そんな恵まれた自然条件に加え、人が考え出した便利な技術。
アーム全体が大きなチェーンソーのような状態で、
細く深い溝として土をより柔らかく耕す、耕作機械。
守口大根はじめ、これからの時季は、ゴボウなどにとっての秘密兵器。
耕した後は、城島の二の腕まで軽く入って埋もれてしまうほど。

礼斗はトレンチャーの操作を教わりながらの手伝い。
均質に耕し、真っ直ぐ溝を付けていくのが、意外に難しい。
さらに、やわらかい土の上にバラツキなく、種がまける道具。
6cmごとに種をまく跡を付けられる。
それは三輪車の前輪で作った、田中さん自身のアイデア。
経験から生まれる知恵。
こうして土に触れる作業は、なかなかやめられなかった。

仕上げたウネに、今の時季まくのは、ゴボウの種。
村での作業のつもりで、夏の実りを思いつつ、ひとウネずつ担当。
と、田中さんの作業の早さに感嘆。それでも
田中さん「42年やっとるけど、まだ勉強中」
農業は、同じ技と知恵を積み重ね、変化する環境に挑むもの。
10年余り、技と知恵を重ねてきた村づくり。
学ぶことはまだまだ。