DASH村産手打ちそばは作れるか?
DASH村はもう冬の気配。草木にも霜が降りる日もそう珍しくなくなってきた。

その寒空に向かって煙が立ち上る古民家では、城島が気合を込めて何やら奮闘中。
城島「今年こそおいしいそばを打ったるでぇ!」
大のそば好きの城島にとって、2年目のそば打ち。
城島の挑戦は、今年の5月から始まっていた。

上質のそばの実が収穫できることを願い、去年収穫したそばの実を畑に蒔く男達。
そして、そば打ちには欠かせないものを男達はもう一つ作っていた。
それは今年の春、轟音と共に壊れてしまった水車。
修復も済み城島はこの水車こそ、そば打ちには欠かせないものと決めていた。
城島は一体、水車を何に使うのか?

城島「くぅあ〜!!くぅあ〜!!」
村中に響き渡る甲高い声。
畑仕事中の太一や明雄さんが声のもとへと駆けつける。


太一「どうした、リーダー!」
城島「お、重いねん・・・」
台車を引っ張る城島。そこには、石で出来た大きな挽き臼が乗っている。
実はこの挽き臼は御近所で昔、そばの実を挽くのに使っていたのを譲り受けてきたのだ。
そう、この挽き臼を水車の力を借りて動かせれば、きっと上質のそば粉が出来るに違いない、と考えたのである。

そばの白い花が畑の一面を覆う8月。
その花の咲き具合を見た城島、意を決してあるところへと向かった。

埼玉県にある、そば屋「ほそ川」。
ご主人の細川貴志さんはこの道13年のそば打ち職人。
自分の手でそばを栽培するほど、そばにはうるさい職人気質。
その、そば打ち名人に是非腕を教えて欲しい、と城島はやってきたのである。

城島「ご主人、実は昨年村で獲れたそばの実を持ってきたのですが、見ていただけますか?」
袋に包まれたそばの実を、丹念に見ていくご主人。
主人「うん、実はいいよね」
なんとか名人のお墨付きをいただいたDASH村のそばの実。

城島「その実を石臼で挽いたそば粉も持って参りまして・・・」
と、そば粉を取り出す城島。
主人「うーん、これじゃあ十割(そば粉のみで作るそば)じゃ繋がらないなあ」
城島「えっ!繋がらない・・・」
ご主人は店で使っているそば粉を見せてくれた。

片手でぎゅっと握り締めるご主人。
主人「ほら、指紋がつくほど固まるでしょう」
城島も店のそば粉と村のそば粉を握って比べてみる。

城島「あ、ほんまや。全然違いますわ。村の粉はサラサラしてる・・・」
主人「村のそば粉だと、つなぎを入れないとそばにはならないな」

もともとそば粉はつながりが悪い粉。
そこで小麦やフノリなどの「つなぎ」を入れることで、おいしいそばが出来る。
つなぎが肝心であると分かった城島。
早速ご主人の指導のもと、そば打ち修行は始まった。
果たして城島の修行の成果はいかなるものなのか?


一方、村では男達の威勢のいい掛け声がこだましていた。
太一「よーし!完成だ!」

男たちが作っていたのは「歯車」。
水のカを利用してエネルギーを生む水車。その力を伝えるのに必要なのが歯車である。
つまり、水車の軸と挽き臼に歯車を取り付けることで、
水車が回ると挽き臼も回るという仕掛けだ。
このカラクリを入念に取り付ける男達。

そばの実も育ち始めた9月。
城島「そば!そば!そば!!」
逸る気持ちを抑えきれない城島、実り始めたそばの実を確認。
城島「・・・よぉし!異常なし!」
そばの実も上質に実った様子。

そして、水車の方も完成間近。
水車小屋を作るのに必要な古材を探しに出た城島と達也。
多くの古材にまぎれて一際目立つ大きな樽。
直径1m、高さ1.5mにもなるこの樽も、村の御近所から頂いたもの。
昔、自家製の味噌を作る際に使用していたものだという。


明雄「こんな樽をなぁんに使うだぁ?」
不思議そうに樽に手をかける明雄さん。

すると・・・「ボキ!!」
明雄「あぁんれまぁー!!」
樽の上部を破損してしまった明雄さん。

しかし、達也にはこれを樽としてではなく、別の利用目的を持っていた。
樽の底30cmほどを残しノコギリで切っていく達也。
これで一体何を作ろうとしているのか?

一方、小屋も建具や壁を取り付けていく。
そこへ、先程達也が加工していた樽を持ってくる。
たらいのようになった樽を挽き臼の下に置いて完成!
実はこの樽、臼で挽いた粉を受け止める為の「たらい」だったのである。
こうして、水車小屋の内部は完成!

続いてそば畑へ向かう男達。いよいよ収穫である。
鎌を手にそばを刈り取っていく男達。
城島「実を落とさんよう気をつけてやー!」
手塩をかけて育ててきたそばの実、「一粒でも多く収穫したい」と慎重にそばの実を刈り取る。

収穫したそばの実は、唐箕にかけてゴミを飛ばす。
達也「今年もそばが食べられるね!」
長瀬「おいしいそばを食べようよ!」
収穫したそばがおいしくなるか否か、すべては水車の挽き臼と城島の腕にかかっていた。

まずは、水車の挽き臼でそばの実を粉にする。
いよいよ水車が動く時が来た!畑の上に位置する池の水門を開き、水路に水を通して水車を回す。その水門を開けるときがやってきた!
太一「水門を開けるよ!!」

溢れ出る水は順調に水路を流れ伝って水車のところへ達した。
果たして無事水車は回るのか?そして、挽き臼は回るのか?


男たちが見守る中、ゆっくりと水車は回り始めた。
そして、歯車を経由して挽き臼にも動力は伝わり、ゆっくり回り始めた。
城島「回った!回った!」
達也「すげー!!」
回る水車、動く挽き臼。その様子に感動する男達。
丸くて固いそばの実は、小さな粉となって挽き臼からたらいの上に落ちる。

この粉を使って、いよいよ城島の「究極のそば打ち」が始まる!!

 
  今回そば打ち修行のロケでお世話になった「ほそ川」のご主人、細川貴志さん。
そばの本場信州と北海道、そして自家農園のそば粉を使った、こだわりのそばは絶品である。

そして、頑固親父の腕もやはり絶品!
城島もその技を学ぼうとロケ自体忘れるほど必死になっていた。

そしてロケが終わり、帰り際の城島にご主人は一言、
「おいしいそばを食べてもらいたいという気持ちを込めて打つ。そしたら自ずとおいしいそばは出来る」

技術はともかく、真心がそばをおいしくするということを教えてくれたご主人。
名人から頂いたその言葉の重みを深く感じ取った城島であった。

 
ソーラーカー 日本一周ひとふで書きで走れるか?
太陽に見守られ、遂に走り出したソーラーカー。
この車で太陽が出続ける限り、そして道が続く限りどこまでも走り続けたい・・・
そこで挑戦!ソーラーカー日本一周 ひとふで書きで走れるか?

初日。雲一つ無い快晴の元、長旅に備え充電するソーラーカー。
そして、充電もフルになった午後0時、東京都中央区晴海ふ頭からいよいよスタート!
運転席に達也、助手席に松岡を乗せ日本一周の旅が切って落とされた!
達也「この車すっげースピード出るよ!」
快調な走りを見せる愛車に驚く二人。

スタートから30分。
達也「あーっ!おかしなことになっていますよ!」
前を見ると急な上り坂になっている橋。電気を最も食ってしまう道である。
松岡「おわー!上れねーんじゃ・・・」
早くも不安が二人を襲う。

しかし、天候も良かったこともあり難なく乗り越えた!
達也「おーいいねえ!」
橋を上り切ると、目の前には海が広がっていた。
その海沿いに走る道をひたすら東へと突き進む!


スタートから1時間。いよいよ千葉県に突入!
快調に海沿いの工業地帯を走るソーラーカー。
しかし、なかなか先に進めない事態に陥っていた。

達也「あれ?行き止まりだ・・・」
目の前に高く壁のようにそびえる防波堤。
工業地帯にはこのような高波を防ぐ防波堤が至る所に立っており、
行き止まりの道が多数存在するのである。

このため走っては引き返し、また進んでは逆戻りの繰り返しで、
距離は伸ばせても先にはなかなか進めない事態を引き起こしていたのだ。
達也「仕方ないねー。大きい道に出ようか」
業を煮やした達也、工業地帯を避け国道に迂回することに。

国道を走っていると、先ほどはあまり見えなかった海が視界に飛び込んできた。
そしてもう一つ、二人の目に飛び込んできた風景があった。
それが・・・


松岡「なんだよ!渋滞じゃん!」
またまた先に進めなくなってしまったソーラーカー。
しかも国道に並行するように走る高速道路が、元気の源・太陽光を遮っている。
達也「よろしくない日陰ですね・・・」

ふと充電メーターを見ると、残量はすでに4分の1程度しか残っていない。
頭を抱え込む達也と松岡。

達也「あ、抜け道だ!」
ちょうど発見した抜け道を迂回すると、そこは「日の当たる道」。

そして・・・
達也「おお!急に生き返った!」
太陽のおかげで充電できスピードが出始めた。二人の表情にも安堵の色。


スタートから4時間。走行距離は70キロを越えた。
太陽が西へと傾き、スピードも少々減速気味。
次々と後続の車に抜かれるソーラーカー。少しでも先に進めたい。

「進めー!進めー!」
車に乗ったまま上半身を前へ乗り出すように動かす。
すると、反動とその願いが通じたのか、突然スピードを上げるソーラーカー。

だが・・・
「ガクンガクン!!」
縁石に乗り上げてしまい、ついに止まってしまった・・・。

太陽も沈み、今日はこれ以上前へ進むことは出来ない。
他の車に迷惑にならないよう、近くの駐車場に車を入れる二人。
千葉市美浜区新港。初日の移動距離は86km。


ひとふで書き二日目。
今日も太陽が地上に光をもたらしていた。
達也「今日はちゃんと海岸を走りたいよね」

海の見える方向へとハンドルを切る達也。
しかし、向かう方向の天候が次第に崩れていった。
やがて空一面に灰色の雨雲が立ち込め、太陽の光は完全に遮られてしまった。

達也「ああ、雨降ってきたな」
二人の表情に不安の色が濃くなる。
そこで、少しでも距離を伸ばすため、海沿いの道を離れ直線の多い国道を進むことに。

スタートから3時間が経過。
思うように先に進めずイライラしていた二人に、一筋の光が差し込む。
松岡「お!日が出てきたよ!」

太陽光を浴びたソーラーパネルが久々に命を吹き返す。
そして国道を外れ、海沿いを走る道に出る。


達也「このまま海沿いの道をなぞって行きたいんだよね」
と言っていたのも束の間、ソーラーカーはどんどん海から離れていく。
そして、周り一面ススキの穂がうっそうと茂る悪路に迷い込んでしまった。
達也「これどこ走ってるんだ?」
松岡「大丈夫かよ?」
完全に道に迷ってしまった二人。
予想以上の悪路にガクガクしながら、大通りを求めてススキの中をさ迷う。

すると、スタートから4時間経って、ようやく大通りへ抜けることができた。
達也「絶好調だね!」

日は傾いたものの快調に走るソーラーカー!
すると、ノリノリの2人に水を差すように、ディレクターが口を挟む。


ディレクター「け、煙が出てきた・・・」
「何だよ、せっかく調子が上がってきたのに・・・」
と渋々振り向く2人。すると2人の目に驚愕の事実が飛び込んできた!!

松岡「うっそぉ!!」
達也「電源切るよ!!電源!」
何と!車に積んでいたバッテリーから濛々と煙が吹き出ていたのである!!
これは一体何が起きたのか?

車を降り、恐る恐るバッテリーを覆うケースを外してみる。
すると、バッテリーから温泉のように勢いよく煙が吹き出していた。

原因は、先程走った悪路がバッテリーに無理な振動を与えた為、
電極がショートし、さらにその熱でバッテリー液が沸騰してしまったのである。

「これ以上の走行は無理」と判断した2人は、近くの空き地まで手押しで進み、
2日目の走行は木更津市潮見、走行距離58kmで終了。


早速、修理に取り掛かる達也。
ショートしたバッテリーを取り替え、さらに衝撃を防ぐように
バッテリーの底に緩衝材を敷く。その作業は夜を徹して行われた。

ひとふで書き3日目。
昨日の疲れもあってか、運転席で仮眠を取る達也。
すると、そこへ・・・

「ドン!」
勢いよく助手席のドアが開く。どうやら松岡が来た様子。
達也「松岡遅いよー、何やってた・・・」

振り向くと、そこにいたのは松岡ではなく、
「何か大変やって言うから、心配して見にきたんや」
なんと、そこにいたのは城島だった!

3日目のドライバーは「前に走ったから大丈夫!」と息巻く城島に決定。
果たして、大丈夫か!?

走行結果
1日目 晴海ふ頭〜千葉市美浜区新港  走行距離86km
2日目 千葉市〜木更津市潮見     走行距離58km

走行距離合計144km

 
遂に「ひとふで書きで日本一周」という途方も無いチャレンジをスタートさせたソーラーカー。
いつゴールできるか分からないこのチャレンジに向けて、
準備も万全でなければならない、と担当ADはソーラーカー作りの時に
お世話になった、山本悌二郎博士に連絡を取りました。

「あ〜、そういう場合はね、バッテリー液を・・・」
とADの投げかける質問にビッシビシ答える悌二郎博士。

「なるほど〜」と一語一句漏らさずメモを取るAD。
そして、粗方質問を終え、お礼を言って電話を切ろうとしたその時でした!

悌二郎「あのね〜、下りの時はなるべくアクセルを離して惰性で・・・」
AD「あっ、ハイ!分かりました!」
悌二郎「あとね〜、上手にシフトをチェンジしてあげないと・・・」
AD「えぇ、それもバッチリです!」
悌二郎「それとね〜、あんまりデコボコした道だと・・・」
AD「は、はい・・・」
悌二郎「最後にね〜、こまめに充電・・・」
AD「・・・はぁ」
悌二郎「じゃあ、そういう訳で・・・あっ!もう一つ思い出した!ハンドルをガッと切ると・・・」
AD「…」

そんなこんなで約2時間ほど、ありがたいご教授を頂いたそうです。
山本博士、貴重なご意見本当にありがとうございました。
でも、今度はなるべく短めにお願いします・・・。