そのころ達也・田中はスポーツの動きについて詳しく話しをうかがっていた。
たくさんの筋で全体がつながっている人間の体。
どこかを引っ張ればどこかが縮むので、顔の歪みなどから胴体の動きが予測できるという。
先生の指導のもと顔から読み取れる体勢は、上半身を斜め前に傾けて首だけ後ろを向いているようなかなりムリのある体勢。
田中「ここまでわかるんですか!?」
具体的な体勢もわかってきたが、こんなムリな体勢の銅像はあるのだろうか?

達也・田中ペアが考えたのは格闘技系のスポーツではないかという推理。
たしかに前かがみの体勢が、なにかの構えのように見える。
ボクシングか、はたまたレスリングか?
そこで、イメージに近いプロレスではないかと予想し、さっそく新日本プロレスの練習場へと向かう。
プロレスといえば戦後最大の娯楽であり、数多くの英雄が存在する競技。
ならば銅像が作られた人物もいるに違いない。

新日本プロレスの練習場につくと、さっそくリングの上でコーチに話をうかがう。
コーチ「耳が潰れてますね!」
耳の形が変わってしまう格闘技にはつき物のこの特徴。
だが、プロレスとなると相手がいてこその競技。
銅像を作るならば相手も一緒にいなければおかしい。
それは実際に技をかけられた田中を見れば一目瞭然、必ず相手の手や腕が顔の付近にあるはずなのである。