その為には、古の作物マコモから作られる染料が欠かせない。
今では貴重となったそのマコモを探し、安部が向かったのは千葉県利根川流域の田園地帯。
菌類を研究専門とする、柿島教授にアドバイスを請う。
柿島教授「秋になると茎が膨れてマコモタケ」
植物名はイネ科のマコモ。

秋口になると、根元の茎部分に変化が見られると言う。
膨らんできて黒い胞子が出来ると、それがマコモズミだという。
マコモズミの正体は植物寄生菌の一種、黒穂菌(くろぼきん)。
春先、もともとマコモの地下茎に存在する黒穂菌が地上部の茎に侵入し、増殖し細胞を刺激する事で、茎が膨らむ。
黒穂菌が胞子となり結合し、黒く変色したものがマコモズミ。
マコモは、根茎で広がるので株分けすれば、育つ。
この根張りの強さと高い背丈がマコモの特徴の1つ。
しめて40株、採取させて頂き、村へと持ち帰った。

栽培場所は田植えを終えた田んぼの南側、元レンコン池のぬかるんだ土壌を利用して、植えてみる事に。
生育旺盛なマコモは株間を1mほど確保して植える。
マコモの栽培ポイントは田んぼ同様、水温管理。
黒穂菌の活動が活発となる15〜25℃が目安となる。
夏場で30℃以上、冬場の10℃以下では生長が止まってしまう。