DASH村 〜2年目のDASH米づくり〜

6月23日午後7時前。
まだ夏至の明るさ残る、今夜のDASH村です。
この間まで寒かったのに、暦の上では夏真っ只中。
季節の移り変わりに驚きを感じつつも、ふと見渡せば、
DASH村の自然や仲間たちは、ちゃんと周囲の変化に合わせて生きています。

今年からの試み、果樹園。
果たして美味しい果物は実ってくれるのでしょうか?
今年からといえば、つい先日生まれたばかりの新しい仲間。
仔ヤギたちもしっかり成長しています。
新しい仲間といえば、アイガモ隊もそう。
2年目を迎えようとしている水田で、今年も活躍が期待されます。

時は巡ってもうこんな季節、水田の準備が着々と始まっていました。
でも、2年目だからといっても、
DASH米づくりはそう簡単に行きそうもありませんでした・・・

去年、初めての試みで収穫できたDASH米。
食べるのも喜びの一つだが、また次の年のために種もみとして保管して
新たな米をつくるのも楽しみの一つ。

塩水に種もみを浸し、種もみを選別する「塩水選」という作業。
沈んだもみだけが種もみとして撒くことが出来る。
そこで選ばれたもみは、
露天風呂にたっぷり沸かされた60度の湯に10分浸される。
湯気沸き立つ露天風呂、人が入るにも相当高い温度だが・・・
もみが入った袋を上下させる明雄さん、
ジャブジャブとしている間にお湯が腕に跳ね、
明雄さん「あっち!!」
どうやら今年も、DASH米づくりは簡単に行きそうにないようだ・・・

元々ひどく荒れていたDASH村の土地、ここを田んぼに生まれ変えるため、
去年はしっかりした土づくりから始めたのだった。
だけど、今年は力のある土。
撒く肥料も、去年とは違う微調整程度の量に抑える。
とはいえ、リヤカー2台分の肥料。
今年は去年より栄養のいきわたった米が出来るのだろうか?



達也が操縦するトラクターも、去年とは少し変化をつける。
良質な土が上層部にあるため、おこす土の量を浅く設定した。
収穫してからたっぷり休息をとった土が目を覚ます。
ふっくらと耕された土ができたら、今度は水入れ。
隅々にまで水がいきわたり、今年も水田として活躍できる準備が整った。

気になるもみのほうは、10日間水の中でたっぷりと水を吸い込み、
芽を出そうとしていた。
30度ほどのぬるま湯で、一晩温めると芽や根が出てくるのだが・・・
果たして村の種もみは芽を出してくれるのか?

一日たった風呂の中。
温められた種もみはちゃんと芽が出てくれました。
順調に進むDASH米づくり。
芽が出たところでこの作業に入る。
土に水をたくさんしみこませる苗床づくり。
ここに種もみを撒いて、苗となるまで成長させる。

そういえば去年、こんなこともありました・・・
初めてのDASH米づくり、苗床に種もみを撒く城島は
たくさんの種もみを撒きすぎてしまっていた。

だれも気づいていないが、男・城島、去年の借りを返すときがやってきた。
おもむろに、そして慎重に種もみを散らす。
果たして上手く撒けたのか?
苗床を見てみると、絶妙な種もみ同士の間隔。
城島にとっての1年越しのリベンジが今、果された。

そんな、DASH米の苗もビニールハウスですくすくと成長。
2週間後には美しい緑色の苗にまで成長していた。

そういえば去年、こんなこともありました・・・
初めてのDASH米づくり、苗床の苗を触った城島は
「ニラみたいやなぁ」と表現していました。

そう、柔かかった去年の苗。
そのときは何も感じなかったが、実は少し力の弱い苗で
後に病気になってしまうという結果になってしまった。
だけど、今年の苗は少し違うようだ・・・

あえて少し少なめに撒いた種もみ、去年に比べて量は少ないが、
達也「これいいよー。しっかりしてる」
かわりにしっかりした力強い苗に成長していた。
手で触れてみても弾力のあるピンとした苗。

しかも、今年の苗は成長が早い。
長さを測ってみると、もう13.5cmにもなっていた。
ここまで育ったらいよいよ田植え。
苗がこれから米に育つ、水田へと移し変えられることになった。

田植え当日。
苗の数を少なくしたとはいえ、田植えは一日かかる大仕事。
猫の手も借りたいところだが・・・
そんな話を聞きつけてか、
金光さん初め近くに住む人たちがお手伝いに来てくれた。

去年と同様、みんなが一列になって順々に苗を水田に植えていく。
今年初めて田植えをするという留美ちゃんの指導役は、2年目の清。
清「田植えは初めてですか・・・?」
と、会話も弾みつつ、苗を順調に植えていくが・・・
清「ぬわっ!」
ほかの事に気をとられたか、
水田から足が抜けなくなりしりもちをついてしまった・・・

きれいに整列する苗、去年と同じ様にみえる水田だが、
実はもう一つ新たな試みが仕掛けられていた。
同じ品種の苗を並べるのではなく、タカネミノリとヒメノモチを交互に
植えていくことで、花粉が交配し混合される。
つまり、新しい品種のDASH米をつくるのであった。

しかし、新たな品種となると名前をつけてやらねばならない。
一体なんという名前にするのか?
城島「う〜ん・・・男米?」
達也「男米、いいんじゃん?」

新品種の名前は"男米"に決定。
果たして、去年よりも豊作になるのか?
そして、一体どんな味がするのか?
お手伝いの助けもあって、楽しい田植えも終わってしまった。
みな、一日曲げていた腰を伸ばすように空を見上げる。
すると・・・
太一「あっ!虹!」
DASH村の空には大きな虹が弧を描いている。
まるで今年の米づくりを祝うかのような、縁起のよい虹。
果たして、今年の秋には大豊作になるのだろうか?

男たちが田植えをしたころ、アイガモ隊にもなにやら動きがあった様子。
ため池で泳ぐ姿を見ると、なぜかオスばかり・・・
実は、メスたちは小屋の中で卵を懸命に温めていたのです。
「さくら」「うずら」「ハナ」、3羽は餌の時間になっても、
ひたすらに温め続けています。

そんな様子を心配になった清、
清「おなかすいてないか?大丈夫か?」
と手をかざした瞬間・・・
くちばしで清の手は振り払われてしまった。
それだけ神経が過敏になっている母ガモたち。

ところが、そんなカモたちにも異変が・・・
ソワソワして卵から離れてしまった。
戻ってきたと思いきやまたすぐいなくなる。
一体どうしてしまったのか?
卵は大丈夫なのか?

謎の母ガモの行動は、どうやらDASH村特有の気候が関係しているらしい。
4月、一度暖かくなったはずのDASH村に降りた遅霜。
作物だけではなく、それはカモたちにも影響を与えていたのだった。

カモは暖かくなるのを待って卵を温め始める。
それが急に寒さが戻ったため、卵から孵ろうとしている我が子の危険を感じ、
温めるのを止めてしまったようなのだ。

アイガモの卵を頬に当て、冷たくなっている卵に危険を感じた清。
去年同様、自ら孵化させることを決意した。
無事を祈るように卵に光をあて、命を確認する清。
血管がすけ、動くヒナも確認できた。
城島「一生懸命生まれんねんなぁ〜」
八木橋とマサヨにも子供が生まれ、
これから一層にぎやかになりそうなDASH村。
新しい命はいくつ生まれてもうれしいもの。

あわせて17個のアイガモの卵。
ちゃんと全部無事に孵ってくれるだろうか・・・?
それから5日後。
殻の中からピィピィと鳴き声が。
殻が一つ割れ始めているようだ。
清は急いで、温度と水分を保ってやるが、動きがパタリとやんでしまった・・・。

心配で寝ずにその場から離れない清。
長い夜も明け、うずらも一緒に見守っていた。
すると・・・
うずらに元気付けられたのか、1つの卵に動きが。
懸命に自らの殻を破ろうとしている。
手助けしてやりたいが、自力で生まれてくるのが自然の決まり。
清はガンバレと、言い続けるしかなかった・・・

そして、ついに1羽目誕生!
まだ湿った羽根がピタリと体にくっつき、足元もおぼつかない。
だが、成長は早いもの。
羽根が乾くのが先か、歩き回るのが先か、見ていて飽きないかわいいヒナ。
孵ったばかりのヒナを見つめる留美ちゃんにも、
興味を持ち始めている様子。



次々と孵ったヒナは全部で14羽。
みなピィピィと大合唱で、ふ卵箱はちょっと大騒ぎ。
でも残りあと3個、無事に孵ってくれるのだろうか?

その夕方、生まれた14羽は一足お先にお引越し。
これからは育すう箱で大きくなるまで育ちます。
達也「ついて来い!」
どうやら、新しいアイガモ隊の先頭に立って
育すう箱まで誘導したいようだが・・・
無邪気なヒナたちは自由に散らばってしまった。
結局、手で抱いてのお引越し。

元気なヒナたちはみんな仲良く育っている。
でも気になるのは残りの卵。
2個はその日の夜に無事生まれてくれたのだが・・・
最後の1個がなかなか生まれない。
ひと時も目が離せない新しい命。

3日後、ついに殻がわれ始めた!
先に孵っていた2羽もその様子に気づいたのか、卵をつつき始めた。
われ始めから実に3時間、生まれてきたのは黒い羽根の小さなヒナ。
周りのヒナに比べてまだ少し小さいけれど、元気いっぱいで一安心。

古民家の前では清と明雄さんが、ヒナのエサやりと水慣らし。
最後に生まれた黒いヒナ、清が名づけた「くろすけ」も一生懸命遊んでいます。
小さなヒナたちは所狭しとにぎやかに水を浴びている。
親ガモたちも、新たに生んだ卵を温め始め、
これからもまだまだにぎやかになりそうなDASH村です。



そんなDASH村、今夜も夕食のひと時。
時は少しずつ進み、季節は変わりつつも、いつもと変わらぬ食卓の団欒。
まだ夏本番は少し先のDASH村、暑くなる夏が待ち遠しいばかりです。

17番目に生まれた、黒い羽根が特徴的な「くろすけ」。
この名前は清が名づけたものだが、いくつかの候補の中から選んで
つけたものらしい。
黒く小さいから「ゴマ」にしようかとか、
それとも見た目がカラスのようだったので、
カラスに詳しかった清の友人の名前からいただこうかとか、
ここはカッコよく「ブラック」というのはどうかとか、
結構悩んだ末に決めたものらしい。
 
恐竜を発掘できるか!? 〜入魂のクリーニング〜

5月31日(発掘開始から212日目)をもって、川での発掘は終了した。
200日を越える作業で掘り出された岩盤は、土嚢1500袋分!
これから、そのひとつひとつを細かく砕いて調査することに。

-発掘開始から213日目-
土嚢1500袋分の岩盤は、出土した地点ごとに4種類に分けられている。
第1プールの「歯が発掘された付近の岩盤」と「背骨・尻尾が発掘された付近の岩盤」、
第2プールの「後足・骨盤・腰骨が発掘された付近の岩盤」、
第3プールの「肋骨が発掘された付近の岩盤」 である。
これだけあれば、必ずどこかに骨は眠っているはず。
隊員たちの悲願である、首長竜の頭骨は発見できるか!?

-216日目-
大量の岩盤をチェックする作業が、いよいよスタート。
まずは岩上隊員が、平べったい化石を発見!
鈴木先生や高橋先生を交え、慎重に断面を調べてみると、骨化石特有の組織が確認できた。
さらに入念なクリーニングを行った結果、首長竜の幼体の背骨であることが判明した。


川での発掘作業において、太一にやや後れを取っていた城島も、ここで挽回しようと、黙々と岩盤を割り続ける。
やがて、本部に大声が響いた。「これ何や!?・・・骨だー!」。
ひと目で「骨」と分かる白い物体が、岩盤の断面に顔を出している。
駆け寄った鈴木先生も、「ウワー、スゴイなぁ…」と称賛。
クリーニングの結果、首長竜の背骨であることが分かった。
元の岩盤は、首長竜の歯が出土した地点の近くで掘り出された物。
もしこの背骨が首に近い部分だとすれば、頭の骨にたどり着くのも、遠くはないはず!
隊員たちの期待はいよいよ膨らみ、作業のピッチが一段と上がる。

すると今度は、金子隊員がモササウルスの歯の化石を発見した。
『海のオオトカゲ』と呼ばれるモササウルスの化石は、これが4点目となる。

-220日目-
作業を開始してまもなく、本部に橋本隊員の悲痛な声が響いた。
「アー! バラバラになっちゃった…」。
ハンマーで岩盤を割ったところ、中に含まれていた化石まで砕いてしまったのだ。
幸いにも、復元が不可能になるほどではなかったため、接着剤を使って、破片を繋ぎ合わせることに。
その結果、首長竜の指骨であると判明した。

このように、連日続くクリーニング作業。
まだ全体の6分の1しか終わってないにもかかわらず、次々と化石が出てくる。
首長竜の骨は、一体どれだけ眠っているのか!?
そして、全身の骨をすべて見つけ出すことはできるのか・・・

216日目に、首長竜の幼体(子供)の化石を発見した岩上隊員〔ミキ姉〕。
成体(おとな)の骨に比べて、幼体の骨は小さくもろいので、岩の中から見つけ出すのは難しい。
にもかかわらずミキ姉は、175日目にも、幼体の背骨を発見していたのだ。
学生時代に、博物館で恐竜の親子の標本を見て、感銘を受けた(隊員日記90日目参照)という彼女。
相次ぐ発見は、母性本能のなせる技なのか。

残りの岩盤は、土嚢1300袋以上。
今度は、どんな発見と驚きが待ち受けているのだろうか。