2015年9月20日 放送内容DASH ご当地PR課 ~兵庫県豊岡市 最強のバネで作ったピッチングマシンで世界最速240km/hの球を投げられるか!?~

今回、松岡と長瀬がやってきたPRスポットは、兵庫県豊岡市。
特別天然記念物・コウノトリの保護を行なっている自然豊かな町。
古くから、豊岡市はカゴ作りが盛んに行われ、
明治時代には鞄作りへ発展し、今や生産量は日本一。
しかし近年、過疎化や不況の影響を受け、
この20年間で、500社以上あった製造業社が半分以下に。
だが、世界に誇れる職人技がある。
二人が訪れたのは東海バネ工業。
そこで目にしたのは、
松岡「でっけー“バネ"!」
スカイツリーの先端部分に使われたものと同じサイズの
世界最大級のバネ。
さらに、有人潜水調査船「しんかい6500」や
小惑星探査機「はやぶさ」に使用されたバネなど、
国家プロジェクトに使用されるバネも製造している。
国内では珍しいオーダーメイドによるバネの製造を行ない、
一年に約15万個のバネを製造している。
この会社のモットーは、
“どんなバネでも作ります、できませんとは言いません!"
とのこと。
そこで、今回は豊岡市の職人技「バネ」をPR!
バネ職人歴25年の坪口さんは、
様々なバネを手掛けてきたスペシャリスト。
そんな坪口さんに工場内を案内してもらう。
坪口さん「(コイル状の)バネは一本の棒を曲げて作ります」
12mの鉄の棒を、バネにするとわずか1mになるという。
その工程は、まず材料となる鉄の棒を800度に加熱し柔らかくする。
それを1トン以上の力でローラーに巻き付けながら曲げ、バネの形に。
15分ほど冷ましてローラーを抜き取るが、
これではまだ形はバネだが、伸び縮みしない、ただの鉄の塊。
これを巨大な炉の中で加熱する。
鉄は焼き入れと焼き戻しを行うことで、
バネに必要な強度とクッション性が生まれる。
そして、冷却するため油の中へ。
バネが炎を上げながら、ゆっくり沈んでいく様子は、
長瀬「ターミネーター2のラストシーンみたい!」
この工程を経ると、熱処理前と比べて格段にバネの復元力が増す。
その後、バネが垂直に立つよう、両端を巨大な研磨機で水平に削る。
仕上げに表面を加工すれば完成となるが、出荷前に最終テストが。
バネに約15トンの圧力をかけ、限界まで押し縮め、
元の長さに戻れば合格となる。
このテストを通過したものだけが、東海バネとして出荷される。
そして、工場にはバネ業界のスター達の手形が
これは、バネの国家検定に合格した、
トップレベルの職人に贈られるプラチナ賞、受賞者の手形。
全国でわずか33名しか受賞していないが、
そのうち、坪口さんを含めた13名が東海バネの職人達。
そんなトップレベルの職人達が作る豊岡産のバネ、どうPRするか?
松岡「DASHガレージの“球道くん"の動力もバネだったよね」
それは、4年前、太一がバッティングセンターで見つけた、
旧型のピッチングマシン。
確かに、引っぱられたバネが、戻る力で球を投げる仕組みだった。
彼の球速は時速120kmだったが、
松岡「強力なバネを使えば、もっと速い球を投げられるんじゃない?」
ちなみに、人類最速は、メジャーリーガー・チャップマンの時速171km。
さらに、福岡県のバッティングセンターが独自に開発した、
バネ式ピッチングマシンは、世界最速の240km。
長瀬「時速240km超えたら、かっこいいよ!」
ならば、最速のピッチングマシンを作って、豊岡のバネをPRしたい!
そこで、お邪魔したのは、
練習中の豊岡市の社会人野球チーム「NOMOベースボールクラブ」。
メジャーリーグで日本人初のノーヒット・ノーランを達成した、
野茂英雄が代表を務めている。
こちらで使用しているピッチングマシンを見せて頂くと、
動力のバネは3本、これで時速140kmは投げられるという。
松岡「もう少しデカいバネならもっと(球速)出るかも」
では、まずはピッチングマシンの土台作り。
協力して頂くのは市内にある「小畑鉄工所」。
社長の小畑さんはこの道42年、金属加工のプロフェッショナル。
最初に、骨組みとなる鉄骨をガスバーナーの火でカットしていく。
そして、切断した箇所をサンダーで滑らかに仕上げ、
それを溶接でつなぎ合わせて、土台となる鉄板に固定する。
フレーム作りが進む中、バネ作りは東海バネのプロ達の手で…
世界最速のピッチングマシンは、
時速240kmの球を4本のバネで投げている。
豊岡のバネなら3本で時速240kmを超えられるはずということで、
さっそく、図面を起こし、
職人総出で最強の反発力を目指しバネを仕上げていく。
完成したバネの大きさは通常のピッチングマシン用の7.5倍、
バネから生まれる力は5倍に!
坪口さん「(バネ)1個1トンの力があります」
1トンの引く力を持つバネを3個取り付ける。
完成した豊岡産ピッチングマシンは、
バネの生み出す力3トン、腕の長さは1.2mの代物。
投げるのは、マシンに取り付けられた城島(人形)。
右腕を鉄腕に換えたこの男が世界最速240km/hに挑む!
腕を後ろに引っ張るとバネが伸びる仕組みなのだが、
長瀬「7人で引っ張っても(強くて)半分も伸びない」
そこで、競技場を貸してくれた千葉工業大学の学生達に協力してもらい、
総勢37名で一気に引く。
豊岡のバネで世界最速240km超えを狙う!
放たれたボールは…遥か上へ。
腕の振りは十分だったが、球のリリースポイントが早かった。
長瀬「(手首の)角度を変えたほうがいいんじゃない?」
そこで、手首を下向きに調整し、
リリースポイントを遅くして、鉄腕城島の2投目!
松岡「速い!」
手首の角度を下げたことで球は真っ直ぐ放たれ、
バッターボックス目がけ一直線。
それでもやや高め、危険球気味とはなったが、
その速度は…時速166km!
日本ハム・大谷翔平の出した日本球界最速162kmは超えた。
だが、世界最速チャップマンの時速171km、
さらに、世界最速ピッチングマシンの時速240kmには及ばない。
松岡「ネジを締めてバネを伸ばした方がいいのかな?」
坪口さん「あと20mmぐらいは締められます」
つまり、フレームとバネを固定するネジを締めれば、
バネをもっと伸ばすことができる。
限界まで締め上げ、バネの能力を最大限に引き出す。
そして、最後の一投!
兵庫県豊岡市のバネ職人の意地とプライドを、
男・城島が背負い、3トンのフルパワーで投げる!
長瀬「速えー!」
明らかにこれまでで一番速かったが…球速は184km!
惜しくも、時速240kmを超えることはできなかった。
原因は、鉄腕城島の腕。
人型にこだわり、リーチを伸ばした腕の重さは16kg。
それがバネの持つパワーをそいでしまった。
改めて時速240kmのマシンを確認したところ、
腕の重さはわずか600g…この違いが速度に響いてしまった。
しかし、バネの力は十分、
身をもって感じた豊岡のパワーでの時速は184km。
世界最速にはなれなかったが人類最速は超えることができた。
豊岡市の皆様ありがとうございました。
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