出来た達也、太一チーム。

 

その頃…。
「それを使えば空を飛べるんですか?」
「ハイ、飛べます!」
力強い返事を返してくれたのは中部日本産業技術振興会講師の山下三男さん。
「この『エアーサーフィンボード』なら空を飛ぶ事ができます!」
そのエアーサーフィンボードとはサーフィン状のボードに小型のエンジンが付いているというもの。エンジンからエアーを上から下に送り、その力で空を飛ぶ。果して、どのくらい飛んでいられるのか?
「飛行スタート!」清の掛け声と共に城島が飛行に挑む。
「ブォーーーー!」エンジンの轟音が体育館内に響く。
「オー、オー!イェー!」見事にボードを乗りこなす城島。果して飛べたのか?ボードは完全に浮いていたのだが、空気を貯めておくカバーがなかなか浮かず、飛行時間は「1.93秒」山下さんの話では、このエアーサーフィンボード、まだ開発途中らしく、新たな試作品の第2号も試してみるが、なかなか上手く乗れない。「半年間練習すれば上手く乗りこなせますよ」というが…。
さすがに半年も練習するのは無理、と山下さんに礼を言って次の場所へ向かう。
ここでの合計飛行時間は「5.32秒」


「人の力とか使わない方法の方が長い時間飛べるかもね。」
「じゃあ、風船とかいいんじゃない?」
と、達也、太一チームが次に挑むのは「ジャンピングバルーン」。ヘリウムガスで膨らました巨大風船をつけて空を飛ぶというもの。
数十個の風船をつけたベルトを装着する太一。
「おー、太一軽いよ」と太一を持ち上げる達也。しかし、風船の数が足らないのかすぐに落ちてきてしまう。そこで新たに風船を足す事に。すると…
「おー浮いた!浮いた!」ゆっくりと浮上していく太一。しかし!
「バーン!!」と突然、風船が割れてしまった!そこで太一フリスビーを使い、
仰いでみる。するとなんと、また上昇し始めた。が!
「バーン!!」また風船が割れてしまい、結局、落下してしまった。
しかし、今までで最長の「20.60秒」飛ぶ事ができた!

そろそろ日没、と最後に達也、太一が向かったのは横浜。クルーザーに乗り、緊張した面持ちでウェットスーツを装着する達也。最後に達也が飛行に挑むのは、「スポーツカイト」。
巨大なタコを紐で操り、その風の力で空を飛ぶという、新しいスポーツ。このスポーツカイト、風が非常に重要。インストラクターがタコを操ると、数人で抑えないと、今にも飛んでいきそう。これは期待できると達也が紐を握る。日没まであとわずか。果して、空を飛ぶ事は出来るか?
「よし!今だ!」というインストラクターの掛け声で、海に向かって飛び立つ達也。しかし、その瞬間、風が無くなってしまい海に落下してしまった!残念ながらここでタイムアップ。しかし、達也、太一チーム合計で「39.50秒」飛ぶ事ができた!

   

 

城島、清チームが最後に向かったのは「飛行場」。その飛行場で挑むのは「無重力体験」。飛行機で1万フィートまで上昇し、そこから急落下。すると宇宙と同じ無重力状態になるという。
「ジャンケンポン!」どうやらジャンケンで飛行機に乗る人を決めるらしい。勝ったのは清、しかし…。
「じゃあ、がんばってね、清君!」と城島、強引に清を飛行機に乗せる。実は、城島、大の飛行機嫌い。「清君ゴメン…」と心の中で謝りながら、笑顔で離陸する飛行機に手を振る城島。
ドンドン上昇する飛行機。窓から空を見つめる清。「何で私が…。」と、心の中で思っているのだろうか、どこか顔が引きつっている。1万フィート上空に差し掛かったところでパイロットがコックを一気に下げ急降下開始。すると、清の顔が妙に歪み、清の体が宙に浮いた!無重力状態になったのである!宙を舞う清と清のメガネ。「メガネが、メガネが…」と呟きながら必死に宙をかく。
何とかメガネをキャッチしたところで無重力終了。なんと「22.56秒」空を飛ぶことができた!
その後、もう一度無重力での飛行に挑み「22.60秒」飛ぶ事が出来た。
「これで地上に戻れる…」と疲労困ぱいの清、水を飲んで休憩していると、何故か飛行機が上昇していく。まさか、と思ったその時!飲んでいた水が宙に浮いた!無重力状態になると水は玉状になるのである。宙を舞うコップとペットボトル、そして清。無重力状態で必死に水を飲もうとする清。
そうこうしている内に無重力状態終了。「21.49秒」飛ぶ事が出来た!
計3回無重力を体験したところで日没になり、タイムアップ。城島、清チームは1日で合計「1分15秒52」飛ぶ事が出来た!

<1日で飛んでいられた時間>
達也、太一チーム   「39.5秒」
城島、清チーム    「1分15秒52」

最後のスポーツカイトの失敗が響き、城島、清チームの勝利となった!

よみうりランドではあまり時間が稼げなかった達也、太一チーム。
実はバンジ―ジャンプに乗るはずだったはずなのだが、雨で飛ぶ事ができなかった。
「バンジーなら長時間稼げたのに・・・」と悔やむ太一と裏腹に高所恐怖症の達也は
内心ホッとしていたという・・・。

DASH米はつくれるか?! 〜苗づくり編〜

いよいよ本格的に始動したDASH米づくり。田んぼには欠かせない貴重な水源である溜め池を完成させ、何とか水を確保する問題は解決した。
さぁいよいよ、DASH米をつくるための入り口、苗づくりにとりかかる!!

これからが本番!さぁ田んぼづくり!と、思われたが何故か男たちは山の中へと足を運んでいた。そして山の斜面の土だけを削り取っている。
結構急な斜面。足元が不安定な場所で作業していると、「リーダー!」何故かもんぺ姿のリーダーが木にしがみつきながら滑り落ちそう!助けに向かう明雄さんも「うわぁだめだぁ〜」と一緒に滑り落ちてしまった。

そうこうしながら大量に土を運んできたかと思えば、家の前にゴザを敷き、その土をふるいにかけている。さらに細かく整えられた土を前にして明雄さんが取り出したのはphを測る紙。土を水に溶かし、phを測っているようだ。以前も土のphを測っていたが、この土やはりDASH米づくりに深い関わりがあるのだろうか?明雄さん「アルカリ性でいい土だ」と、太鼓判を押しているが・・・。
こうして選別された土は一旦天日に干された。

翌日、男たちは次なる作業に取り掛かる。
「明雄っち早いねぇ」と達也、明雄さんと2人で2本の溝を掘っている。
昨日の土の選別、そしてこれから行われる作業。実は全て苗を育てるための"苗床"を作っていたのだった。
この苗床は『丘苗』という。一般には田んぼの中に苗代というもので苗を育てるのだが、DASH村にはまだ田んぼが無い。そこで昔の人が行った様に、畑の一角に作り育てる事にしたのだ。
溝の間にできた丘に山の斜面から取ってきた土をふるい、苗床は完成した。

この苗床に、種モミを蒔く。ここに蒔く種モミは5種類だが、この状態にするには昨年の秋に収穫した稲をそのまま干し、水分を12%にまで落として倉庫で眠らせなければならない。

 

そしてDASH米として蒔くのはこの品種。
『コシヒカリ』
言わずと知れた人気種。もちろん味も抜群。
『たかねみのり』『あきたこまち』『ひとめぼれ』
品種改良され、このコシヒカリを親に持つ子どもの品種がこの3種類。
『ヒメノモチ』
そしてこれらうるち米と違うもち米も育てたい。
この5種類を育てる事にした。

と、種モミを蒔くのかと思ったら・・・
明雄さん「このまま蒔いても苗はできないんだよ」
他の植物の種とはまた違い、土壌に蒔く前にまだ作業が必要らしい。

男たちは桶一杯に水を張り、大量の塩を流し込んでいる。そして何故か桶の中で浮かんでいる卵一個。苗づくりには卵も必要なのか?
実は、卵は塩水の濃度の目安のために入れられたもの。卵が浮くほど濃い塩水を必要とするらしい。
白くにごった濃い塩水に種モミが入れられた。
明雄さん「こうして浮いてきたやつを取る!」

種モミを塩水の中に入れると浮くものと沈むものに分かれる。これは塩水選と呼ばれ、簡単に見分けのつかない良い種モミと悪い種モミを選別する昔ながらの方法。
実際に種モミを2つに切ってみると、良い種モミは中身がしっかり詰まっている。逆に悪い種モミは空洞ができていて、田植えをしても育ちがあまり良くない。
こうして健康な米を実らせるための最良の種モミを選ぶのである。

と、城島のカメだけおかしい。
「明雄さん、みんな浮いてくるんですけど・・・」
城島が浸けていたのはもち米のヒメノモチ。
「もち米にしてはちょっと濃すぎるかぁ」と明雄さん。
もち米の種モミは比重が軽く、つける塩水の濃度は卵が底に沈んで立つぐらいがいいのだとか。実際にその通りの濃度の塩水に薄め、ヒメノモチを入れてみると・・・。今度は上手くいった!無事5品種とも健康な種モミが選ばれ、待ちに待った種蒔き!と、思ったら「まぁだまぁだぁ!」明雄さんいつものセリフ。


男たちは網の袋に入れられた種モミを持って、湧き水の通り道に作った"洗い場"にいた。
この湧き水の溜まり場に種モミをしばらく浸けておく「浸かし」と呼ばれる段階。
乾燥して固い種モミを水でふやかして芽が出やすくするのだが、そうなるにはしばらくかかるらしい。
すると、「なんかいる!」「ヤモリ?!イモリ?!」「水がきれいだからねぇ」きれいな湧き水が流れつづけるこの洗い場に住んでいたイモリを見つけたのだった。
都会ではなかなかお目にかかれない自然の生き物が改めて水の美しさを教えてくれた。
そんな恵まれた水に種モミを漬け込んで、明雄さん「こうして10日間浸ける」「10日間?!」

もう蒔けると思ったがなかなか蒔けない種モミ。
城島「昔の人はどうやってわかったんやろ・・・試行錯誤したんやろなぁ」
普段当たり前のように食べている米も奥深い苦労を重ねて出来ているのかと思うとしみじみとする。


山の気温は変わり易い。昨日晴れたかと思ったら、今日は冷え込んで霧が立ち込めている、というのも当たり前。浸かしの10日間、朝も夜もも水の温度が気になる清。この間は例え露天風呂に入っていても目が離せなかった。

長かった浸かしが終了。種モミが水を吸い、心持ちふっくらとした様に見える。今度はこれを消毒。高温の風呂に1日浸けて雑菌を取り除く。

そしてようやく種蒔きの時がやってきた!なんとここまでかかった日数は14日間。
品種ごとに苗を分けるため、5等分した苗床に水を吸った種モミを蒔く。それぞれ思い思いに種モミを蒔く男たち。と、「リーダー蒔き過ぎ!」城島の蒔く種モミは均等ではなかった。野菜づくりの時もそうだったが城島、種蒔きはいつも上手く行かない。

やがて種モミも蒔き終え、品種を書いた札を立ててゆく。
達也「よーしできた!ヒトメボレ、コシヒカリ、赤道小町ドキッ?何これ?!」城島、種蒔きの失敗を笑いで取り返そうとしたが、札書きでも失敗したようだ。

 

蒔いた種モミの上から山の斜面の土をかぶせ、苗床は完成した。しかし、芽を出させるためにはこれからが難関。水と温度管理が重要な苗づくり、少し寒さの残るDASH村では厳しいだろうと、ビニールのトンネルを作る事にした。

トンネルの骨組となるくいを打つため、男たちはハンマーを振りかざす。これまでDASH村では炭窯づくりや、炭小屋づくりでくいを打つのには慣れている。
が、「それさ!それさ!」と奇妙な掛け声は清。ハンマーの重みでよろめき、くいもまっすぐ打てていない。それでも、大工仕事に慣れている達也に城島、明雄さんであっという間にビニールのトンネルが完成した。

   

しかし、ここからが大変。1日5回の水やり、特に早朝は欠かせない。中の温度も苗は30℃以上、5℃以下では育たないため、25度に保つ事が望ましく、浸かしの時より更なる注意が必要とされる。

ある晴れた日にはトンネル内の温度が高くなった。通気を良くし、水を与えて温度を調節してやる。
ある雨の日には急激な温度低下。ビニールの上から毛布をかぶせて保温してやらねばならない。
時期的にも変わりやすい山の温度だが、ここが正念場、気を抜いたら全てが無駄になる可能性だってある。
苗づくりのためには夜中であっても一時も目が離せないのだ。

 

そして種蒔きをして4日目の朝―――――。
「三分刈りの頭のように芽が出てきています!」と、清の声も弾む。
とうとう芽を出してくれたのだ。一番乗りはヒメノモチ。そして他の4種も一斉に芽を出し始めた。

苗の芽も顔を出し、いよいよ現実味を帯びてきた米づくり。でも収穫までの道のりは、そう簡単に乗り越えられないかもしれない。
明雄さんに言われなくても、米づくりは「まぁだまぁだぁ」なのです。

先日満1才になった八木橋。いつも何かを食べて口を動かすシーンばかりが印象に残ります。
そんな八木橋も初めての冬は餌の種類が少なく、春は待ち遠しかったと思ったのですが・・・。
ワラでも雑草でもなく八木橋の好物はなんと種モミ。理由はわかりませんがどうも種モミを好んで食べているようなんです。
貴重な種モミ、あまり食べ過ぎてスタッフから禁止令が出たほど。
今は目の前に育つ苗に興味がいっているようです。