電気自動車充電満タンでどこまで行けるか!?

高度経済成長期から発展しつづけている自動車産業。
21世紀を迎えた今、日本国内で走っている車は約7600万台とも言われ、近い将来、一人に一台車を所有するという時代も来ると言われている。

しかし、その一方で深刻な問題が、それは燃料である「石油」。
一説にはあと数十年で元となる原油が枯渇してしまうとも言われている。

そこで最近注目されているのが「電気自動車」である。
見た目は普通の車と変わりはないが、石油を一切使わず動力も全て電気
で動く為に排気マフラーもない。

 

しかし、この未来の車はまだまだ知らない事が多い。
そこで、未来へ向けての大実験!
充電を満タンにした電気自動車でどこまで行く事が出来るのか?

この実験に参加するのは運転には自信ありの太一、達也チーム。
対するは、城島の運転技術をナビゲーションでカバーできるか城島、福澤チーム。

まずは、電気自動車を充電しにいく事に。
とやって来たのは「西新宿エコステーション」。
エコステーションとは電気自動車にとってのガソリンスタンドで、現在全国に31ヶ所設置されている。最近では有料駐車場やガソリンスタンドで充電できるところも増えている。
料金も750円(深夜は半額の330円)とガソリン車の約5分の1である。

充電も終了し、早速スタート位置につく2チーム。
午後0時から午後7時までの7時間ですすんだ距離を競う。
果して、どちらが多くの距離を稼げるか?

早速、キーを入れてセルを回す両ドライバー。すると…
「えっ、これかかってるの?音が全然しないよ。」
恐る恐るアクセルを踏んでみるとゆっくりと動き出した!
2チーム共にゆっくりとスタート!

スタート直後、城島、福澤チームの後ろに付いた太一、達也チームは停車時にギアをパーキングに入れ、なるべく電気を使わない作戦。
前方でブレーキランプのついている城島、福澤チームを見て「絶対、勝った」と強気のコメント。

その頃…
城島「この『B』ってギア、何ですかね?」
福澤「バックじゃないかなぁ」
城島「バックは『R』じゃないすか?とすると『地下』かな?」
福澤「『ビンビン』の事かな?」
先行き不安な城島、福沢チームであった…
(「B」とは「ブレーキレンジ」の頭文字で1,2速の低速レンジの事です)

しばらくして城島、福澤チームがUターン。
そして向かったのは渋谷区参宮橋。大きい道でスピードを出すより、住宅街の狭い道でスピードを出さなければあまり電気を消費しないのでは?と踏み、アクセルを踏まず低速で距離を稼ぐ作戦。

音がしないので、回りの人もまったく電気自動車に気付かない。
人をゆっくりと避けながら進むこの作戦が吉とでるのか?

一方、太一、達也チームは一定の速度を保つ作戦。時速40〜60キロを保ち
大きな道を進む作戦。さらに「海岸線とか信号ないよね?」と神奈川方面に向かう事に。

スタートから1時間半経過。城島、福澤チームは住宅街をノロノロ進み走行距離約10km。太一、達也チームは神奈川県突入で約20km。

住宅街を進む城島、福澤チームは世田谷区岡本で苦戦していた。
「また登り坂だよー」「登り坂は電気もったいないね」
坂道の多いこの岡本、やむなくアクセルを踏み込む城島。登り終えた下り坂で
なんとか距離を稼ぎながら進む。

しばらくアップダウンの道を進んだが、メーターを見てもあまり電気が減っていない。
「随分、坂道登ったんだけどな?」と、ここで一旦停車し作戦会議。

福澤「電気でもガソリンでも走れば燃料は少なくなるはずだよね」
城島「それでも減ってないっていう事は、減った分がまた増えてるって事か
   な?」
福澤「自転車のライトって下りの時はこがなくてもライトつくよね。という事
   はこの電気自動車も下り坂で電気を充電できるって事だよね」

実は、この電気自動車は減速、下坂時に運動エネルギーを電気エネルギーにしてバッテリーに充電する「回生ブレーキシステム」を使用しているのである。

「よし!じゃあ、下り坂をたくさん下れば電気を使わずに距離を稼げるって事
 だよね。」
と城島、福澤チーム世田谷区周辺で下り坂を探していると…

「あっ!車が消えた!」突然、前方を走っていた車が消えてしまった!
「という事はこの先の下り坂はすごいよ!」
側にあった勾配を示す標識には「22%」の文字が書いてある。

 


「下が見えないよ」「頼むよリーダー、危なくなったらブレーキ踏んでね」
と期待しながらも恐る恐る坂道を下る。そして…!

「うぉーー!ジェットコースターみたい!」「怖い〜!」
と一気にノンブレーキで坂道を下り終えた。
さらに何度もこの坂道を下り、距離を稼ぐ。
「この発想は絶対に向こうは持ってないよね。」と福澤が言うが…

「これでかなり充電できるよね。」「何かゴーカートみたい」
太一、達也チームは横浜中華街の立体駐車場での充電作戦。
駐車券を取るにも、パワーウィンドウを使わずにドアを開けて取るなど細かく電気を節約する。


「いやー、エコだねー」「次はエコだ〜(江古田)」などと口も滑らかに距離を稼ぐ。

スタートから4時間半、城島、福沢チームも神奈川県に入り、走行距離は現在40km。一方太一、達也チームは電気の残量は同じだが約65kmと距離を伸ばす。

距離を一気に稼ぎたい城島、福澤チーム。東名高速に乗り箱根の坂道を目指す。
一方、太一、達也チームも横浜横須賀道路で一気に海を目指す。
残り1時間半、両チームとも充電量が半分を切った。距離は城島、福澤チームは80km、太一、達也チーム95kmと城島、福澤チームが追い上げてきた。

走行距離が100kmを超えた城島、福澤チームは箱根に到着した。
ここからは急ハンドルにも気を付けながら慎重に運転する城島。すると…
「あっ、やばい!ランプが付いた!」「まだ上りだよ。」

遂に点滅したエンプティーランプ、箱根の山を越えられるか?

 

 

その頃、太一、達也チームも高速を抜け三浦市に突入してしばらくしたところでエンプティーランプが点灯。下り坂を探しながら進む。
すると、海へと続く道を発見!そして遂に念願の海に到着した!しかし…

「ここからどうやって進むの?」なんと行き止まりだった!
止む無くバックで戻るが、あまりに急坂の為、エネルギーを考えスタッフと共に車を押す事に。しかし、悪路の為にタイヤがスリップしてしまう。
スタッフ共々車を押し、何とか脱出するがかなりの電力を消費してしまい、
遂にエンプティーランプが点滅してしまった!


残り時間僅か、電気を節約しながら海岸線をひた走るがしばらくして
無念のタイムアップ!

一方、未だ箱根の上りを越えられずにいた城島、福澤チーム。
霧で視界を遮られるも、電気節約の為にワイパーを使わずにゆっくり進む。
すると遂に電気が残り少ない事を伝える警告音が鳴り出した!


下り坂を利用しながらなんとか進むが、遂に車がストップしてしまった!
使い古しの乾電池を振れば復活するように、車を揺すり、再度挑戦してみると、何とか車が動いた!

何とか車も持ちなおすが、このままでは止まってしまうとUターンを試みるがその途中でこちらも無念のタイムアップとなった!

<結果発表>

城島、福沢チーム     148km(静岡県御殿場市長尾)
太一、達也チーム     150km(神奈川県三浦市走水)

電気自動車を使った走行大実験は僅差で太一、達也チームの勝利となった!

昼食のロケ弁当を食べ終え、運転を再開した城島、福澤チームだったが…
城島「何か甘いモノ食べたくありません?」
福澤「あっ、いいね〜」

などと言いながら車を走らせていると…
城島「あっ、クレープ屋ありますよ!」
福澤「いいね〜行こうよ、行こうよ」

と車を停めて、クレープを購入(この時購入したのはアイス入りイチゴ生クリーム)し、早速その場で食べたという。

最終的に負けてしまった城島、福澤チームだったが、あの時クレープ屋に立ち寄らなければ、
太一、達也チームに勝利していたかもしれない…

DASH米はつくれるか? 〜新しい仲間アイガモ隊登場〜

水田作りから始まったDASH米づくりも無事田植えを終え、いよいよ佳境に入ってきた。
DASH村では昨年、明雄さん特製の"無農薬農薬"のおかげで野菜が大収穫だった。
今年も無農薬でDASH米を作ることは出来ないだろうか?

番組H.P.に寄せられた「清の大質問」のコーナーには、いつも視聴者の皆さんからたくさんのありがたい知恵が寄せられている。
その中でもアイガモ農法に関する意見が多かった。

アイガモ農法とは稲を病気から守りつつ、しかも農薬を使わないという、有機農法の一つ。
古くは400年も昔から行われていたという伝統的なもの。
しかも、その農法とはアイガモを水田に放し飼いにする、といったいたってシンプル。

具体的には・・・
・害虫防除―――稲を食い尽くす害虫はアイガモのエサになる。
・水田の除草―――雑草は水田の栄養を吸い取ってしまうが、これも食べてくれる。
・稲の養分供給―――食べたあとはもちろんこれ。アイガモの糞はそのまま水田の肥料になる。
・中耕濁水効果―――水田を水かきでかいて泳ぎ回るだけで土が耕される。酸素や養分を稲が吸収し易くなる。

こんなに優れたアイガモ農法。
DASH米づくりはこのアイガモ農法を取り入れてみる事に。

ある日のこと、DASH村の入口から太一と親しげに話してやってくる女性が。
実はこの女性、DASH米づくりの強力な助っ人、片桐朝美さん。

朝美さんは東京農業大学で里山について学ぶ現役の大学生。
今年の春に放送した『1万円で家財道具は揃うか?』という企画に参加した。
これから始めようとするアイガモ農法のために、あと2週間でかえるアイガモの卵を持って来てくれたのだった。

15個のすこし土がついたかわいらしい卵。
達也「これがかえったらここに放すって事でしょ。」
明雄さんも知らないアイガモ農法。
おそらく初めて見るであろうアイガモの卵にこれからのDASH米の運命がたくされている。

ともあれ、太一以外は初対面の朝美さん。
達也「こちらが清君。」
清「よろしくお願いします。」
何故か緊張気味の顔とぎこちない動き・・・。

太一「なに硬くなってんだよ!(笑)」
達也「ハハハ!久しぶりの女の子だからおかしな事になってる!」


そんな笑いに包まれる中、アイガモの卵を無事かえすためやっておくべきことがあった。
これから卵がヒナにかえる為の『ふ卵箱』と、かえった後にヒナを育てる『育すう器』と呼ばれる物をつくらねばならなかった。

完成した育すう器とふ卵箱。
ふ卵箱に大切に入れられ、家の中の囲炉裏そばで育てられる。

 


卵がかえるまであと2週間。
その間、温度と湿度に気を配ってやらねばならない。
温度―――37,6℃
湿度―――30℃〜33℃(58%〜73%)

適切なこの環境を維持する為の、清とアイガモたちの生活が始まった。
初夏のこの季節、特に山地のDASH村は昼と夜との寒暖差が激しい。
畑仕事をしていても卵が無事か気にかかる。
さらに、気温よりも高い温度で温めてやらねばならないため、囲炉裏の炭、ストーブや湯たんぽも使う。

汗だくになりながらも、清は朝美さんにお願いされていた事を思い出していた。
懐中電灯の光を卵に当てている。
じっと卵を見つめていると・・・
清「あ、これ血管じゃないですかねぇ。」

清がやっているのは『検卵』。
ふ化まであと2週間に迫ると、発育している卵は心臓から血管が見えてくる。
これでアイガモが無事に卵の中で育っている事を確認できた。

数日後、朝美さんがお湯とタオルを持ってきた。
朝美さん「お湯で湿らせたタオルを卵のそばに置くといいんですよ」
ふ化するには温度だけでなく、湿度も重要との事。

そして水田では新たな動きが。
水田の角に土手を作り小さな池を作った。
これでアイガモが生活できる環境が整った。

後は無事元気なヒナがかえることを祈るだけ・・・。

ふ化する予定まで後1日と迫った日の午後11時。
じっとふ卵箱のそばで卵を見つめる清。
清「なにやら音がしています。」
とうとう、1つの卵が動き出した!

やがて殻にひびが入り、黄色くかわいい口ばしがのぞく。
まだ目も見えていない小さな命が、自分の力で誕生しようとしている。
『ピイピィ・・・』
無事かえってくれた事を確信させてくれる待望のヒナの鳴き声。
とうとうアイガモの卵から1羽目のヒナがかえった。


午前1時。
また1つの卵に異変が。
2羽目のヒナも無事にかえった。
面白いもので、よく耳を澄ますと1羽目と鳴き声が微妙に違うのに気付く。

空も白み始める午前4時。
残ったアイガモ達がいっせいに動き出した。
そして6時を回る頃には6羽目までかえっていた。
まだかえったばかりで羽毛が湿っている。
残るは9羽。

午前8時にはなんと14羽目が生まれていた。
この時間になると、湿った羽毛も乾き、丸くふっくらとしたヒナらしい姿になっていた。
という事は残り1個・・・。
何か通じる物があるのか、最後の1個の卵を心配そうに見つめるヒナも。

しかし、正午を過ぎても午後2時を過ぎても反応がない。

そして午後4時。
一睡もせずに卵からかえる姿を見守っていた清、「動き始めました!」。

ようやくかえった最後の卵、これで15羽のアイガモ隊が誕生した。

ふ化した翌日。
清がヒナたちに与えるための餌をすっていたときのこと。
清の後をちょこちょこ走る1羽のヒナ!
清「ん?!」
元気で動きたい盛りのヒナがふ卵箱の中では狭すぎて飛び出してしまったらしい。

箱から飛び出し、大冒険のヒナもあっけなく清に捕まり、育すう器の中に15羽仲良く移しかえてやった。
はじめてやった餌もわれ先にと競って食べ、水も良くのみすくすくと育っていくヒナたち。

数日後、今日はいよいよ水田に放す日。
育すう器の中から滑り台を滑り降り、いよいよ広い広いDASH村の世界へ飛び出す。
15羽みんな清の手拍子に誘導されちょこちょこ歩いていく。
つまづくヒナもみんなに遅れまいと必死でついていく。
そして、これから生活の場になるこの水田に初めての入水。
みんな思い思いに餌を食べ、泳ぎ回っている。

 

達也「誰にも教わっていないのにちゃんとわかってるんだなぁ。」
と、感慨にふける。

卵でやってきて1ヶ月、こうして15の卵はこれからのDASH米づくりに欠かせない存在となるべく、DASH村の仲間となった。

太一が作った育すう器の中に置くための餌やり用の竹と水飲み用の竹。
餌やり用の方は竹を半分に割っただけのものだったが、水飲み用は数cmの隙間があけられていただけ。
「もっと飲み易いような形にしてあげればいいのに」
と思った方もいらっしゃるのでは?
実はこんな形にしたのには訳があるんです。
餌やり用の様に半分に切ったような形をしていると、水浴びをしてしまったり、下手をすると溺死してしまう事だってあるんです。

そんな心配りがあってのあの形だったんです。