2014年11月16日 放送内容出張DASH村 ~長野県 松本一本ねぎ~

今回、城島と長瀬が出張した先は、長野県・松本市。
こちらで栽培されているのが、『松本一本ねぎ』。
ネギと言えば、埼玉の『深谷ねぎ』、京都の『九条ねぎ』など、
全国各地にさまざまな種類があるが、
『松本一本ねぎ』は、弓のように曲がっているのが特徴。
一体、どのように栽培されているのか?
お世話になる農家さんは、青木秀夫さんと、奥様の京子さん。
青木さんは元々、都内の電機会社に勤務。
奥さんの京子さんを松本に残し単身赴任していたため、
京子さんは義理のご両親、つまり、舅・姑さんと共に、
35年間、『松本一本ねぎ』を作り続けてきた。
電機会社を退職した旦那様が、ネギ栽培に加わったのは11年前。
お義父さん、お義母さん亡き今、
夫婦2人で作っている、そのネギを1本引き抜いてみると、
長瀬「曲がってる!」
青木さん「曲がってるから甘い」
すると、ネギが大好きな城島はどうしても確かめたかった。
城島「葉の先から中を見てヌメリが付いてたら甘い」
そこで、葉の部分を割ってみると、滴り落ちるほどのヌメリが!
その大量のヌメリをすくって食べてみると、
城島「とろっとろで美味い!身体に良いエキスって感じ」
それを見た長瀬も、トゥルッと一口。
長瀬「すごい!みずみずしい」
このヌメリの中には、“フルクタン"と呼ばれる
糖質が豊富に含まれており、ネギの甘みの素。
松本一本ねぎはこのヌメリがとても多いのが特徴。
そこで、獲れたてを生でかじってみると、
長瀬「甘ーい!!シャキシャキで最高!」
しかし、しばらくすると、
城島「最後、辛くなってきました…!」
甘さを最後まで楽しむには、
青木さん「火を通すと(さらに)甘くなる」
辛さの正体は、ネギの成分「アリシン」。
血行を良くし身体を温める効果があるが、
生で切ったり、かじったりすると辛く感じる。
しかし加熱すると、辛さを感じさせる成分が働かなくなるため、
辛味成分が生じず、元々十分にある甘みを強く感じられるように。
実際に奥様がレンジで熱を通したネギを食べてみると、
長瀬「辛さが全然無い!」
城島「甘い!!」
松本一本ねぎがこんなに甘く育つ秘密は何なのか?
すると、城島が気付いた。
城島「畝が通常のネギの畝と比べると低い」
というのも、以前、出張DASH村で訪れた、
埼玉県の『深谷ねぎ』の畑は、80cm近い、高い畝。
ネギは生長すると、地面から出て
日に当たった部分が青くなってしまう。
そこで、柔らかくて甘い、白い部分を長く増やすため、
ネギの生長に合わせて土をかぶせ、
日光に当てないように栽培している。
一方、松本一本ねぎの畝は約40cm、深谷の半分ほどしかない。
その理由は、
青木さん「植え替えをする」
松本一本ねぎは、春、畑に苗を植えた後、
夏、60cmほどに生長したネギをすべて抜き、
わざわざ植え替えるという。さらにその時、
青木さん「少し寝かせて植える」
一度引き抜いたネギを、寝かせて植え直すため、畝が低い。
そして、寝かせることでネギは甘くなるという。
横になったネギは、
真上に伸びようとして曲がるため、ストレスがかかり、
身を守ろうとして、自ら糖分を作り出すといわれる。
さらに、植え替えをする分、
栽培期間が普通のネギより半年近くも長いため、
半分に切ってみると、その断面は何層にもなっている。
時間が経って外側が剥けても、内側は何層も残るので、
青木さん「(11月から)来年の3月くらいまで日持ちする」
約300年前から同じ方法で栽培していたこのネギ。
昭和初期には、高級な野菜として贈り物に重宝されていた。
現在は、手間はかかっていても、お値段控えめ。
『まがりちゃん』という商品名で袋詰めにし、
地元の直売所やスーパーで、3本250円で売られている。
この松本一本ねぎ、畝が低いとはいえ、
白い部分を長く育てるため、生長の過程で土をかぶせる作業が必要。
その際に使うのが、専用の機械“ネギスコッパー"。
爪が回転することで、土をネギの根元にかけていくのだが、
青木さん「茎と葉の境目より上まで土をかけると生長が止まる」
長瀬「加減が難しいね」
それを踏まえて、まずは青木さんのお手本。
畝の高さ40cmほど、葉と茎の境目まで土を盛っていく。
一見簡単そうに見えるが、様々な重機を使ってきた城島でも
城島「真っ直ぐ進むのが難しい」
ここの土は重くて固い粘土質。
飛ぶときの勢いが強いため、手元がぶれやすい。
そして収穫は、すべて手作業。
しかも、曲がっているからこその難しさが。
松本一本ねぎは、畝の中を曲がって生えているため、
カーブと反対方向に引き抜くと、負荷がかかりネギが折れてしまう。
そのため、収穫はカーブに沿った方向に引き抜く要領で。
長瀬「これすごい太いよ!」
大きい物は、1本約800g、直径5cmにもなる。
こうして収穫したネギは、畑横のビニルハウスで3日ほど天日干しし、
根っこも土も付いたまま販売される。
では、葉っぱも茎も丸ごと一本食べられる、
青木家ならではの食べ方で『松本一本ねぎ』を頂く!
京子さん「ウチで一番評判がいいのは、ネギ餃子」
まずは、ネギを縦に細く切り、青い葉の部分も粗めのみじん切りに。
長瀬「ヌメリがすごい」
最近の研究で、このヌメリ成分に
強力な免疫活性作用があることがわかった。
それが、「ネギは風邪予防にいい」とされるゆえん。
そして、豚挽肉にオイスターソース、
生姜、ニンニク、塩などの調味料で下味を付ける。
そこに、塩もみした白菜のみじん切り、
ニラの代わりに3本分の刻んだネギを加える。
そして、具がしっとり馴染んだら、餃子の皮で包む。
まもなく独身生活44周年、
城島の手さばきは、具の量も折り目も完璧。
そして、青木家流はフライパンに油を引かず、餃子を敷き詰める。
京子さん「少し焼いて、ちょっとお湯入れてフタをします」
焼けるのを待つ間に、芯の部分を引き抜いた筒状のネギに、
鶏肉とシイタケ、ネギの芯を刻んだ具を詰めていく。
これを、昆布と醤油の出汁に入れ、
縦に細く切ったネギを5本分投入して“ネギ鍋"を。
さらに、ネギの天ぷら“ねぎ天"も。
ぶつ切りにしたネギに衣を絡め、180℃の油で1分揚げるだけ。
そうしてる間に、ネギ餃子にも火が通り、
最後に油を回しかけて焦げ目と香ばしさを。
お皿を被せて、鍋ごとひっくり返せば、
“ネギたっぷり餃子"の出来上がり。
長瀬「ちょっと焦げたけど美味そう!」
まずは、ネギ餃子を何も付けずに頂く。
長瀬「もう美味すぎて立ってられない!ネギの甘みが最高!」
そして、ぶつ切りネギの天ぷらは、塩で。
長瀬「甘い!やわらかい」
城島「ネギ揚げただけやで」
そして、とろとろネギ鍋。
松本一本ねぎには、旨味成分・グルタミン酸がたっぷり。
それが存分に溶け込んだスープは、
長瀬「お母さんみたいにやさしい味」
と、ネギ大好き城島は何度もおかわり。
城島「3本で250円…安い!これ以上ネギれないね!」
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