おばあちゃんの電話だけで里帰りできるか?

右も左も分からない土地で、電話の道案内だけを頼りにおばあちゃんの家まで
辿り着く事ができるのか?

ちょっと人見知りだけど、なかなかのしっかり者。
太一と共に、岩手県に住むおばあちゃんの家へ向かうのは、
埼玉県在住の松山響介君(6歳)。

松岡とペアを組むのは、ちょっと甘えん坊で落ち着きがない横浜在住の海老原幹也君(6歳)。
沖縄県に住むおばあちゃんの家を目指す。

土地土地によってその方言の特色は様々。
果して無事帰ることができるのか?

那覇空港に到着した幹也・松岡ペア。
早速、公衆電話を探し、おばあちゃんの家へ電話をかける。
おばあちゃんは古喜屋(こきや)なえさん。

おばあちゃんに空港から家までの行き方を聞いてみるが、聞き取ってメモを取るだけで精一杯の松岡。


松岡のメモ

バスターミナルカラ  バスデカッチン
ヘンナバスティチオリンバイ  ンマカラデンワシーベ

分からないながらも、まずは最初の「バスターミナルカラ バスデ」
の部分を頼りに空港から那覇バスターミナルへ移動。

一方、響介、太一ペアも公衆電話から、
おばあちゃんの仁田(にた)八千代さんに電話する。
こちらも、メモを取るだけで一苦労。

太一のメモ

でけぇけどいっぺぇあるいてきしゃい  うらはまがわまんしょんがみえっがら
そこみぎのほうさあるいてくっど   すかっぱさでるから

『でけぇけどいっぺぇあるいてきしゃい』を「距離があるけど、いっぱい歩いてきなさい」
と判断した太一。とりあえず歩き出し、さらにその先のくだりにある
『うらはまがわまんしょん』を探す。
しかし、マンションのような高い建物は見つからない。

すると、太一が発見「あれだ!」と指差した先には「浦浜川〜」の文字が。
なんと「浦浜川マンション」2階建てのアパートだった!


その頃、那覇バスターミナルに到着した幹也、松岡ペアは、
次の行き先を探すべく、路線図を見てみるが、ズラリと並ぶバス路線に圧倒される。
鉄道のない沖縄は、バスが市民の足となっているので路線の数も100を越える。

とりあえず、先ほどメモったものをもう一度見直してみる。
すると松岡が、メモりきれなかった言葉の中に『パパイヤ』と聞こえたくだりがあったのを思い出した。「おみやげにパパイヤ買ってきてって事?」と判断した松岡は、
とりあえず国際通りへと向い、パパイヤを購入。

そこで松岡、幹也君と仲良くなる為に自腹でマンゴージュースを購入。
「美味しい!」と喜ぶ幹也君。そこで松岡、
「オレにも一口飲ませてくれよ。」しかし…
「イヤ」と冷たくあしらわれてしまった。
「じゃあいいよ。もう一本買うから…」まだまだ2人の間には距離があるようである…。

傷心の松岡、観光案内所で「カッチン」が「勝連」という地名である事を聞き、
バスで勝連町へ向かう。

バスの車内で「でも『ヘンナバスティ』って何だろう?『変なバス停』?そんな訳…」
などと言っていると行き先案内のアナウンスが…
「次はヘンナ、ヘンナでございます」
「えっ、えっ!?ヘンナ?じゃあ降りなきゃ!」と急いで下車する松岡と幹也君。
バス停を確認してみると、確かにそこには「平安名(へんな)」の文字が。

ここまでで、ほぼ松岡のメモは理解する事ができた。

那覇バスターミナルから  バスで 勝連の
バスターミナルカラ  バスデカッチン

平安名 バス停で 降りなさい      から 電話しなさい
ヘンナバスティチオリンバイ  ンマカラデンワシーベ

そこで、周辺で電話を探し、おばあちゃんにこれから先の行き方を聞いてみる事に。

その頃、響介、太一ペアは「すかっぱ」の意味を考えていた。
すると前方に見えてきたのは「鹿」。
「すか…、すぃか…、しぃか…、しか…?『鹿が出る』って事かな?」

ここで太一もメモした内容を理解する事ができた。

距離があるけど いっぱい歩いてきなさい    浦浜川マンションが     見えるから
でけぇけどいっぺぇあるいてきしゃい  うらはまがわまんしょんがみえっがら

そこ 右の方に   歩いていくと       鹿に    出るから
そこみぎのほうさあるいてくっど   すかっぱさでるから

周辺で公衆電話を探し、八千代おばあちゃんに電話し、これからの行き先を聞く。

太一メモ

みぎさまがってさかおりるど    すかっぱさでるがら
すぃたけのっこりあるどごこえて   みぎさまがってでんわしてください

八千代おばあちゃんの話では「すかっぱ」は「鹿」ではないらしい。
今いる場所から、言われた通りの道を行けば「すかっぱ」に出るというが…

すると…「あー!『すかっぱ』って砂浜の事だったんだ!」
ようやく軌道修正する事ができた響介・太一ペア。さらにおばあちゃんの家へと急ぐ。


平安名バス停で降りた幹也・松岡ペア。近くの公衆電話からナヘおばあちゃんへ電話。何度も聞き直しながらメモる松岡。
ちなみに…
ナヘさん「ここからは『オマイリサン』を…」
松岡 「はい、『おまえださん』…」
ナヘさん「オマワリ」
松岡 「おまえり」
ナヘさん「オマワリサン」
松岡 「おまえびさん」
ナヘさん「…」

松岡のメモ

オマイリサンガイルクトゥンマカラ  マガッテショウガッコウピザイシ
スグアルウージバタケ    ケーテデンワシーベ

幹也君とお揃いのサングラスをかけ、気合を入れる松岡。
するとその成果か「オマイリサン=おまわりさんの立て看板」を理解。
さらにそこを曲がると小学校を発見。
かなり、順調な2人。このまま一気にナヘおばあちゃんの家までの距離を縮められるか?


その頃、こちらも順調な様子。
「すいたけ…、すぃたけ…、しいたけ!?」と閃いた響介君。
とすぐ近くでしいたけ栽培している方と遭遇。そこで太一、

太一 「これってすいたけですか?」
オジサン「そうです」
太一 「のっこりしてます?」
オジサン「のっこりしてるよー!」

そのオジサンの近くにはたくさんのしいたけが、という事は…
「分かった!『のっこり』って『たくさん』って事だ!」
すぐさま理解した太一と響介君。すぐに公衆電話を探す

太一のメモ

みぎに 曲がって 坂下りると        砂浜に  出るから
みぎさまがってさかおりるど    すかっぱさでるがら

しいたけ いっぱい あるところ越えて    右に 曲がって  電話して下さい
すぃたけのっこりあるどごこえて   みぎさまがってでんわしてください

その頃…
「『ウージ』ってあの事じゃない?『島唄』の中のウージでしょ?♪ウ〜ジの下で〜
 あっ、サトウキビだ!ノッて来たゼ!ヘイ!!」

幹也「…。」
またも傷心の松岡、さとうきび畑へと向かう。
しかし、何とか幹也君の心を開こうと努力する松岡。

松岡「何か、『菊次郎の夏』みたいな風景だよね。『おじちゃーん、名前なんていうの
   〜?』『菊次郎だよ!バカヤロー!(ビートたけしさん風で)』
幹也「…」
松岡の孤独な戦いは続く…。

こちらは、本当の兄弟のように仲が良い響介・太一ペアは仲良くお昼ご飯。
「いだだきまーす」と響介君がオニギリをパクリ。そして太一も久々のDASHオニギリをガブリ。

手前の商店の電話で、八千代おばあちゃんにこの先の行き方を聞いていた。

太一メモ

ろくじぞがあるから    ひだりさまがってずっといって
ふるさとセンターさいって   かぜもらってきてけらい

2人が昼ご飯を食べていたのが、「ろくじぞ」の側。
実はこの「ろくじぞ」は「6体のお地蔵様がまつられている所」だった。
食事を済ませた2人は「かぜ」を貰いにふるさとセンターを目指し、歩き出した。

到着したふるさとセンターには、たくさんの海産物が売られていた。
そこで響介君、売り場の人に「すいません!『かぜ』って何ですか?」と聞いてみた。
すると出してくれたのは、なんと「ウニ」。
この辺りではウニの事を「かぜ」と呼ぶらしい。
そろそろ夕暮れも近い、早速購入しおばあちゃんの家へと急ぐ。

太一のメモ

六地蔵が あるから       左に  曲がって  ずっと行って
ろくじぞがあるから    ひだりさまがってずっといって

ふるさとセンター  に行って     ウニを もらってきて下さい
ふるさとセンターさいって   かぜもらってきてけらい

その頃、広大なサトウキビ畑を何とか越えた幹也、松岡ペア。
疲れた幹也君をおんぶしながら、商店で見つけた公衆電話から電話する。

松岡のメモ

オノマママッスグサカオリナ   ミギシイケネートクヤマショウテンガ
アッテンピザイシイケネー   ンマカラチカークデゥ

またも出てきた「ピザイシ」。先ほどのメモを見ながら松岡が理解したのは「左」。
実際に前回の「ピザイシ」の部分で「左」に曲がっていた。

すると幹也君が「この道で大丈夫。だって見た事あるもん。」
ナへおばあちゃんの家まであともう少しか?


こちらも、おばあちゃんの口から「あともう少し」という言葉が聞けた響介・太一ペア

太一のメモ

べーご いっぺぇ いっどご  ひだりさまがって
あげとりみえだら   もうぺっこでばあちゃんの うちだから

「♪テレビもねぇ、ラジオもねぇ、車もそれ程走ってねぇ」ってこんな歌あったよね?
『べーご』って歌詞もあったでしょ?…あっ!『牛』だ!」

吉幾三さんの「俺ら東京さ行ぐだ」から導き出した太一。
しばらく歩くと、牛のたくさんいる牧場を発見。
しかし、その先の「あげとり」が分からない。
辺りが夕闇を包み始めた。日が落ちてしまうとこの辺りは街灯も無いので
家を探すのは非常に困難。果して、間に合うのか?


その頃、道をずっと下っていた幹也・松岡ペアは海に辿りついていた。
ここから先は、幹也君の記憶を頼りにナへおばあちゃんの家を探す。
すると、曲がり角をひとつ曲がったところで、急に幹也君の足取りが早くなった。

その先には、家の前で待っていたナへおばあちゃんの姿があった!
海老原幹也君・松岡ペア 10時間40分で到着!

最後の松岡のメモ

このまま まっすぐ 坂下りて      右  行くと   徳山商店が
オノマママッスグサカオリナ   ミギシイケネートクヤマショウテンガ

あって   左    いくと      そこから ちかくですよ
アッテンピザイシイケネー   ンマカラチカークデゥ

こちらはまだ、「あげとり」を探している響介・太一ペア。
とにかく「鳥居」ではないかと推理した太一、とりあえず鳥居を探すがなかなか見つからない。元気だった響介の顔にも疲労の色が見えてきた。

すると坂を登り終えた先に見えたのは「あっ!これだ!でっけぇー!」
遂に発見!「あげとり」とは「赤い鳥居」の事だった。

鳥居をくぐると急に走り出した響介君。「あと、ちょっと!」と太一の前を走る。
「おばあちゃん!」と叫ぶ響介君。そこには八千代おばあちゃんの姿が!

松山響介君・太一ペア 11時間30分で到着!
買ってきたウニなどに舌鼓を打つ太一。
しかし、それは同時に響介君との別れの知らせでもあった。

「じゃあな、響介。」という太一に、涙でまともにしゃべれない響介君。

夏の終わりの小さな大冒険は、こうして幕を閉じた…。

太一が昼ご飯に食べていた巨大なオニギリ。
昔からDASHをご覧になっている方なら「懐かしい!」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

あれが久々の登場、「DASHにぎり」です。
以前放送した「3000円でどこまで行けるか?」などの企画の時には必ず登場し、
男たちのお腹を満たしてくれた力強い味方。

実は、あの「DASHにぎり」使用しているお米の量はなんと3合!
お茶碗2杯で1合ですので、お茶碗6杯分という事になります。

実は、今回のDASHにぎりを作ったのは新人の女性AD。
ロケ出発前の午前3時、眠い目をこすりながら、自宅の炊飯器でお米を3合炊き、
いざ製作開始!と思ったらどうやってあの形にしていいか、分からなかったそうです。

「小さいおにぎりを作って合体させようか」などと色々施行錯誤した結果、
最終的に辿りついたのが「タイヤキ方式」。

作り方は以下の通りです
@まずラップの上に海苔を置き、その上からまんべんなくご飯を敷く。
A同じものをもう一つ作っておく。
Bどこから食べても具が当たるように、具もまんべんなく敷き詰める
 (彼女が選んだ具は「梅干し」。あのDASHにぎりに梅干しが15個入っていたそうで 
  す…)
Cそしてタイヤキを焼く時の要領で2つをドッキングさせ、継ぎ目を海苔でふさぐ。

作った本人が言っていた感想は「オニギリを作ってるというより、紙粘土の作品を作ってるみたいでした…」だそうです…。

この行楽の秋、皆さんもピクニックのお供に、DASHにぎりをお一ついかがですか?

DASH村 〜DASH米はつくれるか?〜

荒地に水を入れ、何とかここまで育ててきたDASH米。
そのほとんどの部分が今、危険な状態に陥っている。
"いもち病"。
低温で長雨が続くと突然やってくる米の病。
その正体は「いもち菌」と呼ばれる菌だった。
長年、米を作っている農家の方でも恐れるこの病気に、
男たちが下した決断とは・・・。

稲が侵された病気は『葉いもち病』。
葉の部分が枯れたような病気になり、田んぼ全体に広がってしまう。
明雄さんのアドバイスの元、にんにく・とうがらし・酢・木酢液でつくった
『無農薬農薬』をまいたり、田んぼの水も抜いた。
通気性が悪いと知れば、無駄なことと知りつつも大きな板で
風を起こしたりもした。
思いが通じたのか、『葉いもち病』は何とか抑えられた。

しかし、明雄さんは男たちにゆっくりと話し始めた。
「葉いもちは何とかなったけど、穂いもちは農薬で抑えなければならない・・・」と。
これまで無農薬にこだわって挑戦してきたのに、
とうとう農薬をまかなければならないというのだ。
「畑も無農薬でやってきたから」「何とか自然の物でできないか」
重い表情で助けを願う男たち。
一見元気を取り戻しているDASH米に、今なぜ農薬を?
その答えは・・・

枯れた葉を2枚取り出し、説明をしてくれる明雄さん。
農業の達人が言うには、この稲は開田病という病気にもかかっているらしい。
別名・赤枯れ病と呼ばれるこの病気は、土の養分が欠乏しているために
起こる病気。
田んぼを開いた初めの年に起こりやすいことから、開田病と呼ばれている。
しかも、農水省より「穂いもち病大発生」の予報も発表されていた。
(病害虫発生予報第5号によると、穂いもちの発生量は「やや多い」から
「多い」)

葉いもちはかかってからの対処でも間に合うが、米をその身に宿す穂が
いもち菌に侵されてしまうと全滅の危機になりかねない。
明雄さんの苦渋の決断だったのだ。
「農薬をまくなんて泣きたい気分」と、城島は肩を落とし、
何とかしてやれないものかと明雄さんは目を潤ませた。
昔の人はこの病気にかかると、稲が枯れる様を見届けるしかなかった。
しかし、今は農薬がある。
この農薬のお陰で多くの農家の方が助けられ、
そしてDASH米も救うことができる。
稲を生かすための手段として、男たちは農薬に手をかけたのだった。

真っ白な液体を水でうすめ、準備が整った。
霧状の農薬が田んぼを包み込む。頼みの綱の農薬。
祈るような表情で稲に噴きかけてゆく。
男たちは何を思って農薬をまいたのだろうか・・・。

やがて、無言のうちに農薬がまき終わった。
実際にはあっという間だったが、この時間はとても長く感じられた。
そしてしばらくぶりに、田んぼに水が注がれる。少し遅めの花水入れ。
生乾きの土に、再び水が広がってゆく。
秋の収穫を成功させるためにやるべきことはやった。
あとは稲の成長を見守ってやるしかない。
こうしてDASH村の忘れられない一日が終わっていった。

この日、撮影が終わってもみんなの表情は少し暗く、
重い雰囲気を引きずったままだった。
明雄さんも言葉少なに家へ向かった。
スタッフはいくつか仕事があったのだが、なかなか手が進まない状態。
そんな雰囲気を察したのか、いつも食欲旺盛の北登がエサを半分も残していた。
もしかすると、農薬で食欲をなくしたのかと心配したが、
スタッフが優しくなでてやると残りの半分もゆっくりと食べ始めた。
しかし、その横で八木橋はとっくにエサを食べ終わりちょっと眠そう・・・。
みなの気持ちを察し、我々をなぐさめているかのようでした。