世界一うまいラーメンへの男たちの熱き挑戦。 全国から集めた海塩、真昆布、宗田節で作り上げた、TOKIOの出汁。 そして、そのパンチの強い出汁に負けない、究極の麺作りが始まる。 麺の材料は、北海道で手に入れた、国内最高級小麦『春よ恋』。 福島県の畑で育て上げ、最高の小麦粉を完成させた。 この『春よ恋』で作る麺は、細麺か?太麺か?それとも…
麺作りのヒントを求めて、城島がやって来たのは、東京・市ヶ谷。 連日行列の絶えない『麺や庄の』は、太麺が人気。 おススメメニューのさんま中華そばを頂くと、 城島「美味しい!もっちもち!小麦の風味が豊か!」 力強いその小麦の味に、 城島「やっぱ、太麺がいいのかな。太麺の方が麺を感じさせる」
太麺に使う小麦は、香りが高い北海道産ゆめちからと コシの強いカナダ産をブレンド。 高い香りと力強いコシを生み出し、食べ応えバツグンに。 そんな太麺に濃厚でとろみを持つスープが絶妙に絡み合う。
城島「この麺は、この出汁やから成立する太さなんやろうな」 TOKIOの出汁は、旨味とパンチはあるが、とろみはない。 出汁の旨さを十分に引き出せるのは、太麺ではなく、細麺なのか?
そこで、連日1時間待ちの行列ができる、巣鴨にある『蔦』へ。 ミシュランガイドにも掲載された世界が認めた1杯は、「醤油そば」。 醤油ダレにタマネギやリンゴなど、野菜を使った出汁を合わせた、 上品なスープ。それゆえに、麺は細麺。 城島「のどごしがいい!舌触りがいい!好きや~。正統派!」
16種類の野菜などを煮込んだスープは、サラサラと上品。 そんなサラサラのスープを、毛管力のある細麺が掴んで離さない。 毛管力とは、物体の狭い隙間に液体が入り込み、 表面張力で流れ落ちなくなる現象のこと。
城島「サラッとした上品なスープには細麺か」 しかし、TOKIOの出汁は、上品というよりは、 強い旨味が前面に出たパンチ力が特徴。 細麺では、そのパンチ力に負けてしまうかもしれない。
太麺では太すぎる…、細麺では細すぎる…。 ならば、と訪ねたのが、東京・中野、都立家政にある『食堂 七彩』。 朝と昼に手打ちで麺を作り、打ちたてを提供するラーメン店。 人気の「醤油ラーメン」を頂くと、 城島「麺が縮れてるなあ。すごいスープが絡んでる!」
自家製の特製手揉み縮れ麺が、スープを余すところなく拾う。 スープが絡むだけではなく、モチモチで弾力のある太麺の食べ応えと、 小麦の風味も感じられる。
麺にしっかりとスープが絡み、太麺の食べ応えと小麦の風味が 感じられる手揉み縮れ麺は、TOKIOの出汁にピッタリの麺か!?
そこで、この手揉み縮れ麺を、『春よ恋』で試してみることに。 まず、『春よ恋』に入れるのは、塩、水、そしてかん水の粉。 ナトリウムやカリウムが主な成分のかん水は、小麦のグルテンと反応することで、 より弾力性を増し、ラーメン独特の、強いコシを生む。 そして、かん水は小麦粉のフラボノイド色素と反応し、ラーメンの麺を黄色くさせる。
DASH村で培った、麺作り12年の経験で、『春よ恋』を捏ねていく。 コシの強い『春よ恋』と、かん水の相乗効果で、 城島「弾力がスゴイ!うどんの比じゃない!」 やがて、手で捏ねられなくなるほど固くなったら、続いては、足で踏んで、全体重をかける。 さらに、その麺を、今度は麺棒で延ばす作業へ。 こうしてできあがった麺は、薄さ5㎜ほど。
延ばした麺は、いよいよ麺切りし、揉む作業へ。 上から潰すように揉む「揉み」、両手で握るように揉む「両手揉み」、 さらに片手で持ち、片手で揉む「片手揉み」の3種類の揉み方で 麺に縮れをつけていく。 城島「どんな味やろうな」
試作第一号を早速、初茹で。 しかし、茹でている途中で、城島が異変に気付く。 城島「ダメやな、ドロドロや」 これは、生地が溶けてしまっている状態。 その原因は、捏ねが足りなかったため。 あまりのグルテンの多さに、かん水が行き渡ったのは表面だけ。 中まで練れていなかった。 城島「周りが溶けてフニャフニャで水臭い…これじゃアカンな」 最高の小麦だからこそ、一筋縄ではいかない…。