2015年8月9日 放送内容出張DASH村 ~群馬県 ブルームきゅうり~

今回、城島と松岡が訪れたのは、群馬県沼田市。
実は、群馬県はきゅうりの生産量が全国2位。
ここに、市場にわずか3%しか出回らないきゅうりがあるという。
松岡「俺たちの知っているきゅうりとは少し違うらしいよ」
そんな“幻のきゅうり"を栽培するのが、長谷川進さん。
長谷川さんは5年前、自動車などの部品製造メーカーを定年退職し、
大好きなきゅうりづくりの道へ。
味にこだわり、今まで11種類のきゅうりを栽培し、食べ比べた
長谷川さんがたどり着いたきゅうりは
城島「うわ、すごいトゲ」
松岡「白いのがブアーッと(粉が付いてる)」
トゲが鋭く、一般的なきゅうりと違い白い粉で覆われている。
長谷川さん「これが“ブルームきゅうり"です。」
ブルームという言葉、ふたりには聞き覚えがあった。
それは2年前、岡山で出会ったマスカットの表面についていた白い粉。
病気から実を守るため、ブドウ自らが作り出していた
ロウのような粉が、ブルームだった。
長谷川さん「ブルームはきゅうりが自分を守るために出てくる」
きゅうりの95%は水分。
ブルームきゅうりにブルームがなかったら、
太陽を浴びただけで、水分は出ていってしまう。
しかし、ブルームきゅうりは、表面をブルームがしっかり
コーティングしているので、太陽を浴びても水分や旨味を外に
逃がしにくい。
長谷川さん「暑くなるほど、ブルームは激しく出る」
そんなブルームは水に浸けただけでは、激しく水を弾く。
松岡「まるで10代の肌ですね」
とはいえ、ブルームの役割はここまで。
ブルームそのものは無味無臭だが、美味しくいただくため、
手でこすって、鋭いトゲと一緒に洗い落とす。
トゲとブルームがきれいに落ちたら、いただいてみる。
城島「甘い!水っぽくなくて濃厚ですね」
松岡「今まで食べたきゅうりの中で1番美味い」
あっという間に
松岡「1本食べちゃった」
しかし、なぜこんなに美味しいのに、市場に出回るきゅうりの
わずか3%なのか?その理由の一つは、
長谷川さん「ブルームが農薬に間違われる」
実は、30年前まではブルームきゅうりが主流だったが、
白い粉が後から人間がつけたものだと誤解され、
次第にブルームのないきゅうりが流通の中心に。
そんなブルームきゅうりを見ていた城島が気になったのが、
城島「接ぎ木じゃないんですか?」
長谷川さん「自根(じこん)です。自分の種から育ったもの」
今、店頭でよく見かけるブルームのないきゅうりの苗は、
病気に強いカボチャの根に接ぎ木をして育てたもの。
カボチャの性質を引き継いでいるため、病気に強いだけでなく、
皮も厚い。その皮の厚さが水分の蒸発を防いでいる。
一方、自分の根で育つブルームきゅうりは、
土中のケイ素を吸い上げ、ブルームを作りだして身を守っているが、
ブルームが無いきゅうりに比べると、病気にも弱く皮も薄い。
城島「皮が薄いから、中の旨みが直接くる」
ブルームきゅうりは、病気に弱くて収量も多く穫れないが、
長谷川さん「絶対に美味い。だから作ってる」
さらに城島、普通のきゅうり畑との違いに気づいた。
城島「(土を触って)これ小石じゃなくて軽石ですね」
長谷川さん「榛名山(はるなさん)からの軽石」
この辺りは1500年前、榛名山が噴火して火山灰が積もった土地。
その証拠に、30cmほど掘れば、軽石がザクザクと出てくる。
長谷川さん「これ(軽石)があるから、水はけと水持ちがいい」
きゅうりは、水分の加減にデリケートな作物。
少しでも水が多いと根腐れし、水が少ないと形が悪くなる。
だがこの土地は、石と石の間に隙間がある軽石のおかげで、
余分な水分を流し、軽石の穴にきゅうりにとって程よい水分を
保つため、栽培が難しいブルームきゅうりが元気に育つ。
長谷川さん「我々に対しての恵みです」
と、奥様の久代さんが持ってきてくれたのが
きゅうりの浅漬けと、きゅうりジュース。
久代さん「ジュースは牛乳でガーっとやるだけ」
作り方は、刻んだきゅうり100gに牛乳200g、
そこに、昆布茶を小さじ半分加えて、ミキサーでガーっと1分。
畑仕事の合間に飲むという夏の定番。その味は、
松岡「きゅうりの冷製ポタージュだ」
続いて、切り昆布で漬けた、きゅうり丸ごと一本漬け。
一口かじると、気持ちの良い音と、さわやかな旨味が広がる。
長谷川さん「このパリ感は自根でしかでない」
休憩の後は、一本一本手作業で行う収穫のお手伝い。
大きさの目安は、19cmの収穫用のハサミ。
長谷川さん「ハサミより長いものを収穫する」
さらに、注意することは、
長谷川さん「トゲを潰すと、そこから水分が逃げちゃう」
トゲが折れると、そこから水分が抜けて、鮮度が落ちる。
トゲが生えていない、上の部分を持って収穫。
城島「切り口から水分があふれ出てくる」
収穫カゴに置く時もトゲとブルームが取れないよう丁寧に。
これを、1日1600本ほど収穫するという。
袋詰めも手作業で、キズをつけないよう丁寧に。
翌朝には都内などのスーパーに、少しだけ高めの値段で並ぶ。
では、パリッとした食感ときゅうり本来の味の濃さを、
地元ならではの食べ方で!
教えてくれるのは、久代さんとママ友の鈴木さん。
鈴木さん「きゅうりを使った酢豚を作ります」
酢豚に入れるきゅうりは斜めにざく切りし、
パプリカ、玉ねぎと一緒に素揚げする。
およそ20秒素揚げして、旨味を閉じ込める。
鈴木さん「これくらいがナマ感が残ってて美味しい」
続いて、下味をつけた豚肉を小麦粉でまぶし、じっくりと揚げる。
油を切ったらすぐに、素揚げした野菜と一緒にフライパンで炒める。
松岡「中華は3分だからね」
手早く砂糖とケチャップ、醤油と酒などで味を付け、
水溶き片栗粉とゴマ油をまわし入れれば、
炒め始めて2分10秒で、酢豚が完成。
久代さん「きゅうりとなすの煮びたしを」
味が染み込みやすいよう、切り込みを入れたきゅうりとナスを
しんなりするまで炒めたら、お酒とみりん、カツオだし、醤油、
酢を加える。
全体になじんだら、大根おろしと生姜を入れ、ひと煮立ちさせたら
ボウルにあけ粗熱を取る。
しばらく冷やすことで、さらに味が染み込ませる。
松岡は、慣れた手つきで、きゅうりを千切りに。
ひき肉をパラパラになるよう炒めたら、味付けは松岡流で。
松岡「夏バテに、にんにくと生姜は多めに」
さらに、豆板醤と甜麺醤(てんめんじゃん)、醤油、鶏がらスープ、塩を加え、
水溶き片栗粉でとろみを付けて肉味噌は完成。
麺の上に、きゅうりをたっぷりとのせ、そこに肉味噌をかけたら、
ジャージャー麺の完成。
一方、城島は4つに切ったきゅうりを豚肉で巻いていく。
楊枝で端をとめたら、小麦粉をまぶしてフライパンへ。
表面が焼けたら、みりん、砂糖、醤油を加え、甘辛に。
汁けがなくなるまで煮詰めたら、きゅうりの肉巻きが完成。
そして、最後にもう一品。
きゅうりのフライは揚げること3分。
松岡「食べたことないな」
では、きゅうり尽くしの食卓。
まずは、酢豚から。
松岡「豚ときゅうりが合う!」
城島「パリパリした触感がいいわ」
続いては、初体験“きゅうりフライ"。
城島「中の部分がトロッとして外の皮がパリッとして美味い」
“きゅうりの煮びたし"は。
松岡「さっぱりしてるけどちゃんと味が染みてる」
松岡流の味付け、ジャージャー麺は?
城島「麺よりもきゅうりが主役になってる」
最後は、“きゅうりの肉巻き"。
城島「冷めても美味しいから弁当のおかずにいいね」
松岡「夏のおかずのパターンが増えそう」
城島「いやぁ、今日はきゅーり(急に)来てすみません」
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