2014年8月17日 放送内容DASH島 無人島を開拓できるか!?

DASH島で進行中の水路作り。
しかし、その作業は中断を余儀なくされていた。
というのも、井戸から舟屋まで、450mに及ぶ水の道を作り始めたのだが、
森の中の井戸から僅か12mの地点で、材料にしていた、
舟屋作りで余った床板が底を尽いていた。
そこで、岩手県・久慈市へと向かったのは達也。
達也「水に強いという赤松があればいいんだけど」
赤松は樹脂が多く、水中で腐りにくい木材。
久慈市は、日本一の赤松の産地。
この土地で、赤松を原木から加工している山形林産加工センターの
所長、澤口敬志さんは、群馬にある草津温泉『湯畑』の木樋をアカマツの
原木から見つけ、加工・納品した、いわば『木樋のプロ』。
澤口さんの紹介で、アカマツの古材を譲って頂けるとのこと。
まず、2人が向かったのは、6年前に解体された民家の古材置き場。
古材には、電線や釘など、かつての生活の跡が残っている。
50本ほどに、雨除けのトタン板はかけてあるのだが、木材はまだ使える状態なのか。
達也「叩けば音で分かるよね」
木が生きていれば、硬く・高い音。
腐っていれば、重く鈍い音がなる。
澤口所長「所々は…使えるかもしれないですね」
さらに、こんな古材置き場がもう一カ所。
同じく、茅葺き屋根の家を解体したもの。
細く・短い材が多いが、その中に太さ24cm、長さ約4mの
赤松の梁に使われていたものも。雨ざらしだが、生きているのか。
さらに、S字型に曲がった、変わった材木も発見。
「目草(まぐさ)」という、窓や出入り口の上の横木として
50~60年ほど前によく使われていた。
いくつか、使えそうな木材は見つけたが、
達也「全く足りてないですね」
そこで、澤口所長のとっておきの場所へ。
近所にある苅間沢さんのお宅は、改築の際に出た赤松の古材に、
ビニールシートをかけて保管していた。
所長の紹介で、この古材も譲って頂けるとのこと。
すると、材木の中に達也が見慣れた形の継ぎ手、追掛け大栓継ぎの跡。
達也が身につけた技術を感じ、嬉しい発見。
さらに、他の材木も叩いて音を確認する。
達也「最高だね」
さらに、60年物の蔵に眠る使われなくなった昔の道具なども、
苅間沢さんのご好意で一緒に譲っていただけるとのこと。
まず達也が見つけたのが、ハンドルを動かせば圧力で水を吸い上げる、手押しポンプ。
苅間沢さんも、50年ほど使った年季モノ。
これは今後の水路作りに役立つかもしれない。
続いて、両側にフックらしき物が付いている見慣れない道具。
これは、首木と呼ばれ、牛車(ぎっしゃ)などを引くため、牛の首の上にかけて使う道具。
そして、重さ5kg、刃渡り60cmにもなる巨大なノコギリ。
これは、前挽大鋸(まえびきおが)と呼ばれる、丸太を製材するためのノコギリで、
昭和30年代、機械ができるまで使われていた。
さらに、丸太の表面を削り、角材にするのに使った鉞(まさかり)や、
福島・DASH村でも作った、囲炉裏に欠かせない、自在鉤(じざいかぎ)。
鍋や鉄瓶(てつびん)を掛け、高さをかえることで、火加減を調節できた。
こうして頂いた、使われなくなった9つの道具。
無人島の開拓に役立てたい。
そして、3か所で頂いた赤松の古材70本も役立てねば。
製材所に戻り、材木を板材に加工していく。
しかし、その前に行う大事な作業。
古材の中に残っている、釘などあらゆる金属を取り除かねば、刃が痛んでしまう為、
ノコギリは入れられない。
そこで使うのが、金属探知器。
達也も、かつて愛知で床板用の栂の木を製材した際に経験済み。
澤口所長が使うのは、わずか260g、液晶ディスプレイ付きの最新式。
一方、達也は愛知の『木の師匠』こと、ヤトミ製材の加藤社長からお借りしてきた、
使いなれた7万円の代物で。
その確かな性能で、木材の中に入り込んだ釘も全て取り除いた。
これで、いよいよ製材へ。
帯ノコ式製材機で縦割りすれば、DASH島の水路と同じ、厚さ3cmの板になる。
切り出す幅を設定し、材木をセット。
ローラーで、横から強く押さえつけながら切れば、板の厚さは、寸分違わず均一に。
気になるのは材木の中の状態。50年モノの赤松、生きているのか?
製材され、見えた断面は、美しいアカマツの木目。
達也「きれい、きれい。大丈夫だね」
一本の材木から、4枚の板が切り出せた。
しかし、仕上がった板材をよく見てみると、
達也「結構曲がってるね」
この板の曲がり、そのまま水路に使うと水漏れの恐れが。
そこで、曲がった側面を切り落とし、まっすぐな板に製材する。
つまり、切り落とす部分は最小限に、熟練の職人技が試される。
この担当は、名は『鉄也』だが、木にもこだわる中下(なかしも)さん。
刃の入れ方ひとつで、木をどれだけ生かせるか全てが決まる。
達也「おー、まっすぐ!」
中下さんの技のおかげで、曲がった板も水路に充分使える板材に。
板は、1枚でも多く欲しい。
野ざらしだった赤松の古材も、生きているのか製材して確かめる。
澤口所長の見立てでは、場所さえ選べば、使えるとのこと。
こうして、製材作業を続けるが、いただいた古材は相当な量。
製材は、1日がかり…。
そこで、山の男達が英気を養う場所で、腹ごしらえ。
頂いた「まめぶ汁」は、冠婚葬祭に欠かせない、久慈地方の伝統料理。
あの朝ドラで一気に全国区になった、じぇじぇじぇな汁。
久慈の味を存分に味わい、力を蓄えたら、残る古材を、水路の板に蘇らせる。
古材は、全部で70本。そして、作業開始から3時間。
1枚でも多く、板が欲しい。
長さ、形はバラバラだが、使える場所を選んだ板、210枚が切り出せた。
そして、その数日後。島に向かう台船には、いただいた製材と古道具。
この水に強いアカマツの板で、DASH島の水路作りが再開する。
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