2015年11月29日 放送内容出張DASH村 ~青森県 南部太ねぎ~

今回、城島と松岡が訪れた出張先は、
南部せんべいで有名な、青森県南部町(なんぶちょう)。
松岡「ここに絶滅しかけたネギがあるんだって」
全国には90種類以上のネギがあるが、南部町には、一度絶滅しかけ、
復活したネギがあるという。
そのネギを作っているのが、杉澤均(まさ)和(かず)さん34歳。
200年以上続く農家に生まれたが、若い頃は、農業をすることなく別の仕事に。
しかし、30歳の時、地元で採れる野菜の美味しさに改めて気付き、
自分もそんな野菜を作って、地元を盛り上げたいと、
農業を継ぐことを決意。8代目になった。
そんな杉澤さんのハウスには・・・
松岡「(ネギの)葉が長いですね。剣山みたい」でも、触ってみると、
松岡「くすぐったい」
葉は柔らかかった。
そして、杉澤さんが一本引き抜いてくれたそのネギは…
城島「太い、大きいですね!」
杉澤さん「これが“南部太ねぎ"です」
その太さ、一般的なネギのおよそ3倍!
と、様々なネギを生でかじってきた城島は今回も生で
城島「甘い…おお~後から来た、辛いっ!」
その辛さの正体は、ネギに含まれる成分「アリシン」。
血行を良くし、体を温める効果があるが、
生で切ったり、かじったりすると辛く感じる。
でも、葉の先に付いた水分を舐めてみると、
松岡「蜜だよ、ハチミツみたい!」
杉澤さん「ネギから出ている糖質です」
南部太ねぎに含まれる糖分が葉から溢れ出したもの。
安納芋を焼いた時に出る蜜と同じ成分。
蜜が溢れ出るほどの甘さを持つ理由、を城島と松岡は気付いた。
松岡「葉っぱ長くない?」
城島「胸元くらいまである。」
通常のネギは、緑の葉の部分は60cm程だが、
南部太ねぎは、そのおよそ2倍の120cm。
ネギは、光合成によって糖分を作り出すが、
葉が長い南部太ねぎは、より多く光合成ができるため、その分
糖分をたっぷりと作り出し、溜め込んでいる。
その量は、なんと1.6倍!
その甘さを十分に味わう方法が、
奥様の聡(さと)美(み)さんが持ってきてくれた“焼きネギ"。
城島「トロッとして 甘っ!」
辛味成分「アリシン」が熱に反応し、働かなくなるため
元々ある甘さを実感できる。
こんなに美味しい南部太ねぎだが、栽培する農家さんがどんどん減り、
4年前には、一度絶滅しかけたという。
杉澤さん「栽培方法が難しい」
城島「土寄せも大変ですか?」
それはかつて、城島が経験した作業。
ネギは、生長すると、地面から出て陽に当たった部分が青くなる。
そこで、柔らかくて甘い、白い部分を長く増やすため、
ネギの生長に合わせて土を被せ、日光に当てないように栽培している。
通常のネギ栽培は、専用の機械で勢いよく土を巻き上げ、
ネギの根元に土を被せる。でも、南部太ねぎは、
杉澤さん「寄せた土でさえ、葉が折れてしまう」
曲がりやすく南部太ねぎの葉は柔らかいため、
少しの衝撃でも折れてしまう。
なので、機械で土寄せをすると、その勢いで葉が折れてしまい、
そこが傷口となって病気にかかり、枯れてしまう。
なので、土寄せはすべて、鍬(くわ)による手作業。
松岡「ご高齢の方は大変ですよね」
収穫間近まで伸び続けるネギは、7回ほど、鍬で優しく丁寧に、
土寄せしなければならない。
長時間、腰を曲げながらの作業、その負担の多さに、
栽培する農家さんが激減してしまい、絶滅寸前に。
ところが、そんな事態に“救世主"が現れた。
杉澤さん「地元の“名久井農業高校"の生徒さん達です」
松岡「高校生!?」
名久井農業高校は、授業の一環で、地元の伝統野菜を研究している。
4年前、南部太ねぎが絶滅の危機にあると知ったグループが、
この地元の美味しいネギを何とか蘇らせたいと、様々な栽培方法を研究。
手間暇のかからない方法を見つけ出した。
それが“縦穴法"という栽培方法。
上に何度も土を盛るのが大変ならと、
高校生「コレを使います」
使わなくなったスコップの柄を再利用した道具で
フカフカに耕した畑に穴を開け、
その穴にネギの苗を植える。
その穴の中でネギが育つ。
そうすることで、農家さんを苦しめた「土寄せ」をすることなく
南部太ねぎを栽培できる。
杉澤さん「農家じゃ考えられないようなことを提案してくれる」
この発想の転換で、今では、10軒ほどにまで増えた。
“南部太葱職人"と書かれた、お揃いのポロシャツがその証。
高校生と農家さんの地元愛が詰まったネギを収穫。
杉澤さん「太いものから選んで抜く」
収穫の目安は、十分に太く育ったもの。
大きい分、その重さも増し、かなりの重労働。
収穫したネギの長さは1.4m、
そのままではスーパーに並べられないが、
杉澤さん「葉も美味しいので、葉も出荷します」
ここまで生長すれば、折っても味は変わらないので、
葉を優しく二つに曲げて、テープで留め、専用の袋に。
その袋には“復活!!南部太葱"の文字が。
そして、穫れたての南部太ねぎは、地元のスーパーで売られるほか、
通信販売で全国にも発送している。
南部太ねぎを地元ならではの食べ方で!
教えてくれるのは、地元の料理自慢、沼畑勝子さん。
沼畑さん「ネギの天ぷらを」
ネギを5cmのぶつ切りにしたら、ちょっとひと工夫、
沼畑さん「切り目を入れると熱が通りやすい」
城島「太いからね!」
それを、ネギと相性抜群の豚肉で巻く。
衣をからめて、170℃の油でじっくりと揚げる。
きつね色になったら、出来上がり。
一方、松岡が作るのは、地元の伝統料理“せんべい汁"。
江戸時代後期、「天保の大飢饉」が発祥とも言われ、
お米の代わりに、小麦粉で焼いたせんべいでお腹を満たした。
まずは、具材の鶏もも肉を炒める。
そこにゴボウとニンジンを加えて炒め、火が通ったら鰹出汁の鍋へ。
炒めてから投入することで、旨味がたっぷりと出る。
醤油・みりんで味付けしたら、せんべいを割りながら入れる。
せんべいは、煮込んでも溶けないよう、固く焼いた鍋専用。
そこに、丸ごと2本分のネギを入れ、弱火で10分。
鍋を煮込んでいる間に、もう一品“油淋鶏(ユーリンチー)"。
下味をつけた鶏肉に片栗粉をまぶし、
180℃の油で10分間、揚げる。
これに掛けるタレは、ネギを粗みじんにして、
醤油、みりんなどで味付けし、サッと炒めたもの
そして、緑の葉の部分の千切りを敷き詰めた上に揚がった鶏肉を並べ、
白い部分の千切り、タレをかけて、完成!
南部太ねぎづくし料理、
まずは、“ネギたっぷり せんべい汁"から。
ネギから溶け出した甘みと旨みを、
たっぷり吸い込んだせんべいと一緒に。
松岡「ネギ本来の甘みが染み込んでる」
杉澤「この鍋を学校給食に出したら、子供のネギの残食がゼロでした」
城島「子供が喜んで食べるネギやね」
そして、ネギ3段重ねの“ネギまみれ油淋鶏"。
城島「美味い!旨味(のバランス)がパーフェクト!」
大絶賛の後は、城島が揚げた“豚肉巻きネギ天"。
食べ方は、ポン酢をつけて。
城島「食感がパリパリして、中が軟らかくてトロっとして」
松岡「太ねぎと豚肉の相性抜群!」
松岡「復活してよかったね。高校生のパワーに感謝!」
城島「これだけネギづくしで、お金出したら、
なんぶ(なんぼ)するんやろね…」
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