世界一うまいラーメンへの男たちの熱き挑戦。 TOKIOが全国から集めた海塩、真昆布、宗田節で作り上げた出汁。 その旨味が強く、パンチのある出汁に合うタレは、5人で決めた。 それは出汁との相性が一番いい、日本が世界に誇る調味料“醤油"。 今や「ソイソース」の名で、世界中の一流シェフも認める日本の味。 その材料や工程は、地域によって様々、味も旨味も千差万別。 ならば、さっそく、出汁の恋人、醤油探し。
太一がやって来たのは、千葉県八千代市。 『拉通(らあつう)』が出す“竹岡式ラーメン"は、 元々、富津市の漁師町の竹岡で生まれた、千葉県のご当地ラーメン。 使う麺は、ちぢれ系の乾麺だが、この日の目的は醤油探し。 そのスープは、濃口の醤油ダレをお湯で割るのが特徴。 太一「出汁が無くても、この深い旨味が出せるんですね」
竹岡式ラーメンのスープは、濃口醤油のタレ、 そして、チャーシュー肉から取ったラード、そこに、出汁ではなく、お湯を注ぐ。 竹岡の忙しい漁師が、出汁を取る手間を省いたことから誕生。 そのため、タレとなる醤油には強い旨味が必要だった。
8年前、福島DASH村で作ったものより、 太一「(醤油の)旨味がやっぱり違う」 この醤油は、出汁が必要ないほど強い個性をもたらす。 同じく個性の強いTOKIOの出汁と相性はどうか?
この醤油を作っているのが、千葉県富津、天保5年創業の宮醤油店。 もろみ蔵で熟成段階のもろみを見せて頂く。 と、太一が気付いたのは、柱に付く酵母。 それは、もろみの発酵を促し、醤油の旨味を生み出す。 主人「(柱の)酵母がもろみに落ちて旨味がつくられる」 150年、この蔵に棲みつく酵母は、“家付き酵母"と呼ばれ、 その蔵その蔵の醤油の味に違いを生む。
強い旨味を生み出す理由はもう一つ。 それは、醤油作りに使う水。 日本の水の多くは、カルシウムなどのミネラル分が少ない軟水。 しかし、千葉県富津市は、かつて海底が隆起して出来た場所で、地中には貝殻が多い。 そこを雨水が通過すると、貝殻からミネラル分を取り込み、硬水となる。
太一「(普通の水と)味が全然違いますね」 宮醤油では、その硬水をくみ取り、醤油づくりに。 豊富なミネラル分が、家付き酵母の働きを活発にさせて、 より旨味の強い醤油を作ることが出来る。 そうして熟成したもろみは布で包み、100枚重ねて圧搾機で搾り出す。
搾りたての味は、太一「こんなに旨味が出るんだ!合うよ、ウチの出汁に」 確信した太一は、この濃口醤油をTOKIOの出汁に合わせ、 太一「(味見して)旨味がさらに濃くなる!」 つまり、旨味と旨味は、さらなる旨味を生む。 太一「これで、決定だわ」 いや、決めるのはまだ早い。
達也がいるのは東京、町田の『らーめん進化』。 その名を知らしめたのは、スープ。 達也「(薄い色の)見た目と違って味がしっかりしてる」 そして、飲むほどに感じる出汁の味わい。 達也「香りが魚で、口に入れると鶏が出てくる」 主人「淡口(うすくち)醤油は、出汁を全面的に出してくれる」
岡山県の山水地鶏とトビウオの出汁に、 淡口醤油のタレと黒豚の脂合わせたスープ。 そこに合わせる淡口醤油は、出汁の引き立て役に。 淡口醤油は古くから、京料理など関西で重宝されてきた。
達也「ウチの出汁は香りがガッツリ来るからね」 つまり、TOKIOの旨味の強い出汁を活かすには、 引き立て役の淡口醤油かベストマッチか。
この醤油を作っているのが、兵庫県たつの市、明治12年創業の末廣醤油。 出汁を引き立てる理由は、こちらも水。 たつの市の中心を流れる揖保(いぼ)川の水は、全国的にも珍しい超軟水。 カルシウムなどミネラル分が結合しないため、不純物が含まれておらず、 上品でまろやかなのが特徴。 よって、大豆や小麦本来の旨味、出汁を引き立たせる。
白く淡い色、搾りたての味は、 達也「香り高いんだけど主張してこない」 そして、仕上げに使うのは、甘酒の原料、米麹。 これを入れて寝かせること、1か月。 達也「塩角が取れて、まろっとしてる」
では、TOKIOの出汁と合わせてみる。 達也「甘い!出汁が立ってる」 TOKIOの旨味の強い出汁に、たつのの醤油。 つまり、強い旨味と引き立て役。 世界一のラーメン、使う醤油は引き立て役の淡口か。 それとも旨味の強い濃口か。 しかし、まだ、あった…