2016年1月31日 放送内容DASH 0円食堂 ~青森県~

日本全国、捨てちゃう食材探して料理旅!0円食堂!
相棒のキッチンカーと共にやってきたのは、本州最北端の青森県。
太一「大間のマグロ!(青森県は)太平洋と日本海、両方あるもんね。」
城島「(生産量日本一の)リンゴ、ゴボウ、にんにくもあるで」
まず、0円食材探しのヒントを求めて訪れたのは、
岩手県との県境、太平洋に面した階上町(はしかみちょう)にある道の駅『はしかみ』。
生産量全国1位、青森が誇るリンゴをはじめ、
ゴボウ、長芋、にんにくも生産量全国1位。
そんな採れたての野菜が豊富に並び、
鮮魚コーナーには、
漁獲量全国2位、青森の県魚でもあるヒラメをはじめ、
地元の新鮮な魚介がズラリと並ぶ。
と、さっそく、店の入り口には、リンゴが。
太一「リンゴ(畑に)は結構、(実が)落ちてるよね」
そして、城島が気になったのは、
城島「赤カブ!ものすごい量やん」
この辺りでは、漬物などの保存食にするため、
まとめ買いをするお客さんが多いという。
大量に作っているなら、その分、規格外など出てくるか?
さらに、城島が目を付けたのが、長芋。
そう、城島は以前、石川県で学んでいた。
虫に表面を荒らされた長芋は、捨てちゃうことを。
城島「僕は今日決めた!青森のむつ子さん(長芋の生産者)に会いに行く」
青森県は、その昔“むつの国"と呼ばれていた。
そこから取ったお名前なのか?
そして、この地域発祥の伝統菓子“南部せんべい"。
600年以上も昔、鉄兜をひっくり返して焼いたのが始まりと言われ、
昭和の初め頃まで各家庭でも焼いていた。
今も青森のソウルフードとして親しまれている。
太一「せんべいの端の欠片とか絶対捨てるもんね」
成形する際に、切れ端など出てくるか?
そんな、青森の名物を見て、
太一「“せんべい汁"作ろうか!」
それは、江戸時代から伝わる、南部せんべいが入った青森のご当地鍋。
今日作りたい料理は、魚介で出汁を取った「せんべい汁」か。
ここからは二手に分かれ、まず太一が向かったのは、近くの漁港。
そこで、漁船で何やら作業中の漁師さんを発見。
話を聞いてみると、どうやらタコ漁から帰港したところ。
傷んだタコはすでに捨ててきたとのことだったが、
バケツの中には大量の魚が。
漁師さん「これは、タコカゴに入った魚」
この辺りの漁師さんは、タコカゴを使ってタコ漁をしているが、
エサのサバにつられて、ほかの魚やカニなどが入ることがあるという。
この日は、築地なら1500円の値が付くアイナメに、鍋に旨いドンコ。
しかし、これらは漁師仲間に譲るとのことで、ここでの収穫はなし。
その頃、城島は、長芋を生産する青森のむつ子さんの元へ。
と、たまたま声をかけたのは、むつ子さんではなく、
その隣に住む、みつ子さんご夫婦。
さっそく、むつ子さんの自宅へ案内して頂くも、残念ながら不在。
そこで、事情を説明すると、
みつ子さんのお宅では、お米を作っているとのこと。
ご夫婦のお父さんに話を伺うと、
お父さん「(古米)あるんだけど、水さ潤かして畑に撒いて肥料にする」
数年経っても食べきれなかったお米は、
水に浸して、畑に撒いて、翌年の作物の肥料にするため、
この時期は新米しかないという。
すると、城島は、軒下に吊るしてある柿を見て、
城島「柿がものスゴイ生っているなと思いまして」
城島は、この冬、DASH島で干し柿作りをしたが、
冬の割に気温が高かったため、甘くならずに失敗したばかり。
一方、ここ青森県・階上町の一帯は、干し柿の産地。
本州最北端だけあって、12月には氷点下の日が続き、
甘い干し柿が、全国に出荷されているという。
そして、こちらのお宅では、
縄にくくる手間を省こうと、枝ごと軒下に吊るしていたらしい。
城島「虫喰ってていらない柿とかあったら頂けないですか?」
お父さん「これは渋柿だよ」
試しに、その渋柿を一口かじってみると、
城島「甘いと思ったら、後から渋みが来る!」
お父さん「カラスも食べないくらい(渋い)」
結局、何も頂けなかった。
その頃、太一は、海産物の捨てちゃうところを探して、
海沿いの鮮魚店へ。すると、
お母さん「今朝の捌いたやつ捨てないで置いといた」
カゴ一杯にあったのは、カレイのアラ。
道の駅にTOKIOが来たと娘さんから聞いて、
捌いたアラを取って置いてくれたらしい。
道の駅では、切り身の状態で売られている、
クロガシラガレイやイシガレイ。
今が旬で大量に加工し、その分大量にアラが出てくるので、
いちいち持ち帰らずに捨ててしまうという。
よく見れば、アラのあちこちに、まだ身が付いている。
さらに、ヒラメのアラも一緒に頂いて、大量ゲット!
太一「やったー!カレイとヒラメ、ゲットー」
その頃、城島は、道の駅で見た赤カブの生産者さんの元へ。
青森では、赤カブは漬け物の定番。
さっそく、ご自宅にお伺いして、事情を説明すると、
お母さん「赤カブはもう畑にはない」
その代わりに、以前に収穫した赤カブを、
保管している場所があるというので案内して頂くと、
城島「保冷車!?僕、昔この中で頭だけで逆立ちとかしてたな…」
保冷車で様々な実験を行っていた事を思い出す城島。
お母さん「春まで(保冷車の中に)置いておく」
こちらでは、保冷車だったコンテナに電気を引き、
冷蔵庫代わりにして、赤カブを保管して、
春までの間、少しずつ道の駅などに出荷しているという。
と、その中に一緒に保管されていたのが“とっくり芋"。
お酒を入れる「徳利(とっくり)」の形に似ている事からその名が付いた。
自然薯の仲間で、粘りが強く、その豊かな風味を楽しむため、
すりおろしてとろろで食べるのが、地元の食べ方だという。
そして、そこには、収穫する際に、
誤ってスコップで削ってしまったという、とっくり芋も。
お母さん「傷が付くと売り物にならない」
そんな傷ものばかりをカゴ一杯に、捨てるまで保管しておいたという。
これらは自分でも食べず、他の方にもあげないとのことで、
珍しいとっくり芋、ありがたく頂いた。
その頃、太一は、海沿いの直売所で、
青森の強い訛りに苦戦しつつ、捨てちゃうものがないか伺っていると、
お母さん「これ、トバのダメなやつ」
と言って、奥から持ってきてくれたのは、“鮭トバ"。
塩漬けにした鮭の身を乾燥させて作ったもので、
鮭の漁獲量が多い青森県各地で多く作られている。
お母さん「今年は天候が悪かったから、出来が悪いのがたくさん出た」
こちらでは、お店のすぐ目の前にある干し場で、
鮭の切り身を乾燥させて、鮭トバを作っている。
しかし、昨年の暮れは、雨の日が多かったため、
しっかり乾燥しなかったものもあり、変色。
見た目が悪く、商品にはならないため、捨ててしまうという。
自分でも食べないとのことで、鮭トバをゲット!
その頃、城島は、メインになる0円食材を求めて、
城島「やっぱり、せんべいは行っとかんとね」
そう、南部せんべいは、今日作りたい鍋に欠かせぬ食材。
しかし、この日は日曜日、住所のお店にはシャッターが。
裏の玄関から伺うと、やはり土日は定休日とのこと。
ご主人に事情を説明すると、加工場へ案内して頂けることに。
そこにあったのは、大量のせんべいの切れ端。
ご主人「このミミをカリカリにして(焼いて)食べられるようにする」
こちらでは、小麦粉に塩を混ぜてこねた生地を、
二枚ひと組の型に入れて、焼き釜の中へ。
約180℃で6~7分かけて、
焼き上げられた煎餅は、出口で「ミミ」と呼ばれる、
はみ出した周りの部分を落とされ、成型されて出来上がる。
こうして1日に約8000枚の南部せんべいが作られるというが、
切り落とされたミミの部分は、
ストーブの上で焦がさぬように3時間程温め、
カリカリになるまで、水分を飛ばしてパック詰めにし、
商品にして出荷している。
城島「じゃあ使い道があるってことですね」
と、城島が気になったのは大きな袋に入った大量のミミ。
城島「ちなみに、こちらはなんですか?」
ご主人「下に落ちたからいらないです」
落ちてしまった切れ端は、商品にはならず、集めて処分するという。
かつては豚の飼料にしていたとのことだが、
ご主人「今は土佐犬(とさけん)に(エサとして)あげている」
闘犬で知られる土佐犬だが、
実は青森県、土佐犬の数が高知を抜いて、日本一。
南部せんべいの捨てちゃう部分は、
土佐犬の飼い主さんへ送られ、犬達のパワーの源に!
これも、使い道があるので、ゲットならず…。
こうして、メインに考えていた南部せんべいをもらえぬまま、
食材探しは終了。
2人が作りたかったイメージは「せんべい汁」だが、
太一、新たなレシピを思いついていた。
まず、切った鮭トバを沸騰したお湯の中へ。
20分程茹でたら、フードプロセッサーでミンチ状に。
一方、城島は、湯通ししたヒラメのアラをスプーンで削って、
身を削ぎ落としたら、残りは適度な大きさに切り、鍋で茹でていく。
さらに、カレイのアラも一緒に入れて、出汁を取る。
削ぎ落としたヒラメの身は細かくたたき、
ミンチにした鮭トバと合わせる。
そして、太一は農家さんから、にんにくを頂いていた。
農家さん「新しい芽が出てきたら売り物にならないから(処分)」
さらに、こちらの農家さんに、
丸まらなかった白菜と中がスカスカのキャベツも頂いていた。
にんにくは、みじん切りにして、
ヒラメと鮭トバのすり身の中へ入れ、
お酒を加えて、よく混ぜ合わせる。
これを、白菜と魚のすり身を交互に重ねていく。
太一が作りたいのは、「ミルフィーユ鍋」。
本来は、豚肉を使っているが、それを魚のすり身で。
白菜と魚の身を重ねたら、同じ幅に切り、
鍋に立てるように敷き詰めていく。
ヒラメとカレイのアラで取ったスープを入れ、
醤油とお酒で味を調えたら、火にかけて、しばし待つ。
その間、城島は、とっくり芋の皮を剥いて、すりおろす。
城島「すごい粘りがある」
キャベツをザク切りにし、おろしたとっくり芋と混ぜ合わせ、
粘りが出てきたら、熱したフライパンへ。
太一「お芋100%のお好み焼きだね」
焼けたら、ソースとマヨネーズをたっぷり塗って、
さらに、鮭トバを削って鰹節ならぬ、“鮭トバ節"をふりかけ、
仕上げに黒コショウで調えたら、
「鮭トバかけ0円お好み焼き青森バージョン」が完成。
そして、鍋もいい具合いになり、
食材を分けて頂いた方々をお招きして食事会!
まずは、「0円海鮮ミルフィーユ鍋」。
太一「いい出汁でてる!トバの香りすごい」
そして、とっくり芋と鮭トバの0円お好み焼き。
城島「フワフワ、モチモチ!トバが風でトバないように…」
太一「うんめ!」
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