さらに、おろし金擦子(ツアーズ)で生地を削って作る麺。
擦り麺“炒擦蝌蚪(チョウツアーカドウ)"は主に炒めて調理する。
続いて、中国北部特産のイネ科の穀物・高粱(コーリャン)を原料にした麺。
コシとなるグルテンを含まない、柔らかい麺生地が特徴。
それを、握り潰すように指の間から出し、そのまま湯の中へ。
長瀬「絶対悪ふざけから生まれたんだろうな」
ではなく、生地を無駄にしないようにと生まれた。
この“粉条握溜溜(フェンティヤオウオリュウリュウ)"は、手で握ることで、不揃いな形の麺が作れ、様々な食感が楽しめる名物麺。

では、全ての麺料理が出揃い、味わってみる。
まずは、擦って作った短い麺を炒めた“炒擦蝌蚪"。
長瀬「コシも歯ごたえもあって、洋風な感じ」
続いて、握った高粱の麺を春雨と和えた“粉条握溜溜(フェンティヤオウオリュウリュウ)"。
長瀬「小麦粉の麺よりも粘り気がある感じかな」
最後に、押し出して作った細長い麺“麻辣河漏面(マーラーホーラオミェン)"は ピリ辛。
長瀬「うん、うまい。どれも食感が違って楽しめる」
ここ中国で生まれた製麺技術は大きく分けて、
手で伸ばす“手延べ麺"、包丁などで切る“切り麺"、道具で押し出す“押し出し麺"の3つの製法に分類される。
その製麺技術は、次第にアジア各地へと広がり、その後、韓国へも伝わった。

朝鮮半島で生まれた“冷麺(ネンミョン)"は、粘り気の少ない蕎麦を麺にするため、押し出し式の製麺法が根付くこととなり、押し出された細く長い麺は、そのコシを楽しむために、昔から冷たいまま食べることを好まれたという。
そんな伝統あらばと、太一は本場の冷麺を探してソウル市内の京東市場(キョンドンシジャン)。
と、おもむろに店主から差し出されたのは、体にも良いという葛の根のジュース“葛汁"。
太一「(一口飲んで)根っこだね、根っこ」
味は強烈だが、これが冷麺の原料にもなると聞き、葛の冷麺“葛冷麺(チンネンミョン)"が食べられる数少ない専門店へ。