犬の先進国であるアメリカ。
そこにはたくさんの犬がいて、あらゆる形で人と密接なつながりを持っている。
フロリダの空港ではその特性から職業犬として働く優秀な犬・エアポートドッグ。彼の役割は水辺に囲まれたこの空港で雁やムクドリなどの鳥がジェット機に吸い込まれたり、機体を傷つけたりしないように追い払う事。事実このようにしてから事故報告は圧倒的に減少した。

他にも、人々を楽しませるエンタティンメント犬・ハイジャンプ犬。
ギネスブックにも公認の世界一高く飛ぶ犬。その高さはなんと172センチメートル。
驚くことにこの国では、セラピードックやエンタティンメント犬をはじめ社会に貢献する犬には、勿論ひとにぎりではあるが、国内を移動する飛行機に乗る際はケージではなく座席に座れるといった特権が与えられているものもいる。

そんな驚くべき犬文化を持ったアメリカ・カリフォルニアに降り立ったのは、達也。その目的は、フェイスという名の前足のない、2本足で立って歩く子犬を尋ねるため!
しかし達也が最初に見た犬は・・・
上手にスケボーを乗りこなすスケボー犬。
達也「すっげぇ・・・」
あまりの驚きにつぶやくように言葉を発した達也。早くも、見慣れぬアメリカの犬文化に触れるのだった。

そして、車を走らせた達也は、フェイスの待つホテルへ。
そこで、ついにフェイスと対面することに!!
達也「2足で歩いてる・・・」
その歩き方に驚きを隠せない達也。しかし、念願のフェイスに会えたことでうれしそう。そして、その気持ちが通じたのか、フェイスも心なしか上機嫌。

達也「もう慣れたかな?」
フェイスも顔をなめるほど達也のことを気に入った様子。
しかし、今でこそ人懐っこく明るいフェイスだが、前足がないことで苦労したことがあった。それは産まれてすぐのこと、産まれた時から前足がなかったフェイスは、他の死んでしまった子犬同様処分されそうになった。
だが、「この子犬を育てたい」と思い、友人の家から持ち帰りフェイスを救ったのが、今の家の長男・リューベン君。家族の献身的な育て方をきっかけに、現在では元気に動き回れるようになったフェイス。

そんな家族と一緒に暮らす生活とは別に、フェイスは、全米を飛び回る多忙な日々を送っている。
それは、兵士たちのいる基地を訊ねては勇気や笑顔を与え、病気や怪我によって心を閉ざしてしまった子供たちを訪ねては、希望を与え励ますといったこと。今回、小児病棟に訪問するフェイスに同行した達也が見たのは、子供たちの笑顔。
それは、フェイスがもたらした微笑だった。
だが、ここにフェイスが元気でいられるのも、生きようと頑張るフェイスとフェイスの家族の優しさがあっておきたこと。
それを見た達也は、人と犬の共存の輪は更に広がっていくに違いないと思うのだった。