2015年3月1日 放送内容出張DASH村 ~山形県 小野川豆もやし~

今回、城島と達也が訪れた出張先は、山形県米沢市、小野川町(おのがわまち)。
この町にある“小野川温泉"には、じつに1200年の歴史が。
かつて世界三大美女のひとりと呼ばれた小野小町が、
病で倒れた際に偶然発見し、温泉に浸かったところ、病が癒え、
絶世の美女に生まれ変わったという伝説が残る『美人の湯』。
そして、この地には、約300年食べ継がれた、
伝統のもやしがあるという。
今回お世話になるのは、小野川生まれの小野川育ち、鈴木藤昇(とうじょう)さん。
年々、伝統のもやし農家が減っていき、
これを絶やしてはいけないと、6年前から仲間と共に栽培を始めた。
と、小屋の中に敷き詰められた板を外すと、
その下の室(むろ)には、びっしりともやしが育っていた。
鈴木さん「これが“小野川豆もやし"です」
達也「こんなに長いのもやしって!?」
そもそも、よくスーパーで見かける、短いもやしは、
緑豆という小豆の一種から作られた物がほとんどだが、
小野川豆もやしは、大豆が原料。
300年ほど前から作られていたと言われる伝統野菜。
昔から、雪深い小野川町では、冬に作物を栽培する事が出来ず、
小野川豆もやしは、冬の貴重な食料源だった。
そして、二人が気になるのは、室から立ち上がる湯気。
鈴木さん「“温泉"で育ててるんです」
その仕組み、空っぽの室を見てみると、底には温泉が。
実は、このもやし小屋、温泉の水路をまたぐように建てられている。
温泉の上に室を置くと、その蒸気で温められ、
温度、湿度共に、もやしの生長に最適な環境に。
すると、通常よりも生長の速度が速まり、
およそ30cmという長いもやしになる。
さらに、小野川温泉は、8つの成分を含むミネラル豊富な泉質。
下から染み出す、そのミネラルをたっぷり吸い上げて育つので、
鈴木さん「ビタミンも豊富ですし、栄養豊富」
ビタミンBは、普通のもやしの約2倍!
しかも繊維質が多いので、茹でても、
城島「シャキシャキした歯ごたえ!豆の味が濃い」
しかも、豆自体に濃厚な味が。
その秘密は、原料の豆にも。
鈴木さん「昔から伝統の“もやし豆"を使ってる」
豆もやし専用の小ぶりな大豆。
これも温泉の湯に浸し、一晩、ミネラルをたっぷり含ませると、
3倍ほどの大きさに。
そして、この豆を蒔く前に、まずは、
根を張りやすいように、室の底に砂を敷く。
その上に豆を蒔いていくが、
鈴木さん「すき間なく、砂が隠れるくらい(蒔く)」
すき間なく蒔くと、豆の逃げ場がなくなり、
真っすぐに伸びて行くという。
しかし、蒔いた直後は、豆が重なり合っているため、
その凸凹した表面を専用の板で平らにならしていく。
そうすることで、高さが揃い、豆が上に伸びやすい状態に。
仕上げに、砂を軽くかけたら、蓋をする。
もやしは光を当てて育てると、緑色になり苦くなってしまう。
そのため、光を遮って育てるが、もう一つ大事なことは、
鈴木さん「室の温度を30℃に保つ」
豆もやしにとって最適な温度は30℃。
小野川豆もやしは繊細なので、少しでも温度が高いと、
鈴木さん「根が火傷して、赤くなっちゃうんです」
一方、温度が低すぎると、生長不良で短くなってしまう。
一番難しいとされる温度管理は、昔ながらの調整方法。
約60℃の源泉と、冷たい川の水で。
これらを一カ所で混ぜ合わせ、もやしの生長に最適な30℃にする。
熱さの加減は、温泉の湯を石でせき止めながら調整。
慎重に30℃の湯加減を保ってやると、
温泉パワーで、一気に伸びる!
7日間で、およそ30cmに!
そして、収穫はすべて手作業。
室の中から両手で一掴みを抜き、頭を振って豆の殻を落とす。
根に付いた土も叩き落とすが、
茎は折れやすいので、束がバラバラにならないように軽く振る。
しかし、幅45cmの室の中での作業、10分もすると、
達也「腰が痛いですね」
こうして収穫したもやし、砂がついたままなので、洗いの工程へ。
洗い場には、もやし洗い歴60年の三人娘が作業中。
小野川町にお嫁に来てから、もやし栽培を学び、
以来、一緒に汗を流してきた仲間だという。
さっそく、城島もお手伝い。と、
城島「(洗い場の湯)温かい!」
鈴木さん「仕上げも温泉で洗うんですよ」
根の砂をていねいに洗い落しながら、もやしの頭を揃えていく。
温泉で砂を落とし、すっかり湯上がり美人になった小野川豆もやしは、
約300gずつ、藁で束ねられ、
地元のお土産屋さんで、一束390円で売られている。
では、その温泉のミネラルをたっぷり含んだ、
伝統の小野川豆もやしで地元ならではの絶品料理!
教えて頂くのは、地元の女将の3人。
全員が、ここ小野川温泉の旅館で女将を務めている方々。
まずは、高砂屋旅館女将、奥山さんと城島で作るのは、「ババンビ丼」。
いわゆる、ビビンバ丼の事らしいが、地元の食材を使った名物丼ぶり。
茹でた豆もやしを、ごま油、塩、ニンニクで味付けし、
鶏ひき肉に砂糖、醤油、生姜を入れ、煮詰める。
そこに加えるのが、女将達自らが仕込んだ“女将味噌"。
奥山さん「作り始めて10年目。小野川温泉も入ってる」
これは、汁気がなくなったらOK。
たっぷりの豆もやしに、そぼろ、ほうれん草、
キムチを盛りつけたら、最後はラジウム玉子をトッピング。
実はこの玉子も、小野川温泉の恵み。
80℃の温泉に12分入れれば、半熟のいい塩梅に。
これを真ん中に落とせば、ババンビ丼の完成。
一方、亀屋万年閣女将、佐藤さんと達也で、
佐藤さん「豆もやしたっぷりの春巻き」
中の具は、ニンニク、生姜、オイスターソースなどで味をつけ、
そこへ、ざく切りにした豆もやしを入れて炒める。
仕上げに、水溶き片栗粉でとろみをつければ、あんの出来上がり。
あら熱が取れたら、皮で巻いて一気に揚げていく。
ふっくらきつね色になったら、具沢山の春巻きが完成。
そして城島は、やな川屋女将、鈴木祥子さんともう一品。
祥子さん「もやしのかき揚げ。根っこごと揚げます」
もやしの根を混ぜる事で、より一層香ばしくなるという。
こうして、温泉の恵みで出来た、豆もやし尽くしの料理の数々。
まずは、女将味噌で味付けした地元名物ババンビ丼。
温泉玉子をからめて、
城島「味噌の旨味と温泉玉子が合うわ~」
続いては、具沢山の春巻き、酢醤油とからしで頂く。
達也「揚げても豆もやしの食感が残ってる」
そして、豆もやしのかき揚げには、塩こしょうをかけて、
達也「サクサク!これ好き」
続いては、さっぱりと「豆もやしとほうれん草のおひたし」
おろしたショウガとしょう油の味付けで、
城島「美味しい!絶妙な味」
そして、さっぱり味のあとは、
本日のメイン「豆もやしと米沢牛のすき焼き」。
地元の和牛と、豆もやしがたっぷり。
オススメの食べ方は、豆もやしを米沢牛で巻いて、一口で!
達也「主役の牛に豆もやしが負けてない」
城島「まめに面倒みて育ててるから美味しいんですね」
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