2014年7月20日 放送内容DASH海岸 ~海の日スペシャル!!~

本格的な夏が近づき、日に日に暑さが増す、横浜 DASH海岸。
この日、男たちが海岸の浅瀬に石を積んで作ったのは、
生き物たちの棲みかとなる、「根」と呼ばれるもの。
来てほしいと願うのは、石の隙間など狭い所を好むウナギ。
先日、多摩川でも捕まえた二ホンウナギは、
達也「絶滅危惧種になったってニュースで…」
かつては、川にも海にもたくさんいた江戸前の代名詞だが、
ここ数年、その数が激減し、絶滅危惧種に指定された
原因のひとつは、棲みかが無いということ。
木村さん「海に棲みかが無くなっている。その棲みかを作ることは重要」
「根」は、ウナギだけでなく、様々な生き物の棲みかとなり、
そこに好んで棲みつくのが「根魚」と呼ばれる魚たち。
木村さん「東京湾海底には、根がけっこうあるんですよ」
根には、その形や棲みつく生き物に由来した名前が付けられることが多く、
国が発行する地図にも、カサゴ根、ボッチョ根、蛸(たこ)根など名前が。
そこで、この日作った根にも名前を付けることに。
達也「ちょっと魚が来た方が良いから、『ちょっと根』」
この『ちょっと根』にウナギは棲みついてくれるのか?
水中カメラを備えた海猿アヒルカメラマンを設置し、ウォッチング開始。
設置2日後には、マハゼ、チチブが、4日後にはシマイサキの群れが。
城島「岩の隙間に入っていった。隠れ家が定着したな」
そして、設置5日後には、見慣れない細い魚の影が。もしや、これは…
城島「シラスウナギ(赤ちゃん)の次の段階のクロコ(子供)?」
水中カメラの映像では、その正体が分からない。
そこで、『ちょっと根』の周りに仕掛けたのは、小型定置網。
定置網とは、壁があると壁に沿って泳ぐ魚の習性を利用した漁法。
翌日、網を引き上げてみると、代表的な根魚のメバルが。
根と同化する保護色の茶色の体と、大きな目が特徴。。
達也「これだけいるんですね、『ちょっと根』についた生き物」
城島「ウナギはいないのか…」
と、思った矢先、水中カメラに映っていた細い魚を発見!
しかし、どうやらそれはウナギではなく…
木村さん「スゴイですよ!大発見!」
木村さんが大興奮!そのわけは…?
木村さん「タツノオトシゴの仲間で、ガンテンイシヨウジという魚です」
伊豆半島以南の海でしか発見されていない魚。つまり、東京湾初記録!
城島「スゴイ!『ちょっと根』で大発見!」
念願のウナギとはいなかったが、根の周りには沢山の生き物がやって来た。
そんな根に棲む魚には、面白い特徴があるという。
木村さん「浅い根にいる魚は茶色や黒が多いが、深い根にいる魚は赤い」
深い場所だと、赤い色が黒く見え、保護色になるためだという。
その深い海に棲む根魚の中には、
木村さん「最高の高級魚が東京湾にもいます」
それは、「赤いダイヤモンド」とも呼ばれる、のどぐろ。
城島「のどぐろがいるんですか!?」
正式名はアカムツ。その名の通りノドが黒いから、のどぐろと呼ばれる。
日本海側が有名で、ツアーも組まれるほど大人気の高級魚。
そんな「赤いダイヤ」が東京湾にもいるらしい!さらに、
木村さん「東京湾だと変わったエサを使うんです」
そのエサを求めて向かったのは、達也の生まれ故郷の埼玉県にある熊谷市。
一面に広がる田んぼで狙うのは、なんとドジョウ。
ドジョウは、海釣りの餌として使われることが多い。
そんなドジョウ取りの名人が、埼玉中央漁協の木暮さん。
木暮さんは、ドジョウだけではなく、巨大ウナギもとらえる凄腕の川漁師。
ドジョウのいるポイントは、田んぼの間にある用水路。
木暮さん「田んぼからドジョウが落ちてくる」
田んぼや用水路の水質が改善され、沢山の生き物が戻ってきているという。
ドジョウを捕まえるのに使うのは、DASH海岸でも使った定置網。
木暮さん「川では、俗に地獄網という」
海では、網の入り口を大きく開くことで、多くの生き物が入ってくるように
仕掛けたが、川の用水路では、人の肩幅程と比較的狭く広げる。
これは、用水路に棲むドジョウなどは狭い場所を好み、細い場所を隠れ家に
する習性があるため。
一週間前に仕掛けたという網を引き上げてみると、
達也「アメリカザリガニ!凄いいっぱいいる!」
その数、なんと17匹!
木暮さん「大きいザリガニだと高く売れますよ」
中華料理やフランス料理では高級食材のザリガニ。
さらに網には、クチボソ(正式名はモツゴ)もかかっていたが、肝心の、
木村さん「ドジョウが入ってないですね」
木暮さん「上流と下流で生き物が違うんです」
水深や水流、さらに泥の状態で、網にかかる生き物が違うという。
そこで、50m下流のポイントに仕掛けた網を引き上げてみると、
達也「デカい!ナマズ!」
しかし、ここにもドジョウの姿が見当たらず。
木暮さん「ナマズが入ると、皆食べられちゃう」
そこで、別の用水路に仕掛けていたもう一つの網を引き上げると、
達也「あ!これはドジョウ!…可愛くないほど入ってるな」
水槽から溢れるほどのマドジョウが!
木暮さん「春先になると、網の半分はドジョウが入ってる」
大量に捕れたドジョウは、観賞魚のエサに使われる。
中には、なんと20cmオーバーの巨大ドジョウの姿も!
達也「これドジョウ!?」
のどぐろのエサには大きすぎるということで、10cm程のドジョウを頂き、
達也「これで、のどぐろだ!」
新鮮なドジョウを持って向かったのは、横浜市金沢区。
お世話になるのは、のどぐろを狙って25年の「新修丸」船長の新明さん。
研究を重ね、ドジョウでノドグロを獲る事を考案した、のどぐろ名人!
早速、捕まえてきたドジョウを見て頂くと、
新明さん「良いドジョウですね。俗にいうコマド。小さすぎず、大きすぎず」
早速、ポイントに向けて出航!
達也「船長、右足だけで操船してるよ!」
舵から手を離し、操舵室から顔を出し、足でハンドル操縦!そのわけは、
神明さん「ゴミや流木が浮いてるでしょ?船に当たると壊れる」
40分後、船長おすすめののどぐろポイントに到着。
新明さん「ここにのどぐろの根があります」
3匹のドジョウを針に付け、海へ投入!
水深100m付近の根に向かって急降下させ、オモリが海底に着いたら、
魚を誘うように竿を動かす。
この日、最初のあたりは、城島!
城島「幻ののどぐろ!」
と思われたが、釣れたのは、ドンコ。
昔は、外道として捨てられていたが、近年その美味しさから大人気に。
東北では、肝と煮込んだ「ドンコ汁」が有名。
せっかく釣れたのだからと、船長が漁師飯をふるまってくれた。
身と肝を包丁で叩き、ショウガ、ネギ、大葉、味噌を混ぜ、
コショウをかけたら、ドンコのなめろうの完成!
城島「美味しい!肝が濃厚!」
しかし、狙いは、あくまで最高級根魚のどぐろ。
すると、船長の新名さんの竿にかかったのは、
新明さん「ダイナンアナゴです」
ドジョウに食い付いたのは、ダイナンアナゴ(別名・クロアナゴ)の子供。
あと10年スクスク育てば、達也が東京湾の入口、千葉県館山沖で出会った、
体長1m以上の大きさになる。
一方、達也の竿にも大きなあたりが。なんと、3つの針すべてに魚が!
達也「ドジョウすげえ!」
まずは、赤い体が特徴のユメカサゴ。1キロ3000円の高級魚!
一緒に釣れた白い魚は、シロムツ。
アカムツ(のどぐろ)と共に濃厚で上質な脂身を持って美味しいが、
その味はのどぐろには、到底及ばないという。
そんなのどぐろを待ち望んでいると、城島の竿に当たりが!そして!
城島「幻ののどぐろ!」
念願の「赤いダイヤ」をゲット!
やや小ぶりなサイズだが、それでも4~500円は下らない、最高級魚!
城島「東京湾ってすごい!」
達也「特別な場所だよね、日本の中でもね」
その後も、木村さん、新名さんがそれぞれ釣り上げ、結果、3匹ののどぐろ、
2匹のユメカサゴ、5匹のシロムツという結果に。
いずれも身が柔らかいため、調理するには腕が必要とされる魚。
そこで、お呼びしたのは、中華料理屋「海龍」で腕をふるう、
料理人の石田健次さん。
中華の腕はもちろん、自ら獲った新鮮な魚料理は絶品と大評判。
早速、その腕前を披露して頂く。
まず、うろこを落とし、三枚におろす。
別名「白身のトロ」とも呼ばれるのどぐろの脂はマグロよりも多い。
そんな、脂たっぷりののどぐろにおすすめの調理法は、炙り。
石田さん「良い脂が入ってて、皮と一緒に食べると美味しい」
炙ったら、氷水で粗熱を取り、包丁で切れ目を入れて、
「のどぐろの焼き霜降り」の完成!
更にもう一品は、石田さんの十八番の中華で。
香りづけと臭みを取るネギとショウガ、甘い香りをつける老酒(ラオチュウ)、
味付けにコショウと醤油を加えたら、20分蒸す。
蒸し上がったら、仕上げにネギを乗せ、その上から熱い油をかければ、
「のどぐろの中華蒸し」の完成!
さらに、ユメカサゴとシロムツは、アシタバと一緒に油で揚げて、
さくさくの「紅白天ぷら」に。
こうしてメニューが揃ったところで、まずは「紅白天ぷら」を頂く!
木村さん「シロムツ美味しいじゃないですか!」
しかし、のどぐろはそれを上回る味だという。
本命ののどぐろの味は果たして。
城島「美味しいな…これは。こんなに美味しいの初めて食べた!」
さらに、中華蒸しは、
達也「これが一番うまい!身がフワフワで!」
城島「むちゃくちゃ旨味が凝縮されてる!こんなに美味しいんですか!」
男達もびっくりするほどの美味さ!
改めて、東京湾のすごさを再認識することができた。
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