さらに受刑者も、毎日ほとんどの時間を犬たちと過ごすことで、その姿や愛らしさから様々なことを学ぶことができる。
大きな罪をおかし、刑務所で多くの時間を過ごすことになってしまった受刑者たちにとって、犬たちは癒しでありまた友人にもなっていくのだ。

ここサンフランシスコでは年間8000匹の動物が愛護センターによって保護されているという。センターには、迷子になった犬、捨て犬、そして虐待を受けた犬などその多くが人間の暖かさを受けられなかった犬が保護されており、傷ついた犬がすぐに治療出来る医療設備も整えられている。
日本では考えられない保護してからの十分なケア、充実した設備に、日本で犬を飼うひとりの飼い主として驚く達也であった。

そして、達也はいよいよプリズンドッグ・プロジェクトを行っている場所へ。
すなわちそこは刑務所の中。高い壁に四方を遮られた威圧感のある空間に入り、犬の訓練が行われている消防訓練所の敷地内で彼らを待つことに。
しばらくするとやってきたのは、脇に犬を従えた屈強な男たち。しかし、世話している犬に満面の笑みでスキンシップを楽しむ顔は、罪を犯した者とは思えない。