2015年7月5日 放送内容DASH ご当地PR課 ~福井県 越前和紙~

日本全国津々浦々にあるご当地名物。そのすごさを伝えたい!
DASH!ご当地PR課!今回のPRスポットは、福井県越前市。
今年3月に開通した北陸新幹線。
現在開通しているのは、石川県の金沢まで。
福井まで新幹線が届いていないなど交通の便が悪いこともあり、
都道府県魅力度ランキングで45位になるなど、
不名誉なランキングにあがることもしばしば…。
しかし、福井県越前市には日本一の名物が!
それは、日本が世界に誇る、『越前和紙』!
古墳時代に伝わり、
きれいな水が豊富だった越前市は、和紙の町として1500年栄えてきた。
今でも市内には60カ所以上の製紙所があり、生産量・職人の数共に日本一。
だが、そんな日本一の和紙の町を揺るがす事件が起こった。
それは、2014年11月の事。
日本の『手すき和紙』が世界無形文化遺産に選ばれたのだが、
登録されたのは、島根県、岐阜県、埼玉県の3カ所で作られている和紙。
日本一の規模を誇る越前和紙は、選ばれなかった。
その理由は、品質や規模などではなく、
町に和紙作りを伝承する保存会がなかったためだった。
そんな不運に見舞われた日本一、『越前和紙』の伝統と技術をPRしたい!
城島と達也がやって来たのは、和紙組合の事務所へ。
文化遺産発表後、急遽設立された越前和紙保存会の会長、
柳瀬さんにお話を伺う。
越前市では和紙が生活の中にあり、小学校では卒業証書を子供達が作成。
その和紙の技術は評価が高く、海外では真似できないとされる、
紙幣の透かしも、越前市の技術によるものだという。
さらに、越前和紙の特徴は、普通のコピー用紙と比べてみると明らか。
城島「すごく丈夫ですね!」
コピー用紙に比べ越前和紙は、力を加えて引っ張っても千切れない程強い。
その理由は、一般的な紙の洋紙と比べ繊維が太く長いため。
また、洋紙の寿命は一般的に100年とされるが、
越前和紙の寿命は1000年以上。
破れにくく、劣化にも強い越前和紙は、江戸・明治時代の紙幣にも
使用されてきた。
そんな越前和紙の作り方を学ぶ為に訪れたのは、
創業147年の岩野平三郎製紙所。
日本最大の手漉き和紙工房の一つで、
ここで作られる和紙は、横山大観などの著名な画家に愛用され、
法隆寺の壁画の修復にも使用されている。
その建物は、創業された明治の頃からほぼ変わらない。
3代目岩野平三郎の一人娘として生まれた岩野麻貴子さんは、
23歳で和紙職人の道へ入り、
4代目岩野平三郎の名を受け継ぐため、現在修行中。
そんな麻貴子さんに作業中の工房内を案内して頂く。
和紙の原料となるのは、楮などの植物の樹皮。
その樹皮を煮て、細かくし繊維のみを取り出す。
これを均一に掬い上げ、紙の形にしていくのが、紙すきと呼ばれる作業。
かつてTOKIOがDASH村で作ったのは、半紙サイズだったが、
こちらの工房では、2人1組でふすまにも使える特大サイズを作っている。
お互いにタイミングを合わせ、繊維を均一に流し込む。
何度漉くかは職人の勘が頼り。一人前になるまで、5年はかかるという。
そんな作業を、城島と達也が挑戦。
重さ10kgの板をタイミングを合わせ、ゆっくりと動かすのがコツ。
この道30年の細川さんが和紙の厚さをチェック。
アイロンで乾かし、厚さを測る。合格ラインは、誤差0.01㎜までだが…
城島「0.14㎜!薄いですね」
一方、細川さんが漉いた和紙は、0.18mmとジャスト!
こうして、和紙は形となったが、まだ水分を多く含んだ状態。
ここから乾燥の作業に入る。
半乾きの和紙を一枚一枚板に貼付け、乾燥室で3時間程乾燥し、
ようやく和紙が完成する。
材料の状態から紙になるまでは一週間かかるという。
一般的に、襖や障子、書道用紙として使われることが多く、
中には1枚7000円の値がつくものもある。
職人たちのこだわりが生み出す越前和紙。
この素晴らしさをどう伝えるか?
麻貴子さん「越前和紙は、強靭で強い。折りたたみやすいのも特徴」
それを聞いた城島が閃いたのは、
城島「すごくデカい和紙を作って、パラシュートとかいいんじゃない?」
つまり、越前和紙でパラシュートを作り、
上空4000mからスカイダイビング!
パラシュートが壊れずに無事着陸することで、
越前和紙の強度とすばらしさをPR!
それには、丈夫で巨大な和紙が必要。
日本画などに使用される特注サイズを8人掛かりで作成。
重さ80kgの板を、8人の息をあわせて漉いていく。
厚さを均一にしなければ、薄い部分がもろくなり、そこから破れてしまう。
達也「これはでかいね!」
漉き終わった和紙を慎重に運び、
乾燥室で乾燥させれば、7畳分の特大和紙の完成!
その特大和紙を持って市内の体育館へ。
そこで待っていてくれたのは、長年パラシュートに携わってきた、
スカイダイビング暦26年の藤原誠之さんと京子さんのご夫婦。
自作のパラシュートのテストも命をかけて自ら行う、
日本スカイダイビング界の第一人者に和紙を見て頂くと、
京子さん「素材が硬すぎる。もう少し柔らかくないと…」
パラシュートの材料として重要なのは、強度を備えつつも柔軟性があること。
そこで、巨大和紙をみんなでグシャグシャに丸めて揉み、柔らかさを出す。
これも越前和紙が持つ強度と折り畳みに強いという特徴があってこその技。
揉む前と比べて感じた明らかな違いに、達也は、
達也「すげえ、布みたいになってきた」
和紙工房の方々と保存会会長さんにもお手伝い頂き、
パラシュートのパーツを切り出していく。
切り出した40ものパーツを一つ一つミシンで縫い合わせ、
ドーナツ型のパラシュートの形に。
城島「ちょっとでも縫いが甘かったら壊れるからな…」
パラシュートにとってほんの小さな隙間や綻びが命取りとなる。
4人がかりで黙々と縫い続け、できあがったのは、
直径4.8mの越前和紙製パラシュート。
早速飛ばしてみたい気持ちを抑え、まずは地上で耐久テスト。
スカイダイビングの落下速度は、時速180km。
受ける風は、風速50m/sにもなるという。
そこで、映画やドラマの台風シーンなどで使用する巨大送風機を使い、
耐久性を確かめることに。
巨大送風機最大風速の30m/sを受けても、パラシュートは破れない。
達也「これ和紙?本当に!?」
風速30m/sは耐えられた。いよいよ本番風速50m/sへ。
城島とアシストのスカイダイバーを乗せたヘリコプターは、
上空4000mへ向かう。
しかし、越前和紙の強度を証明したいが、
生身の城島が飛ぶには安全性に不安がある。
そこで、パラシュートを背負って飛ぶのは、
見た目・身長・体重が城島とほぼ同じの城島人形。
パラシュートは、高度を感知し、地上300mで自動的に開く仕組みに。
ヘリに乗った城島人形は高度4000mに到達し、大空へダイブ!
時速180kmの急降下。
スカイダイバーが人形を補助しながら、
ぐんぐんと高度が下がり、高度1000mへ!
そこからは城島人形一人で降下。
地上300mで和紙のパラシュートが自動で開くはずだが…
時速180kmで落下する中、越前和紙のパラシュートは開いた!
風速50m/sの力にも負ける事無く、ゆっくりと城島人形を地面へ。
これぞ1000年経っても劣化しない越前和紙が持つ強さ。
城島人形は無事、大地に降り立つことができた。
達也「すげえじゃん!」
強度と美しさをかねそろえた、日本を代表する越前和紙。
ユネスコの皆さん、世界無形文化遺産にぜひ!
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